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21.スパイダーマン3 SPIDER-MAN 3 (2007年米)<3.5>
[監督]サム・ライミ
[出演]トビー・マグワイア、キルステン・ダンスト、ジェームズ・フランコ、トーマス・ヘイデン・チャーチ
[時間]139分
[内容]スパイダーマンは、今やニューヨークの市民から絶大な信頼と賞賛を集めるヒーローとなり、ピーター・パーカーは
恋人MJへのプロポーズも決意し、順風満帆の日々を送っていた。ところがMJのほうは出演した舞台が酷評され気分は
どん底状態・・・。そんなある日、謎の黒い液状生命体がスパイダーマンに取り憑き、そのスーツを黒く染め上げる。黒い
スパイダーマンの戦闘能力は、なぜかこれまでよりも格段に高まっていた。しかし同時に、ピーターの心にもある変化が
生じていた・・・。そんなスパイダーマンの前に3人の敵が現れる・・・。ピーターの伯父ベンを殺害した犯人“サンドマン”、
死んだ父の復讐に燃え“ニュー・ゴブリン”と化したハリー、そしてピーターへの激しいライバル心から黒い生命体に支配
されついには最凶の敵“ヴェノム”となってしまった同僚カメラマンのエディ・・・。三者三様のスーパーパワーを備えた彼等
は、自らの内なる悪に苦悩するスパイダーマンに容赦なく襲いかかるのだった・・・。
[寸評]本年一番楽しみにしていた作品、という事で、5/1上映開始だが、この日は映画の日であり、妻と9時〜の用事をすま
せて映画館Mに行って本作品を観ようと思ったら、チケット売場が長蛇の列であえなく退散・・・。どうしても本作品を早く観
たい私は一人で映画館Hの20時〜のレイトショーにもぐりこみ鑑賞。今回で概ね完結(けじめが付くのか)するのか、と期
待していた。しかし、敵が3人登場し、スターウォーズ的なノリでダーク・サイドへの己との戦いもあるわと、話が盛りだくさ
んで、アクション・シーンもなかなか見応えがあるのだが、どれもこれも消化不良的な感じがする。作品に慣れてきてい
るゆえ、話の展開に新鮮味を感じないし、MJの行動の不可解さには段々腹が立ってくるし、ピーターにしても自ら「ヒドイ
事をした」という程、1,2作とは違った意味で心理的にさまよっている。2人共、なかなか成長していっていない(人の事をい
える自分ではないが・・・)。今回の最後の終わり方も、ああいう形になるのだろうが、何か違和感がある。ハリーの件も区
切りがついたといっていいのか否か。彼が可愛そうな気もする・・・。シリーズはまだまだ続きそうなのだが、このペースで
続けるのなら、トビー・マグワイア、キルステン・ダンストが出演するにしても、観続ける事に抵抗を感じそうだ・・・。今回で
ビシっと区切りをつけてほしかったなあ・・・。原作があるゆえ、難しい所か?高い製作費をかけた作品だが、シリーズ3作
の中では一番響いてこなかった・・・
22.クィーン THE QUEEN (2006年英・仏・伊)<4.0>
[監督]スティーブン・フリアーズ
[出演]ヘレン・ミレン、マイケル・シーン、ジェームズ・クロムウェル、シルヴィア・シムズ、アレックス・ジェニングス
[時間]104分
[内容]1997年8月31日、チャールズ皇太子との離婚後も世界中の注目を集め続けたダイアナ元皇太子妃が、パパラッチと
の激しいカーチェイスの末、自動車事故に遭い他界する。悲しみに暮れる英国国民の関心は、かねてから不仲が取り沙
汰されたエリザベス女王へと向けられる。しかし、すでに王室を離れ一民間人となったダイアナ元妃に対し、女王は本来
コメントを発表する立場にはなかった。口を閉ざし続ける女王の態度は、国民の目には薄情としか映らず、女王はたちま
