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36.劇場版ポケットモンスター/アドバンスジェネレーション:ミュウと波導の勇者ルカリオ
(2005年日)<3.0>
[監督]湯山邦彦
[出演]<声>松本梨香、大谷育江、うえだゆうじ、KAORI、山田ふしぎ、林原めぐみ、菊池桃子
[時間]103分
[内容]旅を続けているサトシとピカチュウ達はある日、“波導伝説”が語り継がれるロータの町を訪れた。そこでは、数百年
前に争いを止めるため《世界のはじまりの樹》の力を使った“波導の勇者アーロン”を称える祭りが催されていた。サト
シとピカチュウは、その年の勇者を決めるポケモンバトルに参加して見事に優勝を果たし、“波導の勇者”に選ばれる。だ
がその直後、幻のポケモン“ミュウ”が現れ、ピカチュウを連れてどこかへ去ってしまう。そこへ今度は、数百年の封印か
ら解かれた波導ポケモン“ルカリオ”もその姿を現わし、サトシ達の謎は深まるばかりだった。
[寸評]世界中で大人気の“ポケモン”のTVシリーズ、アドバンスジェネレーションの劇場版第3弾。サトシが幻のポケモンに
連れ去られたピカチュウを見つけようと、謎の波導ポケモンと共に幻のポケモンの行方を追って旅へ出る話。昨年に引き
続き、一姫二太郎と甥と劇場公開初日に鑑賞。凄い人込みで座席チケットをかろうじて入手するものの、前から2列目の
右端という観辛い場所であった(子供達は全く気にしていなく観れる事に満足している模様)。二太郎が現在一番好きな
TVもポケモンであり、観客を見ているとポケモンの人気の根強さを認識させられる。私自身は昨年の劇場版に続いて
2回目の拝見。1/3は寝ぼけていたが、話にはすんなり入り込めるようになった。観ている分に違和感はないが、「名探偵
コナン」のように引き込まれる訳でもない。子供達には色々なポケモンが登場してパフォーマンスするのが結構受けるの
かな。(一姫二太郎は7/20にも子供会で鑑賞。あきない模様。<劇場は私と観た所と異なる>)
37.皇帝ペンギン LA MARCHE DE L'EMPEREUR (2005年仏)<4.0>
[監督]リュック・ジャケ
[出演]<声>ロマーヌ・ボーランジェ、シャルル・ベルリング、ジュール・シュトリック
(吹替版:大沢たかお、石田ひかり、神木隆之介)
[時間]86分
[内容]100万年前の氷で覆われた南極大陸。胸を黄金色に輝かせ、2本足で数千の皇帝ペンギンが行進してくる。ある日、
皇帝ペンギン夫妻が卵を産んだ。卵をあたためる父ペンギンは、寒さの中、仲間達と円陣を組んで暖め合い、120日間も
何も食べずに必死に卵を守る。一方、母ペンギンは産卵で体重の1/5を減らしてまでも、やがて産まれてくる雛のために
餌の確保をしに群れを離れて100km先の海へ旅立つ。再び家族と会える事を信じて・・・。
[寸評]「WATARIDORI」「ディープ・ブルー」を劇場で観て感銘し、DVDを購入して家族で鑑賞したが、本作品は”フランスで
公開されると、またたく間に先2作の10倍以上の大ヒットを記録”という触れ込みゆえ、いきなり家族で劇場で鑑賞。先2作
は色々な種類の生物が登場したり、凄い映像があったため、インパクトが強烈だったが、今回は皇帝ペンギンに焦点を絞
っているので、先2作ほどの強いインパクトはない。但し、皇帝ペンギンの子育ては非常に大変で、人間以上に大変では
ないかと思わせられる。南極の厳しい大自然の中で生き抜く事の大変さがしみじみと伝わる。宮崎駿の「生きろ!」という
メッセージが聞こえてきそうだ。どの生物も親は子を可愛がり、必死に守り、子も親を慕う・・・生態ドキュメントを見ている
と「生物の本能」というのは本当に凄いと思う。リュック・ジャケ監督が、たった3人の仲間と南極で8,880時間かけて撮影
した力作で皇帝ペンギンの親子の温かい物語ゆえ、観るに十分値する作品でしょう。
38.ヴィレッジ THE VILLAGE (2004年米)<4.0>
[監督]M・ナイト・シャラマン
[出演]ブライス・ダラス・ハワード、ホアキン・フェニックス、エイドリアン・ブロディ、ウィリアム・ハーツ、シガニー・ウィーバー
[時間]108分
[内容]1897年、ペンシルヴェニア州。深い森に囲まれ、外の世界から完全に孤立したひとつの小さな村があった。村人は大
きな家族のように強い絆で結ばれ、ユートピアのような理想の共同体を築いている。この村には昔から奇妙な3つの掟が存
在し、人々はそれを忠実に守ってきた。しかし、掟を破るとどうなるかは、誰も知らなかった。そんなある日、盲目の少女アイ
ヴィーの恋人ルシアスが友人ノアに刺され、大ケガを負ってしまう。アイヴィーはルシアスの命を救うため、薬を手に入れよ
うと村の外に出る事を決意する。そして、彼女が掟を破って森に足を踏み入れる事を許した父エドワードから、恐ろしい真実
が語られるのだった・・・。
[寸評]「シックス・センス」「サイン」のM・ナイト・シャマラン監督が、周囲から隔絶された小さな村を舞台に描く禁断のミステ
