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56.Life 天国で君に逢えたら (2007年日)<3.5> 
 [監督]新城毅彦
  [出演]大沢たかお、伊東美咲、真矢みき、袴田吉彦、川島海荷、石丸謙二郎、哀川翔
  [時間]118分
 [内容]ワールドカップでの勝利を夢見て、世界中を転戦する過酷な日々を送るプロ・ウィンドサーファーの飯島夏樹。妻の
    寛子はそんな夏樹を献身的に支え続けた。そしてついに夏樹はワールドカップでの初優勝を飾る。これを機に、2人は
    ハワイに居を構え、4人の子宝にも恵まれた。しかし、やがて長女が10歳になる頃、突然の病魔が夏樹を襲った…。
  [寸評]2005年にガンのために亡くなった世界的プロ・ウィンドサーファーの飯島夏樹さん(私と同年)の半生を映画化したヒュ
    ーマン・ドラマ。どこまで実話に基づいているか分からないが、病魔に襲われてからの葛藤、時には家族に当たり散らし、
    長女の反発を受けたりして、生々しく描かれている感じがする。家族・家財に当たり散らす時の子供達の悲しげな表情が
    印象的だ。ハワイに居を構えながら、日本と往来して入院・療養するとお金は大丈夫なのか?と思って見ていた。かなり
    期待して観たので、それなりにマズマズといったところだが、妻への感謝、生まれ変わってもプロポーズする、という台詞
    や長女がウィンドを練習している所に駆けつけるシーン、ラストに出てくる2人の出会いのシーンは涙モノだった。やはり
    家族皆、健康で仲良くありたいね。それが何よりの幸福だからね。

57.落下の王国 THE FALL (2006年印・英・米)<3.0> 
 [監督]ターセム
  [出演]リー・ペイス、カティンカ・ウンカルー、ジャスティン・ワデル、ダニエル・カルタジローン、レオ・ビル
  [時間]118分
 [内容]1915年のハリウッド。スタントマンのロイは、撮影中の事故で重傷を負い、病院のベッドで横たわり、身体が動かず
    に自暴自棄となり、自殺願望にとらわれていた。同じ病院に入院中の5歳の少女アレクサンドリアは、家族の手伝いで
    オレンジを収穫中に樹から落下して腕を骨折してしまったのだ。じっとしていられず敷地内を歩き回っている内にロイの
    病室へと辿り着く。ロイはアレクサンドリアを呼び寄せると、思いつきの冒険譚を語って聞かせる。ロイの語るめくるめく
    物語にすっかり引き込まれていくアレクサンドリアだったが…。
  [寸評]世界24ヵ国以上でロケを敢行して撮り上げた絢爛豪華な映像叙事詩。事故で下半身不随となり、自暴自棄になっ
    たスタントマンと骨折で入院中の一人の少女の心の交流を軸に、スタントマンが少女に思いつくままに語るおとぎ話を
    イマジネーション溢れる映像美で描いた内容。有休を取り、あいにくの雨だったので、妻とTOHOシネマズ名古屋ベイシ
    ティで本作品を初めてプレミアシート(通常料金扱いでラッキー)で鑑賞した。リクライニング付のゆったりとした座席で
    観れた。(しかし、妻は後部座席の男性から10回程、座席を蹴られたようで、鑑賞後、不機嫌だった)話の内容は、結局
    は、ロイがアレクサンドリアに薬を取りに行かせるためにおとぎ話を画策していて、興ざめの感はあるが、独特の創り方
    には新鮮味があるし、幾つかの美しい世界遺産の映像を味わえるのは良かった。おとぎ話には現実の世界のキャラが
    ほとんど出てくるのだが、話の内容、キャラが、どういう意味合い・役割を持って出ているのか、イマヒトツ理解できな
    かった。

58.ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢 EVERY LITTLE STEP
    (2008年米)<4.0> 
 [監督]ジェームズ・D・スターン、アダム・デル・デオ
  [時間]93分
 [内容]ブロードウェイ・ミュージカルの最高峰『コーラスライン』の2006年の再演に向けて行われた8ヵ月間にわたる長く過酷
    なオーディションの模様を軸に描いたメイキング・ドキュメンタリー。
  [寸評]ミュージカル製作の舞台裏をそのまま作品にした75年初演の名作ミュージカル『コーラスライン』。85年には映画版も
    製作され大ヒットした。私にとっても好きな作品であるし、劇団四季版の舞台も鑑賞したし、映画のDVD,CD、劇団四季の
    CDも持っている。『コーラスライン』の舞台裏のドキュメンタリー、と言うだけで、反射的に鑑賞欲がおこり、公開日初日に
    鑑賞(愛知県で1館しか上映しない)。応募者数3000人の中からわずか19名へと絞り込まれていく選考過程に密着し、
    一流ダンサー達が自らの夢に向かって熱き闘いを繰り広げ、幾つかのドラマティックな人間模様を描いている。こうした
    舞台に立つ事がいかに競争が厳しくて大変で、幾つかの苦悩・ドラマがある事か?馴染みの曲をオーディションで歌った
    りしているので親近感を持って観る事ができた。余りに迫真のPRで審査員が涙ぐむシーンは良かった。最近、オーケス
    トラ・合唱の舞台裏のドキュメンタリーをよく観るので、新鮮さはなかったが、楽しめ、かつ厳しさを痛感させられる。

