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16.チーム・バチスタの栄光 (2008年日)<3.5> 
 [監督]中村義洋
  [出演]竹内結子、阿部寛、吉川晃司、池内博之、玉山鉄二、井川遥、田口浩正、田中直樹、佐野史郎、、國村隼
  [時間]120分
 [内容]「バチスタ手術」とは拡張型心筋症に対する手術で成功率60%の高難度のものである。東城大学病院では、天才外
   科医・桐生をリーダーとする7人体制の専門集団“チーム・バチスタ”を結成し、26連勝という驚異的な成功を記録する。だ
   が突如として、3例立て続けに術中死が発生した。たまたま不運な事故が続いたのか、あるいは医療ミスか、はたまた故
   意なのか? 病院側は事を荒立てずに原因を見極めようと、日陰の存在である心療内科医の田口に内部調査を命じる。
   渋々引き受けるハメになった田口だったが、外科の素人には荷が重すぎたのか真相解明には至らず確信の持てぬまま
   「単なる事故」と結論づけようとする。するとそこへ、厚生労働省の破天荒なキレモノ役人、白鳥が現われ、報告書を一刀
   両断し、事件を殺人と決めつけるや、困惑する田口を引き連れ強引な再調査に乗り出すのだった・・・。
  [寸評]現役医師でもある海堂尊による『このミステリーがすごい!』大賞受賞の同名ベストセラーを映画化した作品。先週、
   「ジェネラル・ルージュの凱旋」を鑑賞して楽しませてもらったので、前作である本作品を押さえておこうとレンタルDVDで
   妻と”映画はイマヒトツ”という周囲の声を心して鑑賞した。確かに竹内結子を際立たせる余り意味のない演出(ソフトボー
   ルの試合等)もあるが、マズマズ楽しめた。心臓手術のシーンは観るのが辛いが、リアリティーがあり、医師の大変さを
   痛感させられる。2作目を観ているので、本作品の真犯人は消去法で”あの人か、この人かな?”と意識して観ていた。
   医師の仕事は大変だな。それゆえ泥臭い事も多々あるのだが、結果的には観ておいて良かった。本屋で海堂氏の白鳥と
   田口のコンビが登場する作品「ナイチン・ゲールの沈黙」「イノセント・ガールの祝祭」を目にするが、今後も映画化される
   のかな?

17.相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿 (2009年日)<3.5> 
 [監督]長谷部安春
  [出演]六角精児、荻原聖人、市川染五郎、紺野まひる、片桐はいり、伊武雅刀、水谷豊、寺脇康文
  [時間]105分
 [内容]不気味なテロリストの標的となってしまった東京ビッグシティマラソン。杉下右京と亀山薫が事件解決に奔走する
    傍ら、鑑識課の米沢守も顔認証システムで同大会の映像をサーチしていた。その時、米沢は数年前に離婚届を残し
    て忽然と姿を消した元妻・知子の姿を見つけてしまう。翌日、その女性の死体が発見される。彼女は別れた妻と瓜二つ
    の別人だったのだ。そして、現場で女性の元夫と名乗る刑事・相原と出会う。やがて2人は、証拠も不十分なまま自殺と
    断定されて幕引きを図られたこの事件に疑問を抱き、協力して極秘に捜査を開始するが…。
  [寸評]昨年公開された「相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」のサイド・ストーリーとして、ミス
    テリー作家のハセベバクシンオーが同シリーズの人気キャラクターの一人、警視庁鑑識課の米沢守にスポットを当て
    て書き上げたスピンオフ小説を映画化した作品。今やTVシリーズではコンビを解消してしまった杉下(水谷豊)・亀山
    (寺脇康文)が出演する事もあり、興味があり、公開日初日に妻と劇場で鑑賞。昨年の「相棒-劇場版-」に比べ、観客の
    入りは非常に少なかったが、老夫婦が多いのは同じだった。「相棒シリーズ」は老夫婦に根強い人気を持っているといえ
    よう。さて、本編だが、前半はセクハラ云々とかで、やたら軽い内容の感だったが、後半は警察の天下り体質等、厳しい
    所を突いてテンションが上がってくる。スピンオフ作品としてはマズマズではないかな。思ったより、杉下・亀山の登場が
    少なかったが、米沢が彼等に”甘えてしまわないという姿勢(米沢が主役だからね)”を貫いている(そう口にする場面が
    ある)事により、それはそれで納得してしまう。犯人は意外な人だったが天下り体質、経費の無駄遣い、高飛車だけで仕
    事をしない人に対する警鐘を発している。(本当にそうだと思う・・・) 米沢がもう少し鑑識の技量を発揮するとか、彼自身
    の私生活を最後にハッピーにさせてあげれば良かった。自分の洞察力は未熟だ、と語って終わる所は彼らしいが・・・最
    後に「特報」として新コンビの紹介があったが、劇場版もまだまだ製作される可能性があるのかな?