ち、窮地に立たされてしまう。首相に就任したばかりの若きトニー・ブレアは、国民と女王の間に立ち、事態の収拾に乗り
出す・・・。
[寸評]離婚後も絶大な人気を誇ったダイアナ元皇太子妃の突然の事故死という事態に直面し、その対応に苦慮する英国
王室の内幕に迫る実録政治ドラマで、2006年アカデミー賞で作品賞、監督賞等の6部門にノミネートされ、ヘレン・ミレン
が最優秀主演女優賞を獲得した(他の映画賞でも幾つか女優賞を獲得)。この年になっても、自国の政治にも疎いのだ
が、エリザベス女王のダイアナ元皇太子妃への想い等は如何なるものだったか?非常に関心もあり、本作品を注目して
いて鑑賞。どこまで真実を描写しているのか分からないが、女王達の生活ぶり(思ったより、一般的ではないか!)が
かいま見れ、ダイアナに対するエリザベス、フィリップ殿下、チャールズ皇太子の思いの一言一言が興味深かった。チャ
ールズ皇太子のダイアナに対する見解は意外であった?権威と伝統、体裁等、幾多の呪縛の中で女王として生きていく
のも辛いところか・・・女王の国民への声明(ダイアナに対する哀悼)は複雑な思いの中で発せられた事がよく分かる。
ブレア夫妻各々の女王に対する思いも印象的だ。特別な感動・インパクトがあるわけではないが、英国王室の内幕をの
ぞけて、幾多の人間の思いが交錯していて観る価値のある作品かと思う。
23.パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
PIRATES OF THE CARIBBEAN: DEAD MAN'S CHEST (2006年米)<3.0>
[監督]ゴア・ヴァービンスキー
[出演]ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ビル・ナイ、ステラン・スカルスガルド
[時間]151分
[内容]呪われた海賊バルボッサとの壮絶な闘いを乗り越え、再びブラックパール号の船長となったジャック・スパロウ。しか
し、彼は、海賊なら誰もが恐れる幽霊船フライング・ダッチマン号の船長デイヴィ・ジョーンズにもうじき魂を奪われようとし
ていた。13年前にブラックパール号を手に入れるためジョーンズと“血の契約”を交わしており、その契約の刻限が迫ってい
た。それでもジャックはその事態を打開するべく、命運を握るある鍵の行方を追い始める。一方、結婚式を挙げようとしてい
た鍛冶屋の青年ウィルと総督の娘エリザベスは、ジャックを逃がした罪で投獄されるハメになった。やがて、2人は再びジャ
ックに会わなければならない宿命となり、それぞれ彼のもとへ向かうのだが…。
[寸評]もうすぐ第3作目(完結編)の”ワールド・エンド”が公開される事もあり、妻の強い要望もあり、シリーズ第2作目である
本作をG.W連休にDVDをレンタルし、5/4〜6の3夜にかけて鑑賞(相性が悪いのか、休みぼけか、何故かやたら睡魔が襲
ってきて、観るのに時間を要した・)。「スターウォーズ」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」的なノリで途中で終わって、3作目に
つなげる展開だ。1作目をDVDレンタルで観たのは3年前で、1度観ただけでは、詳細は忘れてしまっているので、本作品を
観ても分からない事がある。おさらいしてから本作品にのそんだ方がよいかと思う。しかし、どうも話の展開がダルイ感じが
したし、キーナ・ナイトレイの出番・役柄が中途半端だったし、今回のジャックの役柄には余り好感が持てなかったな。
1作目よりトーンダウンした感じがするが、話が途中で終わってしまっている事と第3作目に盛り返しを期待する事にしよう。
妻の要望もあり、3作目は劇場で観に行く事になるかな?
