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21.イエスマン “YES”は人生のパスワード YES MAN (2008年米)<3.5>
[監督]ベイトン・リード
[出演]ジム・キャリー、ゾーイ・デシャネル、ブラッドリー・クーパー、ジョン・マイケル・ビギンズ
[時間]104分
[内容]銀行で貸し付けを担当しているカール・アレンはバツイチ男。離婚して以来、私生活では友人からの誘いをいつも断
り、仕事ではローンの申請書に来る日も来る日も却下のスタンプを押し続けるなど、極めて後ろ向きな人生を送ってい
た。そんな彼もある日、親友の婚約パーティまでもすっぽかしてしまった事で、ついに友人から“生き方を変えない限り
お前は独りぼっちになる”と脅され、その改善に、とあるセミナーへ参加する事になる。そこで主宰者から、意味のある人
生を送るための唯一のルールは如何なることでも全て“イエス”と言うだけ、と説かれる。そして、とりあえず“イエス”を連
発していくと、次第に物事が好転し始めるのだった。さらには“イエス”の効能でアリソンという女性と出逢い、良い事ずく
めのカールだが…。
[寸評]全ての答えを“ノー”から“イエス”に変えた事で人生が一変するジム・キャリー主演のヒューマン・コメディ。何でも
ノーで済ませてきたネガティブな人生を転換すべく、あらゆる事にイエスと答えるようにしたら、思いも寄らぬ展開となる
様子を描いた作品。ブルーレイレコーダーを購入して、本作品にて、ようやくブルーレイディスクの映像を観た。映像は綺
麗なのは確かだが映画館によく行っているせいか、そんなにビックリするほどではなかったかな・・。この原作は番組プロ
デューサーや司会者などマルチに活躍するイギリス人ダニー・ウォレスが実際に全てに“イエス”と答え続けた6ヵ月間に
渡る実践を綴った体験記によるもの。何でもイエスと答えるのは極端だし、考えて対応しなければならないが、相手への
印象やともかく突進していく事を考えると物事はプラスの方向に作用する、と言えるのかもしれない。本作品は、それを
極端に描いているが、観ていて明るい気持ちにさせてくれる。どうしても「マスク」の印象が強いジム・キャリーだが、良い
演技だったと思う。
22.96時間 TAKEN (2008年仏)<3.5>
[監督]ピエール・モレル
[出演]リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、リーランド・オーサー、ジョン・グライス、ケイティ・キャシディ
[時間]93分
[内容]米国政府の秘密工作員として家庭を顧みずに幾多のミッションをこなしてきたブライアン・ミルズは、現在、一線を退
き、ボディガードのバイトなどで小銭を稼ぎながらカリフォルニアで孤独な日々を過ごしていた。そんなある日、別れた妻
レノーアと一緒に彼女の再婚相手である資産家のもとで暮らすひとり娘キムの17歳の誕生パーティーが開かれ、ブライ
アンもお祝いに訪れる。やがて、親友アマンダと海外旅行へ行きたいというキムに押し切られ、不安ながらもパリ行きを
承諾する。しかし、現地のキムから電話が掛かってきた時、不安が現実のものとなる。彼女たちの滞在するアパルトマン
に突然謎の一味が乱入し、アマンダが拉致されたのだ。さらには、その一部始終を伝えていたキムも一味に連れ去られ
