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41.スピード・レーサー SPEED RACER (2008年米)<3.5> 
 [監督]アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
  [出演]エミール・ハーシュ、クリスティナ・リッチ、マシュー・フォックス、スーザン・サランドンジョン・グッドマン
  [時間]135分
 [内容]愛する家族と共にレース事業に携わり、父の設計した“マッハ5”を愛車に天性のハンドルさばきでライバル達を
    圧倒するスピード・レーサー。彼は、レース中に命を落とした兄で真のライバル、レックスの遺志を継ぐべく、レース
    トラックを疾走していた。そんなある日、ロイヤルトン・インダストリーズから好条件のオファーが舞い込む。しかし、
    スピードがこれを断ったことから、不正まみれのロイヤルトンはマッハ5に2度とゴールをさせないと脅しをかけてくる
    のだった。スピードはレースでロイヤルトンを打ち負かす事が最善の道と決め、家族と恋人トリクシーに支えられなが
    ら、正体不明のレーサーXと手を組み、兄の命を奪ったクロスカントリー・ラリーに出場するのだが…。
  [寸評]往年の日本製アニメ「マッハGoGoGo」を「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟が実写映画化したカー・
    レース・アクション。若き天才レーサーが陰謀に立ち向かい、過酷なレースに挑む姿をCGを駆使した革新的映像で描
    いた内容。子供の頃に「マッハGoGoGo」が放映されていて時折、観ていたが、覚えているのは、テーマ曲とマシンが
    飛びはねたり、ノコギリが出てきて、木を切断する所ぐらいでストーリーは記憶にない。本作品は前々から興味はあっ
    たが、今一つ躊躇していた。妻が友人から推奨された事もあり、珍しく、劇場へ観に行く事にこだわり、家族4人で鑑賞
    する事にした。レースシーンは、CGが駆使され、目が非常にチカチカする、正にド派手なアニメーションの世界だ。
    家族・恋人の愛情に支えられ、悪に立ち向かう、シンプルなストーリーだが、それなりに手に汗を握り、楽しませてくれ
    る。クリスティナ・リッチが大人の女性の感じを漂わせ、スーザン・サランドンまでが母親役として渋く登場している。真
    田広之までが登場しているのでビックリしたが、彼の役どころが今一つよく分からなかった。子供もそれなりに楽しめ
    たようだから、家族で鑑賞されてもよい作品でしょう。

42.ウィンブルドン WIMBLEDON (2004年英・仏)<4.0> 
 [監督]リチャード・ロンクレイ
  [出演]キルステン・ダンスト、ポール・ベタニー、ニコライ・コスラー=ワルドー、ジョン・ファブロー、サム・ニール
  [時間]99分
 [内容]テニス界の最高峰のステージであるウィンブルドン選手権。かつては世界ランキング11位まで登り詰めた事もある
    英国人テニス選手のピーターは、現在では119位に甘んじ、この大会を最後に引退する覚悟だった。そんな彼が、ひょ
    んな事から、優勝候補の一人として注目を集める新人のアメリカ人女子テニス選手リジー・ブラッドベリーと出会い、一
    瞬で恋に落ちる。その恋が彼にエネルギーを与えたのか、ピーターはここ最近にない活躍を見せる。しかし大会が進む
    内に、マスコミも彼らのロマンスに気づき、2人を追いかけ回すようになり…。
  [寸評]テニスは10数年前に少しだけ、やった時期があったが、それ以来、ご無沙汰しているし、最近、伊達公子さんの復
    活には感心したが、プロテニス界の事は何も知らない状態である。ムービープラスで放映されていたので録画して、何
    気に観始めたら、予想以上に引き込まれてしまい、最後迄、楽しませてもらった。話はシンプルで、”落ち目の選手が
    恋の力で急に盛り返すかよ!(やはり何事も気持ちが大切か?)”と感じながらも、何だかんだピーターを応援してしま
    った。キルステン・ダンストはスパイダーマンの役柄のノリの女性を演じていたが、最後はアゲマンとなった。それなり
    に彼女の演技は良かったが、テニスの姿はどうなんだろう?? ピーターの両親が、ピーターの活躍を機に仲が修復し、
    優勝を決めた後に、真っ先に駆けつけたのがリジーではなく、家族の所だったのが何とも微笑ましい。英国のノリなの
    かな?テニスの難しさ・面白さも、それなりに味わえ、録画して観たので特をした感じだ。

43.ハプニング THE HAPPENING (2008年米)<3.5> 
 [監督]M・ナイト・シャマラン
  [出演]マーク・ウォルバーグ、ズーイー・デシャネル、ジョン・レグイザモ、アシュリー・サンチェス
  [時間]91分
 [内容]ある日、ニューヨークのセントラルパークで人々が突然時が止まったかのように立ちつくし、中には唐突に自らの命
    を絶つという事態が発生した。また、とある工事現場では作業員達が次々とビルの屋上から身投げする不可解な惨事
    が起きていた。この異常現象はアメリカ全土へ拡がりをみせ、多数の犠牲者を生んでいく。判明しているのは、彼らは
    みな、死ぬ直前に言語と方向感覚を喪失している事だけだった。これらの大事件の報せを受けたフィラデルフィアの高
    校教師エリオット達は、どこか安全な場所へ避難することにするのだが…。
  [寸評]「シックス・センス」「サイン」の異才M・ナイト・シャマラン監督が贈るミステリー・サスペンス。「レディ・イン・ザ・ウォ
    −ター」は未だ観ていず、「ヴィレッジ」以来の久しぶりの鑑賞となる。急遽、妻と京都・大阪へ出かける事になり、大阪
    なんばの映画館でレイトショーで鑑賞。突如として自ら命を絶つという止めどない異常現象が大規模に起こり、人々が
    為す術もなくパニックに陥っていく様を生々しく、かつ衝撃的に描いた内容。彼の作品は往々にしてそうだが、何故、こ
    うした現象が起きるのだろう?と真面目に考えてはいけない。タイトル通り、正に異常現象が発生した(すなわちハプ
    ニングが起きた)地域から、どんどん逃げるものの、ひたすら追っかけられる。最後は、どういう落ちになるか、気にし
    ながら、それなりにヒヤヒヤして鑑賞できた。私にとって一番怖かったのは民家のお婆さんだ。何か強烈で、妻も苦笑
    いしていた。最後のオチは、何となく言いたい事は分かる。あってはほしくないのだが、物事は繰り返す、という事か
    な・・・。しかしながら、ズーイー・デシャネル演じたアルマが、あの局面の連続の中で、服装をコロコロ変えていたの
    は違和感があった・・・

