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46.デッドコースター FINAL DESTINATION 2 (2003年米)<3.5> 
 [監督]アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
  [出演]アリ・ラーター、A.J.クック、マイケル・ランデス、トニー・トッド、ジョナサン・チェリー、キーガン・コナ・トレーシー
  [時間]90分
 [内容]キンバリーはある日、友人たちとドライブ旅行に出掛けた。しかし、キンバリーの運転する車がハイウェイに差し掛
    かった時、彼女は突然恐ろしい予知夢を見る。それは、ハイウェイ上を疾走する大型トラックの荷台から落ちた巨大な
    丸太が後続車に激突した事を皮切りに、周囲の車が次々と衝突、炎上して、最後にはキンバリー達もその犠牲に遭うと
    いう凄惨な連鎖事故だった。そして、我に返ったキンバリーは事故を未然に防ぐため、周りを顧みずに突然自分の車で
    ハイウェイの入り口を封鎖するのだが…。
  [寸評]変える事のできない運命を前に次々と降りかかる死の恐怖に襲われていく若者たちを描いた「ファイナル・デスティ
    ネーション」の続編。ムービープラスで放映されたので録画して、妻と拝見。今月はムービープラスでは週末にホラー特
    集として何作品か放送するとの事で妻は観たがっている。そんな妻の影響で、かなりホラー系に耐えれるようになった
    私だが、本作品(第2作目)を含むシリーズ3部作を観てしまいたい、という意欲はある。予知夢のハイウェイでの事故の
    シーンが強烈で、これだけでも一見の価値はあると思う。実際に後にハイウェイで事故が起こり、そこを免れても、続々
    と犠牲に合う、というのは前作と同じ展開。ふとした事から残虐なシーンが登場するので口が開いた状態になってしま
    う。ただ、日常において注意散漫にしていると惨事を引き起こす、という警告にもとれる。TV放送を録画して(orレンタル)
    観るには存分に恐怖感を味わえますが、拳を握って覚悟して観ましょう。

47.闇の子供たち (2008年日)<4.0> 
 [監督]阪本順治
  [出演]江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、ブラバドン・スワンバーン、ブライマー・ラッチャタ、豊原功輔、佐藤浩市
  [時間]138分
 [内容]日本新聞社バンコク支社の記者・南部浩行は、東京本社からの情報を基に、タイで行われている闇ルートの臓器
    移植の取材を開始する。同じ頃、東京の大学で社会福祉を学んだ女性・音羽恵子は、自分探しを目的にタイの社会福
    祉センターで子供達のためのボランティア活動に従事する。やがて南部は、そんな音羽やタイでバックパッカーをして
    いるフリーカメラマンの青年・与田博明と出会い、彼らの協力を得て危険な取材を果敢に進めていく。一方音羽は、タイ
    の子供たちが置かれた悲惨な現実に打ちのめされながらも、最近センターに姿を見せなくなった少女・アランヤーの救
    出に奔走するが…。
  [寸評]阪本順治監督が、梁石日の同名小説を基に、タイで横行している幼児売春や臓器密売を巡る闇の実態と、そうした
    現実に各々の形で関わっていく日本人の姿を描ききった衝撃の問題作。何年か前に原作を読み、限りなく事実だろう
    が、その描写が凄まじくて強烈だった。だから、本作品が映画化されると聞いた時に耳を疑ったし、どこまでを描くか?
    と思った。阪本監督も「監督生命をかけて望んだ」と相当の覚悟を持って取り組んだようだ(そうコメントするだけの原
    作という事)。本作品は愛知県では単館上映で、迷ったが、怖いもの見たさの感覚で鑑賞した。確かに過激な内容で
    あるが、この問題は多くの人が直視し、認識しなければならないと思う。阪本監督の意気込み通り、上手くまとめられ
    ていた。宮崎あおいの一直線の役柄が印象的だった。原作とラストを代えたという江口洋介演じる南部の件は、どうに
    も後味の悪さが残ったな。ある面、現実の醜さ(裏側)を浮き彫りにしたのかもしれない・・・。無理強いしてまでススメル
    内容ではないが、私的には鑑賞しておいて良かったと思う。

