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11.ドリームガールズ DREAM GIRLS (2006年米)<4.0>     
 [監督]ビル・コンドン
  [出演]ジェイミー・フォックス、ビヨンセ・ノウルズ、エディ・マーフィ、ジェニファー・ハドソン、アニカ・ノニ・ローズ
  [時間]130分
 [内容]1962年、アメリカの自動車産業の中心地、デトロイト。エフィー、ローレル、ディーナの3人は音楽での成功を夢見
    て“ドリーメッツ”というグループを結成し、新人オーディションへの挑戦を繰り返していた。中古車販売会社のカーティ
    スはそんな彼女達に大きな可能性を見出し、マネジメントを買って出る。そして、地元で抜群の人気を誇るジェームズ・
    アーリーのバック・コーラスに抜擢されると、彼らのパワフルなステージはデトロイトのみならず全米中の注目を集め、
    一躍スター街道を歩み始めるのだったが…。
  [寸評]ブロードウェイの大ヒットミュージカルを「シカゴ」の脚本を手がけたビル・コンドン監督が映画化した作品という事で
    ミュージカル・ファンでもある私は、公開日初日のレイトショーで鑑賞。ストーリーに深みがあるとか、厚味がある訳で
    はないし、「ムーラン・ルージュ」や「シカゴ」のように魅力的なキャラがいる訳ではない(失礼!)が、舞台裏のやり取り
    を含め、かなりの台詞が歌で表現され、ずっと心地良く音楽の世界に浸される感覚だった。際立って印象に残る音楽
    は無いが(サントラを聴いたり、DVDで再見すれば違うのだろうが・・・)、全般的に良い音楽で、舞台でヒットするのも分
    かる。ディーナとエフィーの対比が上手く描かれており、歌唱力・インパクト的には断然、エフィーに軍配が上がると思う
    (気合の入りすぎ?)。しかし、実話に基づくものだけあって、ショー・ビジネスの現実はこんなものだろう・・・と思わせら
    れる。エディ・マーフィも好演していたが、彼の最近の人気の蔭りと、今回の役柄がどうもフィットしているようで妙な感じ
    がしたな・・・。本作品は音楽が好きな人にとっては結構楽しめる作品かと思います。

12.ゆれる (2006年日)<4.0>     
 [監督]西川美和
  [出演]オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、新井浩文、真木よう子、田口トモロヲ、蟹江敬三
  [時間]119分
 [内容]東京で写真家として成功し、自由奔放に生きる弟・猛(タケル)。母の葬式にも顔を出さなかった彼は、その一周忌
    に久々に帰郷し、そこで父と共にガソリンスタンドを経営する兄・稔と再会する。猛は頑固な父とは折り合いが悪かっ
    たが、温厚な稔がいつも2人の間に入り取りなしていた。翌日、兄弟はガソリンスタンドで働く幼なじみの智恵子と3人で
    近くの渓谷に足をのばす。ところが、川に架かる細い吊り橋で、智恵子が眼下の渓流へと落下してしまう。そして、橋の
    上には呆然とする稔の姿があった・・・。橋の下にいた猛は惨事に気づき、動揺する稔のもとに駆け寄り落ち着かせる。
    兄弟の証言から、最初は不幸な転落事故と思われたが、数日後、稔が突然“自分が突き落とした”と自供したことか
    ら、事件の真相を巡って裁判へともつれ込む。猛は弁護士である伯父を立て、稔の無実を晴らそうと努めるが…。
  [寸評]32歳の新鋭女性監督によるミステリー・ドラマという事で内容にも関心を持ち、劇場公開時に観に行きたかったが
    愛知県で1館しか上映されていない事とその当時、研修で多忙な事もあり、観れずじまいであった。レンタル店でDVD
    が棚に並んだその日に早速借りて妻と鑑賞(義母と義妹は劇場で鑑賞し、良かったとの事)。オダギリジョーと香川照
    之がなかなかの好演を見せ、引き込まれる展開である。但し、観終わった後に何ともいえない違和感を感じた。兄弟
    の心の奥底がよく分からないのだ。それにしても真実は何だったのだろう。それだけ各々の深い葛藤を上手く描いてい
    るといえ、観た人の判断に委ねるという事かな。私も妻も解釈に非常に”ゆれる”作品でした。
    
13.ドラえもん のび太の新魔界大冒険〜7人の魔法使い〜 (2007年日)<3.0>     
 [監督]寺本幸代
  [出演]<声>水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、千秋、久本雅美、次長課長、相武紗季
  [時間]115分
 [内容]のび太はある日、魔法が使えたら便利なのに、と安易な気持ちから“もしもボックス”でこの世界を魔法の世界に
    変えてしまう。そこでは、しずか、スネ夫、ジャイアン達も魔法が使えた。ところがのび太だけは何故か魔法が使えな
    かった。やがて、のび太達は魔法を自由にあやつる美少女・美夜子とその父・満月牧師に出会う。牧師の研究による
    と、魔界星が地球侵略を計画しているという。不安になったのび太は元の世界に戻そうとするが、“もしもボックス”が
    ママに捨てられてしまっていた。果たして、ドラえもんとのび太は地球を救うことが出来るのか・・・
  [寸評]声優陣を一新した新生「ドラえもん」の劇場版第2弾。家族でドラえもんの映画を2001年から鑑賞し始めて早7年
    経つ。昨年の「のび太の恐竜」もリメイクだが、今回の作品も1984年公開の「魔界大冒険」のリメイク。私は旧作品を
    観ていないから構わないが、旧き良きドラえもんを、現在の子供達に伝えたい、という思いからリメイクしているのだ
    ろうか?ネタが尽きているのか?(無理もないけど・・)今回の内容は前半はイマヒトツな感じがしたが、後半から段々
    SF冒険の雰囲気になってきて、涙腺がゆるむような場面もあり、結果的には、それなりに観られたかな。ドラえもん
    の映画は大概、一度は涙腺がゆるむ箇所がある。一姫の左横に座っていた子が泣いていた模様だし、一姫二太郎
    共に満足してくれた。(妻は平日の疲れがたまった影響もあり、よく寝ていたけど・・)今回、新鮮に感じたのは”しず
    か”より魅力的な雰囲気を持つ”美夜子”の絡め方で、最後の”しずか”とのシーンは良かったかな。前半の絵の描写
    に違和感を覚える事もあったが、これも新生「ドラえもん」ゆえんか・・・。今回は初の女性監督起用との事。まだまだ
    鑑賞し続けるだろうから、頑張ってほしい。