18.ザ・バンク 堕ちた巨像 THE INTERNATIONAL (2009年米・独・英)<2.5> 
 [監督]トム・ティクヴァ
  [出演]クライヴ・オーウェン、ナオミ・ワッツ、アーミン・ミューラー=スタール、ブライアン・F・バーン
  [時間]117分
 [内容]インターポール捜査官ルイ・サリンジャーは、ニューヨーク検事局のエレノア・ホイットマンと共に、ある重要案件の捜
    査に当たっていた。そのターゲットは、世界中の富裕層から莫大な資金が集まる欧州拠点の国際銀行IBBCである。そこ
    では、かねてより不審な資金の流れがある、との極秘情報を得ていたのだ。サリンジャーはベルリンを皮切りに、リヨン、
    ルクセンブルク、ミラノ、ニューヨークといった各地を飛び回り、内部告発者や情報提供者と接触しながらIBBCの実態を
    探っていく。しかし、いずれも行く先々で証人・証拠が消され、狡猾非情に出鼻を挫かれてしまう。それでもサリンジャー
    は核心に迫るべく、ある覚悟を決めるのだが…。
  [寸評]ワールドワイドな展開で難攻不落の巨悪に迫る社会派サスペンス。違法行為に手を染める国際的な巨大銀行を追跡
    するインターポール捜査官が、執拗な妨害工作に遭いながら、その実態と真相の究明に奔走する姿を描いた作品。100
    年に1回という金融危機と言われる中、タイムリーな内容かと思い、鑑賞してみた。前日に家族で富士急ハイランドへ日
    帰りで行った疲れ(朝4時出発、夜12時帰宅)が出たのか、睡魔との戦いを強いられ、集中して観れなかった事は否め
    ない。但し、全般的に期待外れだった。悪の権化はIBBCの上層部であるのだが、悪かと思いきや、サリンジャーと共闘し
    てみたり、サリンジャーが追いつめたと思いきや、サリンジャーが引いてしまうし、舞台がめまぐるしく変わるし、何が何だ
    かよく分からなくなってしまった。派手な銃撃戦より、お金の裏社会への流れ等を上手く描いてほしかった。ポイントがた
    まった特典で無料鑑賞だったので我慢しよう・・・