44.崖の上のポニョ (2008年日)<4.0> 
 [監督]宮崎駿
  [出演]<声の出演>山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、土井洋輝、奈良柚莉愛
  [時間]101分
 [内容]海辺の小さな町で崖の上の一軒家に暮らす宗介はある日、頭がジャムの瓶にはまり困っていた魚の子・ポニョを助
    け出す。ポニョはクラゲに乗って家出してきたところだった。それ以来、彼らはお互いを好きになる。しかし、ポニョは、あ
    る時、人間をやめて今は海の住人となっている父フジモトによって海の中へ連れ戻されてしまう・・・それでも、いつしか
    “人間になりたい”という気持ちが強く芽生えていたポニョは、妹達の力を借りて父の魔法を盗み出し、再び宗介のいる
    人間の世界を目指すのだったが…。
  [寸評]宮崎駿監督が、アンデルセン童話の『人魚姫』をモチーフに“人間になりたい”と願った魚の子・ポニョと5才の男の
    子・宗介の愛と冒険を、CGを廃し、手描きアニメーションにこだわった迫力とイマジネーション溢れる映像で描いた作
    品。妻と一姫が先に本作品を鑑賞(二太郎は同じ時間帯に友人とポケモンを鑑賞)していて、一姫にとっては、宮崎作
    品の中では”一番面白い”と話していた。そこで、私は有休の日の夜にレイトショーで鑑賞。前作の「ハウルの動く城」
    は、私には合わなかったが、本作品は童心に返って楽しめたので、盛り返してくれたと思う。但し、これまで以上に、子
    供向を対象に意識した作品の感じがする。宗介の行動が非常に頼もしく、愛らしいが、5才の宗介は、あんなに機転の
    きいた行動ができるものだろうか?。全般的にはファンタジー感が強く、若干モヤモヤ感が残ったかな。鑑賞後にNHK
    の”プロフェッショナル”で宮崎駿監督のドキュメンタリーが放送され、本作品への思いが語られ、自分の母親を各作
    品へ投影させている事など分かり、興味深い内容だった。まだまだ良い作品を創出していってほしい。

45.ダークナイト THE DARK KNIGHT (2008年米)<4.0> 
 [監督]クリストファー・ノーラン
  [出演]クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、ヒース・レジャー、ゲイリー・オールドマン、アーロン・エッカート
  [時間]152分
 [内容]ゴッサムシティでは、バットマンとゴードン警部補が手を組み、日々の犯罪に立ち向かっていた。だが、白塗りの顔
    に裂けた口の“ジョーカー”と名乗る正体不明の男が闇の世界で頭角を現わし、バットマンを嘲笑うかのごとく次々と凶
    悪事件を引き起こしていく。そんな中、新しく赴任した地方検事のハーベイ・デントは正義感に燃え、バットマンとも協力
    して犯罪の一掃を強力に進めていく。それでも凶行の手を緩めず街を混乱に陥れるジョーカーは、いよいよバットマン達
    を窮地に追い込むための謀略を開始するのだった・・・。
  [寸評]「バットマン ビギンズ」に続く第2弾。狂気の悪“ジョーカー”の登場により自らの存在意義そのものを問い直される
    事になる闇のヒーロー、バットマンの心の葛藤と、正義を守るための決死の戦いを描いた内容。ジョーカーを圧倒的な
    存在感で怪演したヒース・レジャーは、本作品の撮影終了直後の2008年1月に28歳の若さで惜しくもこの世を去り、ク
    リスチャン・ベイルは米国での公開後、暴行容疑で逮捕された。そんな暗い話題の中、作品は物凄い観客動員記録を
    更新している。「バットマン ビギンズ」を観た時、面白かっただけに、変にシリーズ化して、コケないでほしい、と思った
    が、本作品は良く出来ている。凄い作品なのだが、余りに人間の醜さ(本性?)・悪の部分を浮き彫りにして描写してい
    るので、皆にオススメとは言い難い。スターウォーズのダークサイドより遥かに強烈だと思う。本作品がヒットしているの
    は、ある面、厳しい、混沌とした世相を反映しているのかもしれない。予告編では“ジョーカー”の顔が怖く、直視できる
    か?なんて思っていたが、彼のやる事なす事の行為が壮絶で、顔は何も気にならなかった。ハーベイ・デントのワン・フ
    ェイスと彼のダークサイドに落ちた行動が強烈にインパクトがある。それにしても、バットマンが何とも不憫だ・・・ゴッサ
    ム・シティは一体どうなってしまうのか?今回の終わり方は次へ繋ぐ示唆なのか、バットマンの存在の辛さを示した形
    で終焉させるのか、どうなんだろう?何はともあれ、非常にインパクトのある作品です。

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