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6.バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 (2006年日) <3.5>     
 [監督]馬場康夫
  [出演]阿部寛、薬師丸ひろ子、広末涼子、吹石一恵、伊藤裕子、劇団ひとり、森口博子、伊武雅刀
  [時間]116分
 [内容]2007年の日本。景気の回復に力強さはなく、低迷が続く日本経済だが、なかでも800兆円という国の借金が重くの
    しかかり、国家の崩壊は目前に迫っていた。そんな日本の危機を救うべく、財務省大臣官房経済政策課に勤める
    下川路功はある計画を進めていた。それは、1990年にタイムスリップしてバブル崩壊をくい止めて、歴史を作り変える、
    ”極秘プロジェクト”だった。ところが、タイムマシンの開発者・田中真理子が1990年3月の東京にタイムスリップしたま
    ま、行方不明になってしまう。そこで、真理子の娘で借金取りに追われるフリーターの真弓が、母親を救うため、タイム
    マシンに乗り込むのだったが…。
  [寸評]「私をスキーに連れてって」「彼女が水着にきがえたら」のホイチョイ・プロダクションズが8年ぶりに手がけたコメディ。
    馬場康夫監督の作品は好きで、久々の本作品がTV放送されたので録画して拝見。話のコンセプトは、よくありがちなタ
    イムスリップをして元凶を正そうというもの(というより娘が母を探しに行ったものか)。今回は1990年の時代に戻るから、
    楽しい。私はその時は入社2年目。自分ではお金を持っていないから、本作品に描かれているような贅沢感はないが、
    会社の同期で、いとも簡単に、より自分に合った場所を求めて転職していく人が多くいたのが印象的だった。確か”ジュ
    リアナ”というディスコが話題になったが、作品にディスコが映し出され、飯島愛やラモスが登場してくるのは笑える。当
    時は携帯電話は未だなくて、ポケベルがあったんだよね。確かに当時の多くの人は右肩上がりばかりしか考えていなか
    ったかもしれない。大学時代に憧憬だった都市銀行なんて、まさか今のような形になるなんて思いもしなかった。登場人
    物には愛着もあり、楽しく観れるが、話の内容はマズマズというところかな。最後はタイムマシン物のあの作品のノリ(パ
    クリ?)だった・・・。

7.アメリカン・ギャングスター AMERICAN GANGSTER (2007年米) <4.0>     
 [監督]リドリー・スコット
  [出演]デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、キウェテル・イジョホー、キューバ・グッディング・Jr、ジョシュ・ブローリン
  [時間]157分
 [内容]1968年のニューヨーク。黒人ギャングのボス、バンピーの右腕として仕えてきたフランク・ルーカスは、バンピー亡き
    後、ボスの座を引き継ぎ、自らの帝国を築き上げようと決意した。東南アジアから純度100パーセントのヘロインを直接
    仕入れる独自のルートを開拓し、“ブルー・マジック”のブランド名で市場へ売りさばく事に成功した事から、フランクは瞬
    く間に麻薬王として君臨していく。一方、ニュージャージーの警察に所属する刑事リッチー・ロバーツは、警官の汚職が
    まかり通っていたこの時代に潔癖な仕事を貫いていたため、周囲から疎まれ孤立していた。また私生活では元妻と養育
    権で係争する傍ら、司法の道を目指している。そんな彼はある時、検察官からエセックス郡麻薬捜査班のチーフに抜擢
    される。やがて大衆に蔓延するブルー・マジックの捜査を進めるうち、フランクの存在に辿り着くリッチーだが…。
  [寸評]洋画が好きな人にとって、リドリー・スコットが監督で、ラッセル・クロウ、デンゼル・ワシントンが張り合う役を演じる、
    と聞けば、強い関心を持つのではないだろうか。そんな訳で私は前々から公開を楽しみにしていて、睡魔に襲われやす
    い土曜日の昼に妻と懸命にガムを噛みながら鑑賞。デンゼル・ワシントンの”悪玉”というのは、余り観たくない感じだっ
    たが、家族思いの面と厳しい姿を両方見せて、なかなかメリハリがあって彼の風格が漂っている。ラッセル・クロウは
    ”善玉”だが、プライベートでは、妻とは係争中で色々と混沌としている(人の事は断じて言えないが、ラッセルは太った
    か?)。そんな2人の各々の生き様・過程を交互に描きながら、2人をめぐり合わせていく描写の仕方が上手く見応えが
    ある。麻薬に溺れてしまう人達は、あんな様になるのだろうか?警察の内情・縄張り意識もあんな感じなのかな?麻薬・
    警察の裏側にも触れられていて、印象的で、怖い感じがした。しかしながら、私は土曜日の昼間はいけない!これだけ
    見応えがあっても、ガムを切らした間に一瞬、睡魔が襲い、台詞を一部見逃す事があった。妻はかなり満足していたが、
    私は体力が消耗していた・・・