19.ベガスの恋に勝つルール WHAT HAPPENS IN VEGASE (2009年米)<3.5> 
 [監督]トム・ヴォーン
  [出演]キャメロン・ディアス、アシュトン・カッチャー、ロブ・コードリー、トリート・ワイリアムズ、デニス・ミラー
  [時間]99分
 [内容]ウォール街で働くジョイはその完璧主義な性格が災いし、フィアンセにフラれてしまった。一方、同じニューヨークで
    父親が経営する工場で働くお気楽な男ジャックは解雇されてしまった。そんな彼らはそれぞれ親友を連れて気晴らしに
    ラスベガスへ繰り出し、ホテルの部屋のダブルブッキングを契機に出会った。ところが、すぐに意気投合した2人はその
    夜、酒を飲んでバカ騒ぎした末、勢いで結婚してしまう。翌日、事の次第に気付いた2人は一転して険悪モードになる。
    だが婚姻の無効手続きをしようとした矢先、ジャックがジョイの25セントを投入したスロットマシンで300万ドルもの大金を
    当てるのだった。しかし、賞金の所有権を互いに主張して譲らない2人は、その決着を法廷に委ねるのだが…。
  [寸評]ラスベガスで出会い酒に酔った勢いで結婚してしまった見ず知らずの男女が、結婚解消直前にカジノで大金を当て
    た事から、その所有権をめぐり対立するドタバタぶりを描いたロマンティック・コメディ。劇場で予告編を何度も観ていて
    興味があったのでレンタルDVDで鑑賞した。何だかんだ最後はハッピーエンドになるんだろうな?という予想をしていた
    が、その通りの展開となった。キャメロン・ディアス、アシュトン・カッチャーのコンビネーションがなかなか良く、それなり
    に楽しませてくれる。ジョイと違ってジャックは真面目に働くという感じが乏しく、現実的に生活を支えていけるのか疑念
    だが、300万ドルを基に父親の会社を継承するのか、自ら起業するのだろうか?何はともあれ、本作品のメッセージは
    自分を飾らず、ありのままの自分でいれて、それを受け入れてくれるパートナーが良い!という事だろう。そういう面で
    私はつくづく果報者だと思う。

20.レッドクリフ Part II -未来への最終決戦- 赤壁下・決戦天下
   (2009年米・中・日・台・韓)<4.5> 
 [監督]ジョン・ウー
  [出演]トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、リン・チーリン、中村獅童
  [時間]144分
 [内容]80万の曹操軍をわずか5万で迎え撃つ劉備・孫権連合軍は、軍師・孔明の知略と指揮官・周瑜の活躍で前哨戦は
    どうにか撃退に成功した。思わぬ大敗にも依然として圧倒的な勢力を誇る曹操は、2,000隻の戦艦を率いて赤壁へと
    進軍する。そんな中、曹操軍には疫病が蔓延してしまうが、非情な曹操は死体を船に積み、連合軍のいる対岸へと流
    す。これにより連合軍にも疫病が拡がり、ついに劉備は自軍の兵と民のため撤退を決断する。ただひとり戦地に残り、
    周瑜と共に戦う道を選んだ孔明だったが、劉備軍が持ち帰った事で生じた矢の不足の責めを問われてしまう。すると
    孔明は、周瑜に3日で10万本の矢を調達してみせると宣言するのだったが…。
  [寸評]三国志(未読だが・・・)の有名なエピソードを基にした、日本をはじめアジア各国で大ヒットを記録したスペクタクル
     巨編「レッドクリフPartT」の続編。話が壮大なため、前編(PartT)・後編(PartU)に分けている。前編を観た時に、
     すぐにでも続きを観たいと思っていた待望の期待作。後編の本作を観るに際し、鑑賞日前日に妻とDVDで前編を復習
     したが、何と同じタイミングでTVで前編が早くも放送された(劇場公開後、5ヶ月でTV放送されるのは初めてではない
     か?)。本作は正にメインの「赤壁の戦い」が描かれていて、尚香と小喬の女性2名が大活躍をする。144分の長編だ
     が、少しも退屈する事なく引き込まれ、見応えがある。最後の風を利用した総攻撃と小喬の救出のシーンはインパクト
     がある。今回、曹操が息子の事を語るシーンがあり、人間味をかいま見せたものの、結局、何から何まで悪者という描
     き方だった。もっと多面的な所があるのだろうが・・・合計5時間の世界では個々の人物の詳細は描くのは難しいので
     やむをえないが、各々の人物を深堀りすると面白いのだろうな(本を読まないといけないか・・・)。触れようと思いなが
     ら、触れてこなかった「三国志」の世界に導いてくれたこの作品を観れて非常に良かったと思う。「三国志」に詳しい人
     にとっては、色々な感じ方をされるだろうが、私や一緒に鑑賞した妻にとっては、素直に面白かったといえる。これを
     契機に中国の歴史小説に触れていきたいところだが・・・<前編(PartT)の鑑賞後、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」を
     購入したが未読・・・>
     
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