てしまう事態になる。ブライアンはかつての自分を甦らせ、キムの奪還と犯人への復讐を決意する。事件発生から96時
間を過ぎると被害者の救出が不可能という事例データを念頭に単身パリへ飛び、長年培ったスキルを活用しながら捜索
を開始する・・・
[寸評]製作・脚本リュック・ベッソン、主演リーアム・ニーソンによるサスペンス・アクション。最愛の娘を海外旅行先で拉致さ
れた元秘密工作員の父親が非情な追跡者へと変貌し、96時間というタイムリミットの中で、百戦錬磨のスキルを駆使し
ながら娘の救出に奔走する様をスピーディーかつスリリングに描いた内容。4/22(木)に午後有休を取って友人と岐阜
長良川球場で巨人×横浜戦を観戦する予定だったが、断続的な強い雨で中止となり、夜に名古屋で映画でも観に行こう
かと思うにも雨が強くて行く気になれず、本作品のBDをレンタルして鑑賞した。フランス映画はこうした追跡物を描くのが
得意なのだろうか。話の細かい事は色々と突っ込みを入れたくなるが、そこまでやるか!というぐらい娘を助けるために
追跡して徹底的に敵をやっつけるので93分はあっという間に過ぎる。これほど娘を思うなら、幼少の頃も超多忙の中にも
愛情を注けただろうに・・・。海外では見知らぬ人には十分警戒しなければならないね。アマンダとキムは余りに無防備
すぎるよ・・子供達が何年か後に友人や一人で行く場面になった時にしっかり諭さねばならないね。(かくいう私も自由旅
行を何度かしたものだが・・・)
23.母なる証明 MOTHER (2009年韓)<3.0>
[監督]ボン・ジュノ
[出演]キム・ヘジャ、ウォンビン、チン・グ、ユン・ジェムン、チョン・ミソン
[時間]129分
[内容]静かな田舎町のトジュンは純粋無垢な心を持った青年である。漢方薬店で働く母にとって、トジュンの存在は人生の
全てであり、いつも悪友のジンテと遊んでいるので心配の絶えない毎日だった。そんなある日、女子高生が無惨に殺され
る事件が起き、容疑者としてトジュンが逮捕されてしまう。唯一の証拠はトジュンが持っていたゴルフボールが現場で発見
された事だ。しかし、事件解決を急ぐ警察は、強引な取り調べでトジュンの自白を引き出すことに成功する。息子の無実を
確信する母だったが、刑事ばかりか弁護士までもが彼女の訴えに耳を貸そうとしない。そこでついに、自ら真犯人を探す事
を決意し行動を開始する母だったが…。
[寸評]「殺人の追憶」「グエムル -漢江の怪物-」のポン・ジュノ監督が、息子の無実を信じてたった一人で真犯人探しに奔
走する母親の執念の姿をスリリングに描き出したサスペンス・ミステリー。キネマ旬報の2009年の外国映画のベスト2に
評価されていた事もあり、劇場公開時も観たいと思っていたので、新作レンタルDVDで妻と鑑賞した。息子が想定していた
イメージと違う様で母子関係も怪しい要素もあって、何だか変わった映画だぞ!と思いながら途中まで観ていたら、後半
に見応えのある展開にはなった。しかし、あの最後はどう解釈していいのだろう?真相は観た人の解釈にお任せします!
という事かな。母親はあんな事をしてしまったし、どうにも後味の悪い、すっきりしない感じが残った。ある面、現代の母子
の関係を風刺しているのかな?母親役のキム・ヘジャと息子のウォンビンの怪演ぶりは見事といえる。この映画、解釈の
仕方によって好き嫌いが分かれるのではないか?キネマ旬報では評価が高いものね。まだまだ私の映画への眼力は
弱いのかな?
