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16.ナイト ミュージアム NIGHT AT THE MUSEUM (2006年米)<3.5>     
 [監督]ショーン・レヴィ
  [出演]ベン・スティラー、カーラ・グギーノ、ディック・ヴァン・ダイク、ミッキー・ルーニー、ロビン・ウィリアムズ
  [時間]108分
 [内容]ニューヨークに住む冴えないバツイチ男、ラリー・デリー。現在は失業中で、最愛の息子ニッキーにも愛想を尽かされ
    てしまう始末だ。そこで新しい職探しを始めたラリーは、自然史博物館の夜警の仕事にありつく。さっそく先輩の老警備員
    から仕事を引き継ぎ、夜の博物館で勤務初日を迎える。ところが見回りを始めたラリーは、誰もいないはずの展示室から
    不思議な物音を聞く。音のする方へ行ってみると、なんとティラノザウルスの全身骨格が吸水機から水を飲んでいた。
    しかも驚きはそれだけではなく、モアイ像や原始人、動物たちなど、博物館の展示物が次々と生き返り、勝手気ままに動
    き出していたのだ・・・
  [寸評]子供達がケーブルTVの予告編を観て関心を持っていて、更に友達が何人か観た模様で、「観に行きたい」と申し入
    れてきた。ここ2週間の土日は家で仕事をしたり、出張(採用活動の応援)だったので、快諾して妻子と劇場で鑑賞。
    ニューヨークの国立自然史博物館を舞台に、新任の夜警となった主人公の目の前で、展示物が次々と動き出し、大騒動
    を繰り広げる様子をコミカルに描いた作品。話は至ってシンプルで現実離れしているが、「ホームアローン」を彷彿させる
    コメディー要素あり、感動要素もありで、家族で観る分には十分楽しめるのではないか。それにしても猿との格闘が笑え
    るね・・・。息子に愛想を尽かされてきたラリーが、ここ一番で息子に威厳を示し、最後には息子に敬意を持たせる。あそ
    こまで、いい加減だったのに、何故、急に火事場のクソ力を発揮できるのかは疑問だが、ともかく、親は子供にいかに、
    いざという時に威厳ある行動で示しをつけられるか、を痛切に感じた。私の父親にも数回見せてもらった事があるが、私も
    子供達に見せられるようにならないと・・・・

17.かもめ食堂 (2005年日)<4.0>     
 [監督]荻上直子
  [出演]小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、ヤルッコ・ニエミ、タリヤ・マルクス、マルック・ベルトラ
  [時間]102分
 [内容]日本人女性のサチエは、フィンランドのヘルシンキに“かめも食堂”という小さな食堂をオープンし、シンプルな“おにぎ
    り”を看板メニューに、フィンランドの人にも日本食のおいしさを伝えたいと張り切るが、やって来たお客は日本のアニメが
    好きなおたく青年だけ・・・。それでもめげずに淡々と営業を続けるサチエは、やがて訳ありな2人の日本人女性と出会う
    のだった・・・。
  [寸評]原作は、作家・群ようこ(ひと頃、著作をよく読んだ)が映画のために書き下ろしたオリジナル・ストーリー。全編フィン
    ランドロケによる、ヘルシンキを舞台にした3人の日本人女性と地元の人々との少し奇妙で心温まる交流をゆるやかな時
    間の流れの中で綴ったコメディ。この作品は、淡々とした流れの中で、どことなくひきつけられ、女性の過去がどうか、と
    いう突っ込みを深くせず、さりげなく3人を軸にした交流を描写してして、最後まで心地よく楽しく観れる。おにぎりを始め、
    お客へ出される食事を見ていると、無性に、そこの食堂に行きたくなる。個性派女優3名の演技が上手く、かみあい、フィ
    ンランドの情景も非常に良くて、私にとってはお気に入りの作品です。

18.ロッキー・ザ・ファイナル ROCKY BALBOA (2006年米)<4.0>     
 [監督]シルヴェスター・スタローン
  [出演]シルヴェスター・スタローン、バート・ヤング、アントニア・ターヴァー、マイロ・ヴィンティミリア
  [時間]103分
 [内容]ボクシング界のかつてのヒーロー、ロッキー・バルボアも今では引退し、地元フィラデルフィアで小さなイタリアン・レス
    トラン“エイドリアンズ”を経営していた。妻エイドリアンは数年前に他界し、息子のロバートは有名人の父に反発して家を
    出ていった。しかし、そんな心の喪失感を埋めようと再びボクシングを始めたロッキーは、次第にかつての情熱を取り戻し
    ていく。一方、無敵の現役ヘビー級チャンピオン、ディクソンは対戦相手に恵まれず、マッチメイクに苦しんでいた陣営は、
    伝説の王者ロッキーとのエキシビジョン・マッチというイベントを企画する。降って湧いた現役最強ボクサーとの対戦という
    オファーに対し、ロッキーはある決意を秘めこれを受けて立つのだった…。
  [寸評]シルヴェスター・スタローンの出世作にして代表作「ロッキー」シリーズの第6作目。スタローン自らが脚本と監督もこ
    なし、第1作から30周年を迎え、本作品でシリーズを締めくくる?(原題と邦題の差異が?)何故、今、「ロッキー」なのか
    疑問でもある(ロッキー5/最後のドラマ以来、16年振り)が、過去5作品をビデオで観てきて何気にこのシリーズが好きな
    私としては、どうしてもなびいてしまう。先週に「ザ・ベスト・オブ・ロッキー」のCDを購入し、「ロッキー」第1作目をDVDで観
    て、本作品を劇場で鑑賞。「ロッキー」シリーズを劇場で観るのは本作品が初めてである。ストーリーは単純明快で、最後
    の試合の結果はさておき、先読みができる予想通りの内容だ。しかし、何故か、引き込まれ、ロッキーの台詞やひたむき
    に戦う姿勢に涙が出てしまった。ロッキーが息子に語る「人生は重くて辛い。他人のせいにするのではなく、自分自身で
    どんな事があっても前に進むべきだ」という言葉が現在の私に強烈に響く。本作品にはすっかり乗せられてしまったね。
    今夏の「ダイハード4.0」、来年の「インディ・ジョーンズ4」といい、10数年振りに登場してくるシリーズ作品は懐古的に観て
    しまう事は間違いないが、米国映画もネタが厳しいのかな??
    