14.ホワイト・プラネット LA PLANETE BLANCHE (2006年仏・カナダ)<4.0>     
 [監督]ティエリー・ラコベール、ティエリー・ピアンタニーダ
  [出演]<ナレーション>ジャン=ルイ・エティエンヌ (DVD吹替版:宮崎あおい)
  [時間]83分
 [内容]ブリザードが吹き荒ぶ北極で、雪を削って作った秘密の巣穴に住むホッキョクグマの母親が、2頭の子どもを出
    産した。真っ暗闇の中、母グマは100日間何も食べずに乳を与え続ける。しかし、太陽の光が戻ってきた3月、外界へ
    と繰り出した母グマと可愛らしい子供達は、子グマをエサとしか思わない雄グマに遭遇する…。
  [寸評]消滅の危機に瀕した氷の国・北極を舞台に、動物達のサバイバルを追ったドキュメンタリー。「WATARIDORI」
    「ディープ・ブルー」「皇帝ペンギン」ですっかり自然ドキュメンタリーに引き込まれた私は本作品を劇場で鑑賞でき
    なかったので、DVDの登場を心待ちにしていた。特典内容が盛りだくさんである事から購入してしまい、「ドラえもん」
    を観た日の夜に自宅で家族でDVD鑑賞をした。過去の作品に比べ、自然ドキュメンタリーを観慣れてきたせいか、イ
    ンパクトはさほどでなかったが、撮影の大変さは十分伝わるし、イッカクの映像は初めて観たし、アザラシの求愛時
    の凄まじい顔の変化は面白かった(子供達は気持ち悪がっていたが・・・)。実は、本作品はホッキョクグマ、アザラ
    シ、イッカク、カリブー、クジラ等色々な動物が登場してくるが、一番言いたいのは地球温暖化に伴い北極が消滅の
    危機にある事だ。だから一番ポイントとなる映像は、溶解していく氷だと思う。亀裂の入った映像は印象深かった。
    DVDの特典映像もじっくり観てみようと思う。今年のアカデミー賞でドキュメンタリー長編賞を受賞した「不都合な真実」
    も地球環境問題について語ったもので、私は書籍を購入し読み始めたところで、DVDが登場したら観てみたいと思って
    いる。地球環境問題は重要だ・・・
  
15.名探偵コナン 瞳の中の暗殺者 (2000年日)<3.5>     
 [監督]こだま兼嗣
  [出演]<声の出演>高山みなみ、山ア和歌奈、神谷明、茶風林、緒方賢一、山口勝平
  [時間]100分
 [内容]現職警察官を標的とした殺人事件が相次いで発生した。事件に遭遇したコナンは、白鳥警部に事件の事を尋ね
    るが、答えは「Need not to know」という警察の隠語だ。白鳥警部の妹の結婚祝パーティーのホテルで佐藤刑事まで
    もが何者かに襲われ、偶然居合わせた蘭はそのショックで記憶喪失になってしまう。犯人は蘭に顔を見られたと思い
    込み、蘭の命を脅かす。彼女に自分の事さえも忘れられてしまったコナンだが、必死に蘭を守り抜き、犯人を追いつ
    めていく・・・。
  [寸評]4/21より劇場版第11作目「紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)」が公開される。子供達同様(orそれ以上)に私も非常に
    楽しみにしている。過去の10作品の内、未見であった本作品のDVDをレンタルしてきて、家族で映画鑑賞会を行った。
    (子供達は何度か観ていて、途中で「あの人が犯人!」と口走ってしまったが・・・)今回は警視庁のトップの息子が事
    件に絡んでいて、目暮警部等が非常に神経質になっている。かなり、ミステリー的な感じで、警察内部の問題をえぐっ
    た展開になるかと思ったし、子供達が口走った犯人にどう結びつくか、分からなかったが、結果的にはあっさりとして
    いたかな。但し、第1回目の犯行を昼間に堂々と行ったり、容疑者候補Bが遊園地でヌイグルミ姿で蘭に近づいたら、
    とり押さえられて犯人とみなされたものの、すんなり誤解であったり、と所々アラも目に付く。しかしながら、本作品は記
    憶を失った蘭に対するコナン(新一)が示す献身的な愛情が胸を打つのだ。やはり、蘭とコナンのラブ・ストーリーが本
    シリーズの肝であり、この箇所をどう描くかで感動の度合も異なってくるかと思う。本作品は事件の内容はイマヒトツだ
    が、ラブ・ストーリー的には良かった。さて、「紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)」はいかに??

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