一覧へ 前頁ヘ 次頁ヘ
41.ロボッツ ROBOTS (2005年米)<3.?>
[監督]クリス・ウェッジ
[出演]<声:日本語版>草薙剛、矢田亜希子、山寺宏一、西田敏行
[時間]90分
[内容]小さな田舎町に暮らす男の子のロボット、ロドニー。貧しい家庭に生まれ、中古部品で作られていたロドニーはあ
る日、偉大な発明家ビッグウェルド博士の“外見が何で作られていても、誰もが輝く事とができる”という言葉に勇気と希
望を抱くのだった。やがて発明好きな青年へと成長したロドニーは、立派な発明家になるという夢を叶えるため大都会
ロボット・シティへと旅立った。そしてロボット・シティで中古ロボットの集団“ラスティーズ”と出会ったロドニーは、愉快な
彼らと友情を育んでいく。そんな中、ロボット・シティでは大企業ビッグウェルド・インダストリーズの強欲な経営者ラチェ
ットによって、中古ロボットを一掃する恐るべき計画が進められていた・・・。
[寸評]一姫の要望もあり、8/12(夏季連休中)の朝に一姫二太郎と劇場へ鑑賞しに行った。しかし、前日にキャンプから
帰ったところで疲労が蓄積しており、まずまず楽しんで観ていたにも関わらず、途中からクライマックスの間まで、眠っ
てしまった。本作品は「アイス・エイジ」のスタッフが再び集結してつくり上げた冒険ファンタジーCGアニメーションで動き
もかなり早く、観ていて楽しいかと思う。今回、眠ったのは作品の内容に不満がある訳でなく、あくまで疲労が出ただけ。
主旨も「信念を持って道を切り拓く」という事は分かるが、後半を眠ってしまったので正当な評価が出来ない。子供達は
満足していたが、評価4.0にいくかは分からないのでDVDがレンタルになったら再見して、この寸評を修正します。
42.トゥー・ブラザーズ TWO BROTHERS (2004年英・仏)<3.0>
[監督]ジャン=ジャック・アノー
[出演]ガイ・ピアース、ジャン=クロード・ドレフュス、フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー、フレディ・ハイモア
[時間]110分
[内容]1920年代のカンボジア。ジャングルの奥地の荒れ果てた寺院の跡地で2頭のトラが生まれた。兄のクマルは元気
な暴れん坊。一方、弟のサンガは対照的におとなしい性格をしていた。仲の良い2頭は一緒にすくすくと育ってゆく。そん
なある日、一人のイギリス人冒険家エイダン・マクロリーが仏像を盗掘するためこの地にやって来る。そして、盗掘の最
中に突然姿を現わした親トラを撃ち殺してしまう。このことが原因で、クマルはエイダンに拾われ、おとなしいサンガは行
政官の息子ラウールの遊び相手として引き取られてゆくのだったが…。
[寸評]本作品は母と妻が既に劇場で鑑賞済。7月にTV放送されたので録画して鑑賞した。「セブン・イヤーズ・イン・チベ
ット」「スターリングラード」のジャン=ジャック・アノー監督が、「子熊物語」以来15年ぶりに野生動物を主人公に描いた
作品。最近、「WATARIDORI」「ディープ・ブルー」「皇帝ペンギン」といったナレーションのみの映像ドキュメントが好きな
だけに、本作品は人間を交えたフィクションであり、トラの訓練士の苦労、出演者の度胸が感じ取れ、トラ同士のアイ・
コンタクト等、それなりに味わえるが、(期待して観ただけに)感動もイマヒトツ、といったところか。ラストもあれで良いの
かもしれないが、反面拍子抜けの気もした。どの生物も親子・家族の情愛があるんだよね。そういったシーンを観ると微
笑ましく感じる。
43.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
ONCE UPON A TIME IN AMERICA (1984年米)<4.0>
[監督]セルジオ・レオーネ
[出演]ロバート・デニーロ、ジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガヴァン、ジェニファー・コネリー、ダーラン・フリューゲル
[時間]205分
[内容]20年代初頭のニューヨークに住む少年ヌードルスは仲間を率いて貧困街で悪事の数々を働いていた。ある日その
町に越して来たマックスと運命的な出会いをした2人は禁酒法の隙間をぬって荒稼ぎを続け、大人になった頃にはギャ
ング集団として伸し上がっていた。しかし新たな仕事の計画を立てたマックスの無謀な考えに反発したヌードルスは、
彼を裏切り、警察にその情報を流したためマックスは殺され、ヌードルスは町を追われるのだった。しかし30年後になっ
た今、年老いたヌードルスの元に不審な手紙が舞い込んで来るのだった…。
[寸評]レオーネ監督が10年以上の構想の末にアメリカ資本で製作した、ユダヤ系ギャングの半世紀に及ぶ友情・愛・裏
切りをノスタルジックに描いた一大叙事詩的大作。205分という長編ながら、時間は苦にする事なく観れるギャング映画
で、私にとっては、このジャンルでは「ゴッド・ファーザー・シリーズ」「ロード・トゥ・パーディション」に次ぐ面白さといって
よい。本作品は過激な性描写があるのが、やや気になるところ(前述の作品はないのだな・・。本作品も要らない気も
するが・・・)話の内容・つくり・演出は凝っていて上手く出来ている。マックスは生きているのだろう、と思っていたが、最