24.マイレージ、マイライフ UP IN THE AIR (2009年米)<4.0>
[監督]ジェイソン・ライトマン
[出演]ジョージ・クルーニー、ヴェラ・ファーミガ、アナ・ケンドリック、ジェイソン・ベイトマン、ダニー・マクブライド
[時間]109分
[内容]企業のリストラ対象者に解雇を通告する“リストラ宣告人”の仕事で年間322日間も出張しているライアン・ビンガム
は、自らの講演でも謳っている“バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない”をモットーに人間関係も仕
事もあっさりと淡泊にこなし、結婚願望も持たず家族とも距離を置いたまま、ただマイレージを1,000万マイル貯める事が
目下の人生目標となっていた。だがそんな彼も、2人の女性と出会った事で人生の転機が訪れる。一人は、ライアンと同
様に出張で飛び回っているキャリアウーマンのアレックス。同じ価値観を持つ彼女とはすぐに意気投合し、互いに割り切
った関係を楽しむ事になる。もう一人は、将来を有望視されて入社してきた典型的現代っ子の新人ナタリー。彼女は、ネ
ット上で解雇通告を行い出張を廃止する、というライアンの立場を脅かす合理化案を提案し、さらにライアンは彼女の教
育係に当てられてしまう。しかしライアンは、そんな彼女達と接していく内に、これまでないがしろにしていた人との“つな
がり”の大切さに気付かされていく…。
[寸評]ウォルター・カーンの同名小説を基に、現代人を取り巻く様々な問題をスマートに描き出すハートフル・ヒューマン・
ストーリー。リストラ宣告人として全米を飛び回り、煩わしい人間関係を回避して身軽で気ままな人生を送ってきた主人
公が、2人の女性との出会いをきっかけに、それまでの生き方や人とのつながりについて見つめ直していく姿を綴った内
容。今年のアカデミー賞で作品賞、主演男優賞、助演女優賞(2人)でノミネートされた事や内容から以前より興味があっ
たが、3月迄は愛知県で単館上映ゆえ、劇場での鑑賞を躊躇していた。4月下旬から拡大上映されたので、これ幸いと妻
に付き合ってもらい鑑賞。思った以上に穏やかに緩やかに話が進む。何故、ライアンが人との関わりを避けてマイルを
ためる事に生きがいを感じるようになったかを知りたいところだ。そんなライアンが女性との繋がりから、家庭的なよりど
ころを欲するようになっていくのだが、2人の女性の生き方はどうも私には違和感があるなあ・・・。リストラ宣告を受けた
人達の色々な会話にも様々な人生・生き様が感じ取れる。人生色々だよね・・・アカデミーでも評価されただけあった、な
かなか上手くまとめられた作品です。
25.トランスポーター THE TRANSPORTER (2002年仏)<3.5>
[監督]ルイ・レテリエ
[出演]ジェイソン・ステイサム、スー・チー、マット・シュルツ、フランソア・ベルレアン、リック・ヤング
[時間]93分
[内容]南仏に暮らすフランクはプロの運び屋で“契約厳守”“名前は聞かない”“依頼品は開けない”という3つのルールの
下、高額な報酬と引き換えにワケありの依頼品であろうが正確に目的地まで運ぶ事を業としている。この日も依頼品で
ある3人の強盗犯を愛車に乗せ、追走する警察を見事に振り切って目的地に送り届けた。そんなフランクにある組織から
新たな仕事が入る。いつも通り、車のトランクに依頼品のバッグを積み、目的地へと向かうが、道中でバッグに不審を感
じたフランクは、自らのルールを破ってつい開けてしまう。すると、そこには手足を縛られた中国人美女が入っていた。
[寸評]リュック・ベッソン製作・脚本のサスペンス・アクション。どんな依頼品も正確に目的地まで届けるプロの運び屋とその
依頼品である一人の女が、追っ手との壮絶な闘いを繰り広げる姿を描いた内容。職場のOさんがNHK-BSで放送された
本作品を観て薦めてくれた(Oさんは3作目迄鑑賞したとの事)事もあり、100円レンタルDVDで鑑賞。リュック・ベッソン製
作・脚本、仏映画という事で完全に先般観た「96時間」のノリだろうと思ったら、正にその通りだった。(本作品の方が古
いけどね)ストーリーは極めてシンプルで重厚なものではない。93分という時間はアクション物を観るのに適した時間
だと思う。考える要素や複雑な要素があると長くなるんだろうね。アクション満載でスー・チーもなかなか良かった。この
勢いで2作目・3作目も観てしまおうかな。
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