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21. 嫌われ松子の一生 (2006年日)<4.0>     
 [監督]中島哲也  
  [出演]中谷美紀、瑛太、伊勢谷友介、香川照之、柄本明、黒澤あすか、宮藤官九郎、荒川良々、柴咲コウ
  [時間]130分
 [内容]昭和22年、福岡県大野島に生まれた川尻松子。お姫さまのような人生を夢みる明るい少女時代を過ごし、やがて
    中学校の教師となる。しかし、ある事件が原因で20代でクビに。その後、愛を求めて男性遍歴を重ねる度にますます不
    幸になってゆく松子。いつしかソープ嬢にまで身を落とし、果ては同棲中のヒモを殺害して刑務所に服役してしまう…。
  [寸評]中谷美紀がソープ嬢・殺人犯にまで転落してしまいながらも、ひたむきに(?)生きる松子を演じる、という事で変な
    好奇心もあり、かねてから注目していた。有休を取り、私はこの作品を劇場で鑑賞する一方、妻は「オーメン」のリメイ
    ク版を鑑賞。さて、本作品、松子は中学校の教師の時にある事件から、どこまでも転落していく不幸な人生を辿る。不
    幸極まりない、悲しい話なのだが、CGやアニメ、ミュージカルなどの多彩な映像表現を織り交ぜて、そんなに悲愴感を
    感じずに観れてしまう。冒頭で彼女の結末が分かっているものの、「松子よ、ともかく頑張れ!」と見守ってやりたくな
    る。自分の幸福感を感じさせてくれるし、生き抜く事は大変だと思う。柴咲コウが一瞬出てきてつぶやく台詞「人の価値
    は誰かに何かをしてもらう事ではなく、何をしてあげらるかだと思う」が非常に印象的だな。悲しい話なんだけど、中谷
    美紀が熱演しており、豪華な共演陣もいて、なかなか良くできた作品ではないか。

22.カーズ CARS (2006年米)<4.5>     
 [監督]ジョン・ラセター 
  [出演]<声>オーウェン・ウィルソン、ポール・ニューマン、ボニー・ハント (吹替版)土田大、浦田迅、戸田恵子
  [時間]122分
 [内容]舞台は、クルマたちが人間と同じように生活している<クルマの世界>。ピストン・カップの若き天才レーサー、ライトニ
    ング・マックイーン。自己中心的な性格が玉にキズの彼は、レース会場への移動中にふとした事故から小さな田舎町
    “ラジエーター・スプリングス”に迷い込んでしまう。今や地図からも消えてしまったその町には、オンボロ・レッカー車の
    メーターをはじめ、見るからに風変わりな住民達ばかりだ。思いがけずこの町に足止めをくらってしまい、早くレース会場
    に戻らねばと焦るマックイーン。しかし、のんびりとした時間が流れるこの町で、奇妙なクルマたちと一緒に過ごす内に、
    マックイーンの心にも少しずつ変化が見え始める・・・。
  [寸評]ピクサー社がクルマの世界を舞台に描く冒険ファンタジーで監督は「トイ・ストーリー2」以来6年ぶりとなるジョン・ラセ
    ター、という事でかねてから期待していた作品で公開日初日(7/1)に妻子と一緒に鑑賞。ここにコメントを記載するのが
    約2ヶ月後になってしまったが、本作品は期待通り、映像も美しく、見応えがある。前半はどことなく盛り上がりが欠けた
    感じがして、二太郎のトイレに付き合った時は、「今回はイマヒトツなのか・・」とつぶやいていたが、戻ってからの後半
    は、一転して盛り上がるは、手に汗を握るわ、心温まるシーンはあるわで最後は大満足状態になっていた。流石はピク
    サー、ラセタ−監督です。マックイーンが友情の大切さを知る事、ドック・ハドソンが過去の熱い血潮を取り戻す、という
    ストーリーは極めて王道的でシンプルなのだが、それが非常に良いと思う。今年鑑賞した外国映画の中では断トツの
    オススメ作品です。早くDVDが発売されて特典映像や音声解説を楽しみたいものだ。