リー・スリラー。スリラー系の好きな妻とレンタルDVDで鑑賞。本作品の出演者は結構豪華である。エイドリアン・ブロディ
は、ああいう役柄も演じるんだ。上手いものだね。シガニー・ウィーバーは昼間に「エイリアン2」を観ていたから、今回の役
柄は非常に落ち着いた感じがした。本作品の内容は無理なく引き込まされる。最後はビックリする程の衝撃ではなく、あっ
さりとしたものだが(少し腑に落ちない所あり・・・)、その過程をシャマラン監督はミステリー仕立てに上手く描いていると
思う。怖い所はあるし、一体この落とし所は何だろう?と考えさせながら鑑賞させてくれる。ブライス・ダラス・ハワードはロ
ン・ハワード監督(「バック・ドラフト」「遥かなる大地へ」等)の娘で映画初出演との事。なかなか良かったし、今後に期待が
もてそうだ。
39.アイランド THE ISLAND (2005年米)<4.0>
[監督]マイケル・ベイ
[出演]ユアン・マクレガー、スカーレット・ヨハンソン、ジャイモン・フンスー、スティーブ・ブシェミ
[内容]近未来。大気汚染から守られ、管理の行き届いた安全で快適なコミュニティで暮らすリンカーン。彼やその他の住人
にとっての夢は、地上最後の楽園といわれる“アイランド”へ行く事だ。そしてその抽選会が毎日のように行なわれていた。
だがある日、リンカーンは換気口から入ってきた一匹の蛾を見て、ある疑念を抱く。やがて彼が独自に調査を進める内に
自分達は保険契約を結んだクライアントへ臓器を提供するために生かされているクローンで、“アイランド行き”の名の下に
臓器を摘出される、という事実を知ってしまう…。
[寸評]「パール・ハーバー」(酷評ゆえ観ていない)「ザ・ロック」「アルマゲドン」のマイケル・ベイ監督が、快適な管理都市に
暮らす一組の男女が、自分たちの置かれた恐るべき現実を知ってしまい、非情な運命に逆らい2人で逃亡する様をスリリン
グに描いた近未来アクション作品。本作品も当初はノーマークであったが、予告編が面白そうであった事やよく観るHPの
評価がどれも高い事から鑑賞。東南アジア等で行われているという”人身売買(臓器提供等、目的は種々)”を取り上げた
ようなシリアスな内容だ。前半は近未来の管理社会をイメージさせ、”クローンの誕生シーン””クローンに出産させ、用が済
めば処分してしまう様”等、満更フィクションだと言い切れなく、怖い感じがした。後半は見応えのあるアクション満載の展開
になり、大画面ならではの楽しさを味わえる(若干、昼間の疲れから睡魔が襲いかけたが、激突しかけるシーン等で目が覚
める!)。マイケル・ベイ監督は「パール・ハーバー」「アルマゲドン」で酷評(共にラジー賞のワースト監督賞にノミネート)
されたが、本作品で少しは盛り返したのではないかな。
40.父、帰る VOZVRASHCHENIYE (2003年露)<3.0>
[監督]アンドレイ・ズビャギンツェフ
[出演]ウラジーミル・ガーリン、イワン・ドブロヌラヴォフ、コンスタンチン・ラヴロネンコ、ナタリヤ・ヴドヴィナ
[内容]ロシアの片田舎。2人の兄弟、アンドレイとイワンは母とつつましくも幸せに暮らしていた。父親は12年前に家を出て行
ったきりの音信不通となっており、兄弟は写真でしか父の顔を知らなかった。そんなある夏の日、父が突然家に帰ってき
た。寡黙な父はこれまでの事を何も語ろうとはせず、母も事情を説明しようとはしない。兄弟の戸惑いをよそに、翌朝、父は
彼らを小旅行に連れ出す。道中、父は子ども達に対し高圧的に振る舞う。そんな理不尽な接し方にも、父を慕い続ける兄に
対し、弟の方は徐々に反抗心を募らせていくのだった…。
[寸評]2003年のヴェネチア国際映画祭で絶賛され、最高賞である金獅子賞と新人監督賞をダブル受賞する快挙を果たした
衝撃的な人間ドラマ。12年ぶりに突然帰郷してきた父親を前に、事情も呑み込めず戸惑うばかりの兄弟の姿と親子の間の
絆や葛藤を描いている。本作品は観ている分にはひきつけられるのだが、ともかく背景の説明がない。何故、父親が突然
帰ってきたのか?空白の間、何をやっていたのか?島で見つけた箱の中身は何か?次男に対して「誤解だ!」と言った
「誤解」の意味とは?等・・。製作者側は観客側で自由に考えてくれ!というスタンスなのかな?父親が何気に2人に教育
を行っている事、長男は幼少の思い出があるのか、父を慕う様子もあるし、次男はあくまで「本当に父親?」という疑念が
あり反抗的、という父子のかみ合わせは、それなりに良かったゆえに、もう少し詳細を語ってくれたら良いドラマになったか
と思う。(とは言いながらヴェネチア国際映画祭で評価されているが・・・)最後は衝撃的で、後味の悪い感じで終わってしま
った。最後の最後にドンデン返しが起こる事を期待したが、結局虚しい終わり方だったな・・・(ここでは語りません)。
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