59.ブーリン家の姉妹 THE OTHER BOLEYN GIRL (2008年英・米)<4.0> 
 [監督]ジャスティン・チャドウィック
  [出演]ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ、デヴィッド・モリッシー、ジム・スタージェス
  [時間]115分
 [内容]16世紀の英国。国王ヘンリー8世は、王妃キャサリンとの間に男子の世継ぎが出来ず焦りを感じていた。そこに目を
    付けた新興貴族のトーマス・ブーリンは、長女アンを王の愛人に仕立てようと画策する。ところが、ヘンリーが見初めた
    のは、商家の息子と結婚したばかりの次女メアリーだった。ほどなくヘンリーはブーリン一家を宮中に住まわせ、メアリ
    ーを愛人に召し上げる。先に嫁いだ上に、王の愛人の座まで横取りされてしまったアンは、次第にメアリーに対して嫉妬
    と憎しみを抱き始めるが…。
  [寸評]ヨーロッパの歴史を大きく揺り動かした一大スキャンダルとして知られるイングランド国王ヘンリー8世の結婚、世継ぎ
    問題を背景に、エリザベス1世の母となったアン・ブーリンとその妹メアリーが辿る愛憎渦巻く数奇な運命を描く歴史劇。
    スターウォーズ新3部作のナタリー・ポートマンが出演している事、週刊ポストの映画評でいつもは厳しい渡辺真理さん
    が絶賛している事から関心を持ち、鑑賞。一言で言うと何とも凄まじいドロドロとした内容。一族が豊かになろうという打
    算で子供をダシに使う親・親戚、ナタリー・ポートマン演じるアン・ブーリンが命に従い、策略的に動くも最後は無残な事
    になるが、残した娘(息子を強く切望していたが・・・)が後に45年統制するエリザベス女王1世となる。そんな史実は、ま
    るで知らなかった・・・ナタリー・ポートマンは上手く演じていたが、彼女には悪女はやってほしくないなあ。王も王だよな
    あ、あれで国を統治できるのか!という感じ。嫉妬、野望、純愛等がうずまく作品でインパクトはある。繰り返し観たい
    か?というと考えてしまうが・・・

60.レッドクリフ Part I RED CLIFF (2008年米・中・日・台・韓)<4.5> 
 [監督]ジョン・ウー
  [出演]トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、中村獅童、リン・チーリン
  [時間]145分
 [内容]西暦208年。帝国を支配する曹操は、いよいよ劉備軍、孫権軍の征討に向け80万の大軍を率いて南下を開始した。
    最初の標的となった劉備軍はわずか2万。撤退が遅れ、曹操軍に追いつかれてしまい全滅の危機に。しかし、関羽と張
    飛の活躍でどうにか逃げ延びる事に成功する。軍師の孔明は、劉備に敵軍である孫権との同盟を進言し、自ら孫権の
    もとへと向かう。しかし、孫権軍では降伏論が大勢を占めており、孔明は若き皇帝孫権の説得に苦心する。そんな時、
    孔明は孫権軍の重臣・魯粛の導きで、孫権が兄と慕う司令官・周瑜と面会する。最初は互いに警戒心を抱いていたもの
    の、次第に2人は相手への尊敬と信頼を深めていく。
  [寸評]三国志で有名と言われるエピソード“赤壁の戦い”を全2部作で描く歴史スペクタクル巨編の前編。三国志等、中国
    の歴史について、周囲からも読む事を奨励され、読まねばならないと思いながらも、行動に移せず、恥ずかしながら疎
    い状態だ。そんな私に本作はうってつけの入門の機会になると思い、年初から期待していて、妻と鑑賞。私も妻も登場
    人物の相関関係、名前等、把握する事についていけるか心配していたが、冒頭に字幕版でありながら、日本語で話の
    背景を分かりやすく説明してくれ、進行していく中で何度も人物名(位置付け)を表示してくれ、丁寧にサポートしてくれ
    る。だから、私達と同様に無知であっても、十分入り込める作品だと思う。三国志に詳しい人にとっては、賛否に分かれ
    るだろうし、より違う視点で楽しめるかと思う。さて、本編は無知がゆえか、非常に新鮮で面白かった。戦術・かけひき等
    の描写には人間味があり、引き付けられる。「これは面白い!」と心中でつぶやきながら観ていた。トニー・レオンは
    周瑜を魅力的に演じていて、ひと味違う、という感じだ。小喬演じるリン・チーリンは美しく、後編の大きな重要人物となり
    そう・・・アクション・シーンが満載で見応えのある内容ゆえ、後編(PartU)が楽しみだ。来年4月の公開だが、すぐにでも
    見せてほしいね。私もこれを契機に中国の歴史の小説(司馬遼太郎、吉川英治、浅田次郎等)に挑戦しようかな?
    
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