23. 劇場版ポケットモンスター/アドバンスジェネレーション
    ポケモンレンジャーと蒼海(うみ)の王子マナフィ (2006年日)<3.5>     
 [監督]湯山邦彦
  [出演]<声>松本梨香、大谷育江、うえだゆうじ、KAORI、山田ふしぎ、林原めぐみ、眞鍋かをり、藤岡弘
  [時間]108分
 [内容]サトシとピカチュウ達の一行は、ある時、“水中ポケモンショー”で有名な花形スター、ヒロミと出会う。ヒロミは水ポケ
    モン達と心を通わせることができる“水の民”一族の末裔である。ヒロシ達はヒロミから海のどこかに<海の神殿アクー
    シャ>があるという“水の民”の伝説を聞く。そこに、伝説の謎を追うポケモンレンジャーのジャッキーが現われ、ヒロシ達
    は彼の極秘ミッションに協力することになるのだが…。
  [寸評]ポケモンの映画に子供達に付き合うのも、今回で3回(年)めとなる。今回の作品は、これまでの中で一番馴染み易
    く(慣れてきた?)、映像も美しくて、心温まる要素もあって結構良かった。ハルカとマナフィの触れ合いは、子供達の赤
    子の時の様相を回顧させられたな。ストーリーもシンプルで友情や絆を主に描いていたし、ポケモンレンジャーが登場
    してくる等、大人でも入りやすいのでは?ニャースを交えた3人組はタイムボカン・シリーズの悪役3人組を思い出させる
    なあ。コナン、ドラえもんは子供達に共感して観ていたが、とっつきにくかったポケモンにようやく馴染んできた。まだ当
    面、お付きあいする事になりそうかな。

24.ユナイテッド93 UNITED 93 (2006年米)<4.0>     
 [監督]ポール・グリーングラス
  [出演]ハリド・アブダラ、ポリー・アダムス、オバル・アラディン、ルイス・アルサマリ、デビィッド・アラン・ブッシェ
  [時間]111分
 [内容]2001年9月11日、アメリカ国内の空港を飛び立った旅客機4機が、ほぼ同時にハイジャックされる。うち2機はワール
    ド・トレード・センターに、もう1機は国防総省ペンタゴンに激突して炎上した。しかし残る1機、乗客40人を乗せたユナイ
    テッド航空93便は、なぜかターゲットに到達することなく、ペンシルヴェニア州に墜落したのだ・・・。
  [寸評]監督をはじめ製作スタッフは、遺された家族の人々や管制センターをはじめ関係機関への入念な取材を行い、当時
    の状況を可能な限りリアルに再現して、ありのままを徹底したドキュメンタリー・タッチの手法で撮り上げたという作品。
    会社の長い辛い研修を終えた日の夜に、レイトショーで妻と鑑賞した。この内容が本当にどこまで事実か分からない。
    しかし、非常に機内の人達(犯人側・乗客側)の動きが生々しく、最初から最後まで目が離せない。ワールド・トレード・
    センターに激突するシーンを管制塔の人達が見つめる様、機内から乗客が必死に家族に電話をして別れを告げる様、
    あのラストの見せ方は非常にインパクトがある。もの悲しい話ゆえ、何度も観るのは辛いが、「9.11」を事実として受け
    止め、今後、テロの起きない世の中になる事を望む上でも、一度は観ておく価値があると思う。

25.スーパーマン リターンズ SUPERMAN RETURNS (2006年米)<4.0>     
 [監督]ブライアン・シンガー
  [出演]ブランドン・ラウス、ケヴィン・スペイシー、ケイト・ボスワース、ジェームズ・マースデン、フランク・ランジェラ
  [時間]154分
 [内容]クリプトン星の3悪人との戦いに勝利したクラーク・ケントことスーパーマンだったが、その後彼は謎の失踪を遂げる。
    スーパーマンが不在となった地球では犯罪が急増し、加えてレックス・ルーサーも仮釈放が認められ出所してしまう。
    そんな中、5年ぶりに地球に戻ってきたスーパーマンだったが、久々に再会したかつての恋人ロイス・レインは、彼との
    思い出を振り切り、新たな道を歩み始めていた…。
  [寸評]中1の時に名古屋の映画館へクリストファー・リーブ主演のスーパーマン「1」を、中3の時に「2」を観に行った。その
    後、「3」は観ずに「4」をビデオで観た。今回、19年ぶりの映画化で、当初は特に注目していなかったが、好評価の噂と
    本作品が「2」の後の話という事から関心を持ち、有休取得日の午前中に妻と鑑賞。冒頭のジョン・ウイリアムズのあの
    テーマ音楽が流れてくると嬉しくて引き込まれていく。本当に「スーパーマン、お帰りなさい!」という感じだね。映像も
    美しく、話も面白いので154分は早く過ぎた。ロイスとの空中遊泳シーンも「1」を思い出させ、懐かしかった。ただ、実際
    の世の中は色々と複雑で混迷極まりなし、という感じで「スーパーマン」=「正義」がどこまで効くのか?という感じもする
    な。ケビン・スペイシーが演じたルーサーもそれなりに良い味を出していたけど、中途半端な悪人ぶりという感じで次回
    作が製作されると引き続き、登場するのかな?そしてあの息子はどういう存在になっていくのだろう・・・。本作品は懐か
    しさを味わいながら、それなりに楽しめる作品です。
    
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