一覧へ 前頁ヘ 次頁ヘ
46.グッド・シェパード THE GOOD SHEPHERD (2006年米)<3.0>
[監督]ロバート・デニーロ
[出演]マッド・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー、アレック・ボールドウィン、タミー・ブランチャード、ロバート・デニーロ
[時間]167分
[内容]第二次大戦間近の米国。イエール大学に通うエドワードは、FBIとの接触やサリヴァン将軍からスカウトされた事
を機に、国の諜報活動に従事していく。また一方、耳の不自由な女性ローラと運命的な出会いを果たすが、友人の妹
クローバーを妊娠させた事から彼女と結婚する人生を選択する。しかし、ほどなく戦略事務局(OSS)の一員としてロン
ドンへ発ち、クローバーとは疎遠状態になってしまう。1946年、エドワードは久しぶりに家族のもとへ戻り、息子と初めて
対面し、改めて幸せな家族を築く事を誓うのだった。だが時は冷戦時代、OSSの流れを汲んで創設されたCIAで働き
始めたエドワードは仕事に没頭し、家庭との溝がますます深まっていく。やがて、成長した息子もCIAに入る。そして
1961年にCIAを揺るがす大事件が発生する…。
[寸評]近郊の市にシネコンが先月にオープンした(市の規模からしてないのが不思議であった)ため、有休を取って、妻
と訪れ、本作品を鑑賞した。フランシス・フォード・コッポラが製作総指揮、ロバート・デニーロが監督をつとめるので、
ゴッド・ファーザーの雰囲気を思い描いてのぞんだ。仕事と家族の狭間で揺れる主人公の葛藤を軸にCIAの誕生秘話
を壮大に一流スタッフで描いた内容。CIAに詳しい人にとっては、マニアック的に見れる内容かもしれない。個々のシー
ンは何となく分かり、それなりに見応えはあるのだが、話が時代・場面があちこちに飛ぶし、人物の相関関係が分かり
辛いし、話の連続性がない。(私の理解力がないからか?)何故、あの人は何のために裏切っていて、それによって、
どんな悪影響をもらたしたか?等、個々の人物に深入りしないと簡単には理解できないかと思う。ロバート・デニーロも
俳優として出演していて、懐かしく、貫禄を感じさせられる。かなり太った感じがするが、実際に太ったのか、役作りな
のかな?エドワードの例が示すように、人間は本当に愛する人と結婚すべきでしょう。何に価値観を持つかなのでしょ
うが・・・
47.ALWAYS 続・三丁目の夕日 (2007年日)<4.5>
[監督]山ア貴
[出演]吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子、小雪、堀北真希、三浦友和、もたいまさこ、須賀健太、小日向文世
[時間]146分
[内容]昭和34年の春、日本は東京オリンピックの開催が決定し、高度経済成長時代を迎えようとしていた。そんな中の東京
下町の夕日町三丁目・・・。茶川は黙って去って行ったヒロミを想い続けながら淳之介と暮らしていた。そこへある日、淳
之介の実父である川渕が再び息子を連れ戻しにやって来る。そして、人並みの暮らしをさせる事を条件に改めて淳之介
を預かった茶川は、安定した生活と共にヒロミへ一人前の自分を見せられるよう、一度はあきらめていた“芥川賞受賞”
の夢に向かって執筆を始めるのだった。一方、経営が軌道に乗り始めていた鈴木オートでは、事業に失敗してしまった
親戚の娘・美加をしばらく預かる事になるのだが…。