8.スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師  (2007年米) <2.5>
   SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREETMERICAN GANGSTER      
 [監督]ティム・バートン
  [出演]ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、ティモシー・スポール、サシャ・バロン・コーエン
  [時間]117分
 [内容]19世紀のロンドン。ベンジャミン・バーカーは、フリート街で理髪店を営み、妻と娘と幸せに暮らしていた。しかし、彼
    は、ある日、妻に横恋慕したターピン判事によって無実の罪で流刑にされてしまう・・・。15年後、脱獄に成功したベンジ
    ャミンは“スウィーニー・トッド”と名を変えて、街に戻ってくる。しかし、彼の大家でもあるパイ屋の女主人から、妻はター
    ピンに追いつめられた末に自殺し、娘は幽閉されている、という驚愕の事実を知らされる。怒り狂ったスウィーニーは、タ
    ーピンへの復讐のみに生きる事を決意した・・・。理髪店を再開し、階下の女主人と結託して・・・
  [寸評]一姫二太郎が妻の実家に遊びに行き、宿泊する事になったため、私と妻は上記「アメリカン・ギャングスター」を観て
    食事等をはさんで、本作品を鑑賞(妻と映画を同日に梯子するのは13年振りではないかな?)。妻がジョニー・デップの
    ファンでもあり(現在、一番人気のある男優でもある)、ミュージカル仕立てである、という事から、残虐シーンがえげつな
    い、という風評が引っかかるものの、レイトショーで鑑賞する事にした。睡魔に襲われる事もなく良いコンディションの中、
    冒頭〜前半は「なかなかいいじゃない!」と思っていた。しかし・・・後半になると残虐シーンが”これでもか!”というぐら
    い、出てきて一気に醒めてしまった。あの「ハンニバル」よりも激しく凄まじいものだった。私は当面、床屋に行くのが怖く
    なったなあ・・・。復讐劇の中に最後に哀しいオチがあるのだが、この作品の作り手は、何がいいたかったのだろうか?
    残虐なシーンが強烈で、熱烈なジョニー・デップのファンは、この役柄をどう思うのか?ジョニーだから許される、歌声が
    聴けて良かった・・・という感じなのかな。子供達にはとても観せられるものではありません・・・

9.星になった少年 Shining Boy & Little Randy (2005年米) <3.0>
 [監督]河毛俊作
  [出演]柳楽優弥、常盤貴子、高橋克実、蒼井優、倍賞美津子
  [時間]113分
 [内容]片田舎で動物プロダクションを営む小川家。息子の哲夢も毎日、動物達と楽しく触れ合っていた。そんなある日、母・
    佐緒里がタイからゾウの“ミッキー”を購入。哲夢はその天性の才能から、すぐにミッキーと心を通わせていくのだった。
    そして、また一頭、CM出演のための子ゾウ“ランディ”もやって来る。だが、訓練を受けていないランディは、なかなか哲
    夢の言うことを聞かなかった。そこで、タイのゾウ使いの話を聞いた哲夢は、タイのゾウ訓練センターへの留学を決意し、
    ゾウ使いになることを夢見て、いざ現地へ旅立つのだが…。
  [寸評]日本人初のゾウ使いとなり、二十歳で夭逝した少年・坂本哲夢をめぐる実話の映画化作品。2/2にTV放送された時
    に録画しておき、子供達が先に観て「良かった」と言ったので、後追いで妻と鑑賞。ゾウ使いを志す少年と動物達との触
    れ合いや家族との絆、年上の女性との淡い恋の行方を綴った内容。全般的には落ち着いて観れるのだが、淡々とした
    感じだ。一番の要であるタイでの修行のシーンを上手く厚味を増して描けなかったものか?後半は悲しい展開になるの
    だが、なぜかインパクトが足りない。哲夢と周囲との関係等、もう少し深堀りして、彼に対する思い入れが熱くなるような
    形にもっていけなかったものかなあ・・・坂本龍一の音楽は相変わらず心地良く、倍賞美津子の演技も貫禄があったけ
    ど、全般的にはTV放送で観るので十分、という感じです。
    
10.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 MR. MAGORIUM'S WONDER EMPORIUM
   (2007年米) <2.5>         
 [監督]ザック・ヘルム
  [出演]ダスティン・ホフマン、ナタリー・ポートマン、ジェイソン・ベイトマン、ザック・ミルズ
  [時間]94分
 [内容]創業113年を誇る“マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋”は、一歩そこに足を踏み入れると、まるで魔法の国の
    様相で、商品はみな命を吹き込まれたかのように動き回り、誰もが驚きと興奮に包まれ夢中になれる店だ。その店はオ
    ーナーのマゴリアムおじさんの下、23歳の雇われ支配人モリーとお手伝いの少年エリックが切り盛りしている。しかし、
    ある日、243歳を迎えたマゴリアムおじさんが突然引退を宣言し、モリーへ跡を継がせると言い出すのだった。すると、
    その日から、マゴリアムおじさんの引退に不満を感じたおもちゃたちが過激に荒れ始めてしまう。跡継ぎの不安も相まっ
    て収拾がつけられないモリーだったが…。
  [寸評]一姫の要望があり、妻子と一緒に劇場で鑑賞。公開初日の夕方ながら、観客が少なく寂しい限り。スター・ウォーズ
    のパドメを演じたナタリー・ポートマンと名優:ダスティン・ホフマンの共演によるファンタジック・コメディで、この2人が出演
    するというのが鑑賞する気になった大きな要素だ。摩訶不思議なおもちゃ屋のオーナーが突然の引退宣言し、若き女性
    支配人が引き継ぎを任されたことから巻き起こる一大騒動を描いた至ってシンプルすぎる内容。しかし、何故、マゴリア
    ムは、そこまで生きてきて、モリーに譲る事にしかたのか、2人の関わり合い・思いをしっかりと描かないと面白味がない
    と思う。2人のキャラとおもちゃの幻想の世界を見せるだけで時間を使っているだけ、という感じで余り印象に残らない作
    品でした。ダスティン・ホフマンも、ナタリー・ポートマンも好きな俳優だけに、今回のキャスティングは勿体無い。この2人
    だけでしか、売りがないかもしれない・・・子供達は映像等に満足してくれていたから、良しとしよう。

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