19.名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー) (2007年日)<3.0>     
 [監督]山本泰一郎
  [出演]<声の出演>高山みなみ、山ア和歌奈、神谷明、茶風林、緒方賢一、山口勝平
  [時間]107分
 [内容]コナン達一行は小五郎に連れられ、太平洋に浮かぶ“神海島(こうみじま)”にバカンスに訪れたその島には、海に沈
    む古代遺跡“海底宮殿”が存在し、300年前に実在した2人の女海賊が遺したとされる財宝がこの島のどこかに隠されて
    いると 語り継がれていた。そのため、多くのトレジャー・ハンターが集まってきていた。そんな中、海底宮殿で財宝探しを
    していたハンターがサメの群れに襲われ死亡する悲劇が発生する。単なる事故ではないと見抜いたコナンは灰原と共に
    捜査に乗り出す。やがて、そんな彼らの前に“ジョリー・ロジャー”という謎の言葉が浮かび上がってくるのだが…。
  [寸評]劇場版第11作目。一昨年から、すっかり、この時期に家族で劇場へ観に行く事が定番となり、公開日初日に鑑賞。
    南の島を舞台に、海賊が遺した財宝伝説を巡って引き起こされたトレジャー・ハンター殺人事件の謎に挑むコナンの活
    躍を描くミステリー・アドベンチャー。本作品は、11作目という事もあり、色々な趣向をこらす必要もあるのか、犯人が誰か
    を謎解きする、というものでなく、トレジャー・ハンターに荒天の中にさらわれて、蘭・園子が鮫の襲撃を受けたり、コナンが
    いつものごとく、単身で救出に向かい、そこに海賊の伝説が絡む、という筋立て。それなりにハラハラさせてくれ、楽しめ
    るのだが、コナンの難しい説明はあるものの(理科の弱い私には恥ずかしながらついていけず・・・)、犯人の謎解き(眠り
    の小五郎のシーンが無)、蘭とのラブ・ストーリー(最後の最後に有ったが)、ダイバー・ショップの女性オーナーが後半に
    姿を消してしまったり等、何にしても中途半端だった感じが否めない。12作目の製作が決定され、楽しみではあるが、そ
    ろそろ黒づくめの男の組織を絡めた話を前面に出してほしいな・・・

20.虹の女神 Rainbow Song (2006年日)<4.0>     
 [監督]熊澤尚人
  [出演]市原隼人、上野樹里、蒼井優、酒井若菜、鈴木亜美、相田翔子、小日向文代、佐々木蔵之介
  [時間]118分
 [内容]小さな映像制作会社で忙しい毎日を送る岸田智也は、ある朝、ふと見上げた空に水平に伸びる不思議な虹を発見
   する。何となく、今はアメリカにいる大学時代の友人・あおいの事が頭をよぎる。しかし、やがて、あおいが飛行機事故で亡
   くなった事を知るのだった。2人の出会いは、智也が片思いの女の子に近づきたいがために、その友人であるあおいに声を
   掛けたのがきっかけだった。最初はしつこくつきまとう智也を敬遠していたあおいだったが、どこか憎めないところのある智
   也を、映画研究会で自分が監督する映画の主演に抜擢するのだが…。
  [寸評]映画評論のHPで本作品の評判が結構良い事から、新作レンタルDVDで拝見。大学の映画研究会を主な舞台に、一
   組の男女の儚くも美しい友情と恋の物語を瑞々しく、かつ情緒的に綴った内容。「スウィング・ガールズ」の上野樹里、「フラ
   ガール」の蒼井優が姉妹役を演じており、今でいうと豪華なキャスティングである。本当はお互いに好きなんだけど、それ
   を明言できず、友達以上恋人未満という関係で、何だかんだお互いに助け合う、という智也とあおいの関係は青春時代を
   象徴している感じで、観ていて微笑ましい。ストーカーであった智也を温かく接し、好意まで持つあおいは懐が大きい、と
   いうか優しいというのか・・・彼女の存在・生き様が本作品の全てといえ、最後のラブレター代筆の裏の文書は感慨深い。
   上野樹里や蒼井優も好演しているが、市原隼人のどことなく憎めない雰囲気も良いね。彼が演じた智也が相田翔子演じる
   千鶴に騙される様は人を見る目がないし、修行が足りないという事だね。でも千鶴とのエピソードは余り意味がないような
   感じがする。智也は今後、しっかりと生きていくのだろうか・・・・。青春時代を回顧させ、どことなく感傷的にさせてくれた作
   品でした・・・
   
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