[寸評]2005年日本アカデミー賞で14部門中13部門、最優秀賞を獲得したヒット作の続編。その傍ら、某雑誌では前作をワ
ースト作品とこきおろしていた。私にとって、前作は、2006年に鑑賞した初見作品でベスト作品ゆえ、本作品の期待は非
常に大きかった。ネットでは、本作品をこきおろしている評価が見受けられたり、日経新聞の金曜夕刊の評価も低い事
から、余り過大の期待をしないよう、心して公開初日に劇場で鑑賞。前作の終了時点から4ヶ月後の東京下町を舞台に、
夕日町三丁目に暮らす面々の人間模様をノスタルジックに描いた内容で、前作から、そのまま話がつながっているの
で、前作を見ておく事が必須条件でしょう。淳之介役の須賀健太君は体が成長しているので、妙に貫禄が付いて、あの
もどかしさ・初々しさが薄れてしまった感じがする・・・(設定は4ヶ月後でも、2年を経過しているので已む無しというところ
か・・・)率直に言って、前作に劣らず、本作品にも感動させられた。細かい突っ込みどころは、あるかもしれないが、こう
いった人情ドラマは非常に好きだな。何となく、分かっているような展開通りに話が進むのだが、ニヤニヤさせてくれたり、
もどかしさを感じたり、感涙させられたりして、良い気分になれます。私にとっては、前作を踏襲してくれた、期待通りの良
作でしたが、今回は日本アカデミー賞等では、どんな評価をされるのかな?但し、小日向文世は悪役が余り似合わない
ような気がする・・・。薬師丸ひろ子のデビュー作「野性の証明」を久しぶりに前日にDVDで観たが、時の流れの早い
事・・。あの少女役・アイドルが本当に良いお母さん役だものね・・・その内、堀北真希が母親役が板に付いている時代が
来るのかな・・・
48.日本沈没 (1973年日)<3.0>
[監督]森谷司郎
[出演]藤岡弘、いしだあゆみ、小林桂樹、滝田裕介、丹波哲郎、夏八木勲、二谷英明、村井国夫、神山繁
[時間]140分
[内容]深海潜水艦・わだつみの中で日本海溝の異変に気づいた小野寺と田所博士。2人は政界・財界のトップによる“D計
画”のために働くことになり、綿密な調査の上、恐るべき推測に到達する。日本列島が海に沈もうとしているのだ…。
[寸評]小松左京の大ベストセラー(未読だが・・・)を映画化した昭和版。昨年、リメイク版が公開され、観ようと思ったところ、
余り評判が芳しくなく、34年前の昭和版の方が評判が高い事から、BS-iで放送されたので録画して拝見。現在ではCG等
を駆使して、リアルに描けるのだろうで、映像的に見劣りがしてしまうが、地震・噴火・土砂崩れといった自然災害の恐ろし
さを懸命に表現している。1973年当時(私は6歳)ではインパクトがあったのではないかな。仮面ライダー1号の本郷猛役の
藤岡弘が主人公なので、当時は仮面ライダーが流行っていたので、話題になったのではないかな(推測)。物語的には、
どちらかと言うと薄味で、藤岡弘といしだあゆみの恋愛模様も何か唐突すぎる感じがし、日本が沈没していく様を驚異的に
見せる事に力点を置いた形だ。但し、田所博士の「日本人が世界各国へ避難していったが、そこでもまれて耐え切れずに
戻ってくる事を想定すると、避難させず、運命を共にした方がよかったのでは・・・」という台詞が非常に印象的だ。今や、日
本の企業等は、あらゆる地域に進出し、グローバル化を推進している。未だ国際ビジネスマンとなれない私が言うのは何
だが、世界で渡り合える人達は増えている。しかし、本作品も非現実的でない感じがして怖いです。頼むから何も起きま
せんように!