24.バベル BABEL (2006年米)<4.0>
[監督]アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
[出演]ヘブラット・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、菊地凛子、二階堂智
[時間]143分
[内容]場所はモロッコ。山羊飼いのアブドゥラは知り合いから一挺のライフルを買い、それを山羊に近づくジャッカルを追い払
うために息子の兄弟アフメッドとユセフに与えた。すると、兄弟は遠くの標的めがけて遊び半分で射撃の腕を競い合い、
ユセフが険しい山間部を走ってくる一台のバスに引き金を引く。そのバスには、一組のアメリカ人夫妻リチャードとスーザ
ンが乗り合わせていた。彼らは、生まれて間もない3人目の子供を亡くした事をきっかけで壊れかけた絆を取り戻そうと、
2人だけで旅行にやってきた。ところが、どこからか放たれた銃弾が運悪くスーザンの肩を直撃した・・・。
[寸評]モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本、それぞれの場所で孤独な魂どうしが織りなす愛と哀しみ、再生への希望の物語
が同時並行で綴られていく内容。日本から役所広司と共に参加した菊地凛子が各国の映画賞レースを賑わせ、日本で
も大きな話題となった。公開後、菊地凛子がディスコに入った後のミラーボールの映像を観て、体調不良を起こした人が
9名発生した、という事でも話題になった。有休消化率が少ない中、ある意味で強引に有休を取得して妻と名古屋のミッ
ド・ランド・スクエア内の映画館に行って鑑賞(その映画館で鑑賞した人が体調不良になっている・・・)。菊地凛子がどん
な演技をするかと思ったが、正に体当たりというか過激路線であり、ビックリした。あれによって賞にノミネートされた訳で
はないだろうが・・・役所広司の出番は思ったより少なく、彼女中心の話で確かに存在感はある。ミラーボールの映像は
拳を握って、”自分は大丈夫だぞ!”と思いながら乗り切った。4つの話が交錯しながら、各人の色々な煩悩が描かれて
おり、一般的には評価が二極化されているようだが、私的には引き込まれて見応えがあったし、なかなか良かったと思
う。この描き方は「トラフィック」の手法が思い出される。菊地凛子役のチエコが刑事に渡した手紙の内容、チエコの母親
の自殺の理由が非常に気になり、明かしてほしいところ・・・。他にも色々と気になる箇所があり、禁断的な話の連鎖とも
推測できる。モロッコの3人の子供が父親に怒られている時の母親の悲しげな表情が非常に印象的だった。
25.博士の愛した数式 (2005年日)<3.5>
[監督]小泉堯史
[出演]寺尾聰、深津絵里、齋藤隆成、浅丘ルリ子、吉岡秀隆
[時間]117分
[内容]家政婦をするシングルマザーの杏子が新たに派遣された先は、交通事故に遭って以来80分しか記憶が持たなくなっ
てしまったという天才数学博士の所だ。杏子は最初に博士の義姉から説明を受け、博士が住む離れの問題を母屋に持ち
込まないよう約束させられる。そして、博士は記憶を補うために、着ている背広にいくつものメモを貼り付けていた。80分し
か記憶が続かない上、数学の事だけを考えて生きてきた博士とのコミュニケーションは杏子にとって困難の連続だった。
それでも少しずつ博士との接し方を学んでいき、博士の語る数や数式に秘められた神秘的な美しさに魅了されていく・・。
[寸評]数学を媒介に綴られる美しくピュアな愛の物語が評判を呼び、第一回本屋大賞に輝いたという小川洋子の同名ベスト
セラーを、「雨あがる」「阿弥陀堂だより」の小泉堯史監督が映画化。TV放送される事になったので、録画して妻と早速拝
見。杏子の息子(少年時代)役は、どこかで見た事があると思ったら、TVドラマ「光とともに…〜自閉症児を抱えて〜」で
光役を演じていた俳優だった。80分しか記憶が続かない初老の天才数学者と一組の母子の心温まる交流を淡々と描い
た内容で大きな動きはないが、心地よく観てられる。素数、約数等、すっかり忘れていた数学用語が出てきたり、数にま
つわる事に”なるほど!”と思わせられたりする。80分で記憶をなくす、というのは「メメント」という映画も同様だった気が
するが、博士はどんな感覚で歳月を過ごしているのだろう?寺尾聰、深津絵里の演技が非常に上手いと思うし、博士と
時を共有した少年が成長して数学の教師になるのだが、教師役を演じた吉岡秀隆の語りも引き込まれるね。話は単調
で、ほのぼのとした感じだが安心して観れる作品でしょう。(好みによるかな?)
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