後にああいう形で再会するとはなあ・・・。仰天したな。また、マックスに対して制裁を加えないヌードルスの姿が切な
い。正に”ノスタルジイ”を感じさせられる。ロバート・デニーロは「ゴッド・ファーザーU」のの演技を観て凄いと思った
が、本作品の演技も非常に素晴らしい。凄い俳優である事を改めて認識した。
44.ヒトラー 〜最期の12日間〜 DER UNTERGANG (2004年独・伊)<4.5>
[監督]オリヴァー・ヒルシュビーゲル
[出演]ブルーノ・ガンツ、アレクサンドラ・マリア・ラーラ、ユリアーネ・ケーラー、トーマス・クレッチマン
[時間]155分
[内容]1942年、トラウドゥル・ユンゲは数人の候補の中からヒトラー総統の個人秘書に抜擢された。1945年4月20日のベ
ルリン。第二次大戦は佳境を迎え、ドイツ軍は連合軍に追い詰められつつあった。ヒトラーは身内や側近と共に首相官
邸の地下要塞へ潜り、ユンゲも後に続く。そこで彼女は、冷静さを失い、狂人化していくヒトラーを目の当たりにするの
だった。ベルリン市内も混乱を極め、民兵は武器も持たずに立ち向かい、戦争に参加しない市民は親衛隊に射殺され
ていく。そして側近達も次々と逃亡する中、ヒトラーは敗北を認めず最終決戦を決意するが…。
[寸評]ヒトラーが地下の要塞で過ごした最期の12日間に焦点を当て、彼の個人秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲの目を
通して歴史的独裁者の知られざる側面を浮き彫りにしていく衝撃の実録ドラマ。手塚治虫氏の漫画「アドルフに告ぐ」、
チャップリンの映画「独裁者」でヒトラーの雰囲気を感じ取った事はあるものの、ヒトラー自身をかなりクローズ・アップ
させた作品(「アドルフに告ぐ」ではヒトラーの事は一部描かれているが主役ではないし、「独裁者」ではチャップリンが
ヒトラーを上手く風刺しているがそのものではない)は目にした事がなかった。それゆえ本作品の期待は非常に大きか
った。実際に鑑賞してみたら、衝撃的な内容・映像で目を覆いたくなるシーンも幾つかあるが、期待通りで、本年観た作
品では間違いなく上位に位置するインパクトのある作品だ。ヒトラー役のブルーノ・ガンツは本当にヒトラーになりきって
(よく似ている!)迫真の演技を見せてくれる。彼のみならず、他の俳優も上手い。私にとって主に印象に残ったのは、
以下の点だ。ヒトラーが民衆達が戦死していくのを、自分のせいではなく、自分についてくると判断した彼等が悪い!
と口にする事(数回有)。ヒトラーのみならず、皆が狂気に陥っていく様。マグダ・ゲッペルズが6人の子供達を次々に
毒殺する様は惨すぎる(ナチズムに洗脳されるにしてもそれはないだろ、という感じ)。上層部のメンバーは戦争が終結
する事、戦争を続ける事に意味がないのを分かりながら、あくまで名誉や出世にこだわっている事。ヒトラーは実は女性
には非常に優しい事(結婚するエヴァや秘書のユンゲ等に対して)。本作品はユンゲの視点から描かれているが、ユン
ゲ自身は黙々とヒトラーを慕って、秘書を行っていて、彼女自身が何か悪さをする訳ではなかった。冒頭と最後の本人
のコメントは印象的である。本年を代表する衝撃的な問題作で、辛い映像が多々あるが、必見の価値はあります。
45.ネバーランド FINDING NEVERLAND (2004年英・米)<3.5>
[監督]マーク・フォスター
[出演]ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、ジュリー・クリスティ、ラダ・ミッチェル、フレディ・ハイモア
[時間]100分
[内容]1903年のロンドン。新作『リトル・メアリー』の不評で気落ちしていたジェームズ・バリは、散歩に向かった公園で若
い未亡人のシルヴィアとその4人の幼い息子達と出会う。少年達とすぐに打ち解けていくジェームズは、中でもどこか冷
めた物言いで少年らしさの見られない三男のピーターを気に掛けるようになる。やがてジェームズとシルヴィア親子との
交友が深まっていく一方、ジェームズの妻メアリーは疎外感を強め、夫婦の仲は悪化していく。そんな中、早く大人にな
ろうと無理をしているピーターに、次第に自分の少年時代を重ねて見るようになったジェームズは、その思いを新作劇に
投影していく・・・。
[寸評]アカデミー賞で7部門にノミネートされた作品で劇場で観たいと思っていたが、結局観に行かず、レンタルDVDで妻
と鑑賞。劇作家のジェームズ・マシュー・バリが「ピーターパン」をどのように生み出すかを描いた作品。ジョニー・デッ
プやケイト・ウィンスレットも好演しているし、全体的にまとまっているとも思うが、期待していた程、インパクトがなかった
かな。妻がいながら、堂々と未亡人・4人の子供達の所に通いつめて、その少年との触れ合いから作品が生まれた訳
だが、そこに違和感を感じたのかもしれない。でも凄い作品はそんな事を言っていては生まれるものではないのだろう。
最後は作品の成功と共に妻は離れていく。妻の言葉(「貴方は間違っていないわ。少年達と交流する事によって、この
作品が生まれたんだから・・・)が妙に印象的で、”何かを得れば、何かが犠牲になる。あれもこれも得る事はないのだ”
という事を示している気がする。ピーターを演じたフレディ・ハイモアは良いね。彼の演技はインパクトがあった。
一覧へ 前頁ヘ 次頁ヘ