48.サイドカーに犬 (2007年日)<3.0> 
 [監督]根岸吉太郎
  [出演]竹内結子、古田新太、松本花奈、谷山毅、ミムラ、鈴木砂羽、椎名吉平、樹木希林、温水洋二
  [時間]94分
 [内容]不動産会社に勤める30歳の薫は、久々に再会した弟から結婚披露宴の招待状を受け取る。離婚した両親も出席
    すると聞いた薫は、ふと20年前に母が家を出て行った時のことを思い出す。小4の夏休みのはじめ、父とケンカの絶え
    なかった母がついに家を出て行った。それから数日後、薫の家にヨーコさんという若い女の人が突然やって来た。ドロ
    ップハンドルの自転車に颯爽と乗るヨーコさんは、神経質な母とは対照的に大ざっぱな性格で気が強い人だった。薫
    に対しても子ども扱いする事なく対等に接してくれた。真面目で内気な薫にとって、そんなヨーコさんとの生活は正に
    驚きの連続だった。
  [寸評]80年代初頭を時代背景に、小4の少女が、家を出て行った母親に代わって現われた父親の若い愛人との奇妙な共
    同生活の中で体験する初めてづくしの刺激的なひと夏の出来事を、ノスタルジックに綴った内容。チャンネルNEOで放
    送されたので録画して鑑賞。2007年のキネマ旬報の邦画ベスト10の第6位である事と竹内結子が主演である事から関
    心を持って観た(内容的には余り期待せずに・・・)。竹内結子が、愛人にしてはネチッこくなくて(嫉妬心は出しまくる
    事はない)、さっぱりした役柄を演じている。話は起伏がある訳でなく、淡々としたものだが、観ていて違和感はない。
    但し、薫と弟の透の2人の会話で、父親と母親が帰ってこなくても、ヨーコさんがいてくれればいい!という場面があっ
    たが、親の存在感が希薄で悲しいものがある。子供にとって、色々な事を一緒に体験・成長し、存在感のある親であり
    続けたいと思った。映画としてはゴクゴク普通の出来映えと思うが、07年度で6位か?私の07年度ベストの「夕凪の
    街・桜の国」が9位である。ウーン???

49.オーケストラの向こう側 〜フィラデルフィア管弦楽団の秘密〜
    MUSIC FROM THE INSIDE OUT (2004年米)<3.5> 
 [監督]ダニエル・アンカー
  [出演]フィラデルフィア管弦楽団
  [時間]90分
 [内容]世界有数の実力を誇る“フィラデルフィア管弦楽団”をフィーチャーした音楽ドキュメンタリー。監督のダニエル・ア
    ンカーが5年間にわたりオーケストラに密着し、所属する演奏家たちの創造の秘密に迫るとともに彼らの日常の素顔も映
    し出していく。
  [寸評]私は浅はかながらもクラシック音楽・ミュジカル等が好きなので、その舞台裏には非常に興味がある。本作品は年
    初より、公開を楽しみにしていて、マイナーゆえに10月頃に名古屋シネマテークで上映される見込の事が分かったが、
    その前にDVDが発売されている事に気付き、購入して妻と鑑賞。“フィラデルフィア管弦楽団”というメジャーなオーケ
    ストラの団員にインタビューして演奏者としての生い立ち(地域・国)、ポリシー、演奏への思いを語らせている。”演奏は
    (ソリストであろうが)皆、共同作業と思って取り組んでいる””音楽家の99%は親の意向によって、その道を歩んでいる”
    等、所々、興味を引く含蓄のある言葉が発せられる。演奏者の課外活動への取組みも描かれ、違う一面も見せてくれ
    る。ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」、シューベルトの交響曲第9番「ザ・グレイト」等の演奏シーンもあり、音楽好き
    には楽しめる所があるが、一般的には退屈に感じるかもしれない?今後、「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラス
    ラインにかける夢」「ベルリン・フィル 最高のハーモニーを求めて」が劇場公開されるので楽しみにしている。

50.王の男 THE KING AND THE CLOWN (2006年韓)<2.0> 
 [監督]イ・ジュンイク
  [出演]イ・ジュンギ、チョン・ジニョン、カン・ソンヨン、チャン・ハンソン、ユ・ヘジン、チョン・ソギョン
  [時間]122分
 [内容]時は16世紀初頭。旅芸人一座の花形チャンセンと女形のコンギルは、国一番の芸人になろうと誓い合い、一座を抜
    け出し漢陽の都にやって来る。そこで時の王、ヨンサングンの悪評を耳にした2人は、宮廷を皮肉る芝居を思いつく。たち
    まち民衆の人気を博した2人だったが、噂を聞きつけた王の重臣によって捕らえられてしまう。そして、人前で笑った事
    がない王の前で芝居を披露し、王が笑わなければお前たちは死刑だと宣告される。ところが、妖艶なコンギルの芸が王
    を虜にし、ついに王を笑わせる事に成功し、彼らは死刑を免れ、宮廷に住むことを許されるのだったが…。
  [寸評]史上最悪の暴君として韓国で今も語り継がれる実在の王、燕山君(ヨンサングン)をモチーフに、その暴君に気に入
    られた事で運命を狂わされていく2人の芸人の姿を綴ッた内容。ムービープラスで放映され、妻のリクエストで録画して
    一緒に拝見。1992年に韓国へ一人旅をし、その時に民族村でショーを見たが、今回の作品の芸を見ていて、そのショー
    を思い出した。韓国の芸人・芸の模様、文化の雰囲気を味わえたし、イ・ジュンギ、チョン・ジニョンの演技もマズマスと
    思うが、内容自体は私の苦手な○○要素があり、後半は睡魔と闘う状態(妻も同様)に陥り、イマヒトツだった。あの歪
    んだ不可解な王と、それを取り巻く不正し放題の重臣達、彼らの率いる国はどんな国か(現在の日本も同様か?)
    話に芯があるといいが、チャンセンとコンギルの関係もボケているし、全般的にメリハリがなかったのが残念だった。

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