49.あかね空 (2006年日)<4.0>
[監督]浜本正機
[出演]内野聖陽、中谷美紀、中村梅雀、勝村政信、泉谷しげる、武田航平、柳生みゆ、石橋蓮司、岩下志麻
[時間]120分
[内容]深川蛤町。京の由緒ある豆腐屋で修行を積み、自分の店を持つため江戸へとやって来た青年・永吉は、やがて、深
川生まれの活発な娘おふみと出会う。2人はお互いに惹かれ合うものを感じるのだった・・。そして、おふみの父・源治の計
らいで同じ長屋に落ち着いた永吉は、念願だった自分の店“京や”を開く。しかし、江戸の豆腐とは大きさも固さもまるで違
う”京や”の豆腐。案の定、江戸の人々にはなかなか受け入れてもらえなかった。落ち込む永吉を、おふみは持ち前の明る
さで励まし続けるのだった。
[寸評]山本一力の直木賞受賞作を映画化した人情時代劇。江戸の深川を舞台に、京から江戸に下った豆腐職人の夫とそ
れを支える江戸っ子の妻、そんな2人が辿る波瀾万丈の人生模様を夫婦の絆を軸に綴った作品。現在、放映されている
NHK大河ドラマ「風林火山」(観ていないが・・・)の主役を演じている内野聖陽が出演しているという事で義母が本作品を
DVDで観た事を契機に、有休の日に妻と一緒に自宅でDVDで鑑賞。内野聖陽と中谷美紀、彼等を支える石橋蓮司、岩下
志麻等も好演していて、なかなかひきつけられる人情ドラマであった。外様の参入の厳しさ、そこから生き抜く厳しさ、嫉
妬、親子の食い違い等、様々な要素が織り込まれているので、原作はかなり深く描かれているのではないかな。岩下志
麻が演じるおしのさんの行動が素晴らしい。お寺さんの「世の中には不運にして一緒に暮らせない人達だっている。その
事を思えば、一緒にいる家族の難題について、真摯に立ち向かう事の方がまだよいのでは・・・」という意味合いの台詞は
非常に含蓄があり、印象的だった。”親分”は、おしのさんの実子なのかな。どんな人生を歩んできたのか、少しばかり語
ってくれてもよかったけどね。
50.80日間世界一周 AROUND THE WORLD IN 80 DAYS (1956年米)<4.0>
[監督]マイケル・アンダーソン
[出演]デヴィッド・ニーブン、カンティンフラス、シャーリー・マクレーン、ロバート・ニュートン、フランク・シナトラ
[時間]169分
[内容]時は1872年。ロンドンの社交クラブで、紳士、フォッグが“80日あれば世界一周できる”という賭けにのり、2万ポンドを
賭けて、従者パスパトゥと共に出発する。花の都パリでは気球を買って飛び立ち、スペインでは闘牛士となり、カルカッタ
ではアウーダ姫を助け、横浜・サンフランシスコ・ニューヨークへと旅は続く。果たしてフォグは期限内にロンドンへ帰る事
が出来るのか?
[寸評]J・ヴェルヌの冒険小説を、制作費700万ドルをかけて、世界各所の名所旧跡と豪華なゲスト・スターで紡ぎあげたデ
ラックス巨篇で、アカデミー賞で作品賞、撮影賞等5部門でオスカーを獲得している。10数年前から目を付け、NHKで放
送された時に録画しながら、ずっと放置し、そのVHSがすたれてきたのでDVDを購入して、更に期間を経てようやく鑑賞
に踏み切った。1956年という時代に、よくぞここまで世界各地を巡って撮影したものだ!と感心させられる。内容も、ホノ
ボノとした紀行物という感じで、パスパトゥのキャラが非常によく、温かみ・楽しさを加味している。フォッグのように大金を
持って、あのような豪勢な旅を一度は行ってみたい、と誰しも思うのではないか。本当に映画は物語に入り込んで色々な
世界を体験できるエンターティメントである。笑えたというか違和感があったのは、横浜でパスパトゥが紛れ込んで演じて
いたショーの場面。あれは、中国の雑技団だよね。長年放置していた(特に意味はないが・・・VHSで冒頭の場面を見て
取っ付きにくかった?)作品であったが、観てよかった。DVDの特典映像も観てしまおう。
一覧へ 前頁ヘ 次頁ヘ