全力投球 我が選んだ道に悔いはなし 宝島文庫 [著者]大野豊 [定価]619円+税 [読了日]8/25
【概要】デビュー年の”天文学的”防御率135など数々の困難を乗り越えて、22年間に渡る活躍と、42歳でのタイトル(最
優秀防御率)獲得はいかにして成し得たか。アテネオリンピックでは投手コーチも務めた名投手の思い・・・
【寸評】大野投手は私のプロ野球観戦歴の中でも屈指の左腕という印象。巨人・槙原投手との緊迫した1点勝負の投手戦
等、今でも痛烈に記憶に残っている。そんな彼のプロへの入団過程、仕えた監督、対戦した打者との思い出を綴った本
書は彼自身の事を良く知れる。古葉監督と江夏投手に厳しく鍛えられて、あれ程の投手になった、というのが印象的。
本書の副題で引退試合でも口にした「我が選んだ道に悔いはなし」は名言だなあ・・・
山田真哉の結構使える!つまみ食い「新会社法」 青春出版社 [著者]山田真哉・緒方美樹・宮崎剛
[定価]880円+税 [読了日]8/15
【概要】ベストセラー「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」(未読)の公認会計士・山田真哉が「新会社法」全979条を26の
ポイントに凝縮!
【寸評】2006年に施行される「新会社法」のポイントをシンプルにまとめた本で、分かりやすく書かれている。「新会社法」
の適用によって本当に経済が活性化されるだろうか?むやみに会社が乱立されないか心配な気もするが・・・
労働貴族 徳間文庫 [著者]高杉良 [定価]552円+税 [読了日]8/15
【概要】自動車労連会長・塩路一郎は「天皇」と恐れられ、豪華クルーザーで遊び、愛人を囲う。日産の英国進出に反
対し、外交問題にまでしてしまった労働貴族だ。何故彼はそんな存在になりえたのか?企業にとって労働組合、労使
強調とは何か?
【寸評】久しぶりに著者の作品に目を通した。新聞に本書が文庫で発売されるのが目に留まり、内容も日産の労働組合
の事を描いている事に興味をひいた。全て実名で書かれており、どこまで真実か分からないが、日産が一時衰退した
要因が分かる気がする。こんな労働組合長だったら嫌だけどね・・・
シネマ坊主2 日経BP社 [著者]松本人志 [定価]1,300円+税 [読了日]8/8
【概要】「日経エンタティメント」に連載されている映画評論集第2弾!ハリウッド、韓国、ヨーロッパ、日本映画等、世界
中の話題作80本を一刀両断!全作品10点満点の採点表付。
【寸評】毎月、「日経エンタティメント」に連載されている著者の映画評は興味深く目を通している。本書は「ピアニスト」
「バニラスカイ」〜直近の「ミリオン・ダラー・ベイビー」を取り上げている。私が大好きな作品が酷評されていたり、似た
ような感じ方をしていたり、評価の仕方は様々だが、映画の感じ方は十人十色でよい。自分では感じない視点でズバ
ズバ語っているのも、いい意味で参考になる。
遊ぶ奴ほどよくデキる! 小学館 [著者]大前研一 [定価]1,470円+税 [読了日]8/7
【概要】汗まみれ、泥まみれになるまで遊ぶ事で日頃の仕事でたまった精神的、肉体的な疲れが吹き飛び、休暇明けか
ら再び仕事にのぞむ活力が自然とみなぎってくる。オンと同時にオフも充実させようと著者が自らの経験を基に説く。
【寸評】会社に入って間もない頃、著者の「遊び心」を読んで、仕事のみならず遊びの凄さに驚嘆した。本書は同様な切り
口で書かれていると思うが、「家族マネジメント術」「子育て術」の箇所に関心を持ち、拝読した。最近、受身の趣味だけ
でなく、能動的な事もやらねばならないと思っている。家族と一緒に色々と体感したり学習する事も積極的にやってい
きたいね。非常に刺激的で元気が出る本である。
日本が犯した七つの大罪 新潮文庫 [著者]櫻井よしこ [定価]590円+税 [読了日]7/31
【概要】あやまちに満ちた日朝交渉、欺瞞だらけの道路公団民営化、危機的な日中関係、国民の利益に全く結びつかな
い住基ネット・・・。国際社会における脆弱さと裏腹に、自民党を番号で縛る事だけに躍起になっているこの国は一体ど
こへ向かうのか?
【寸評】著者の本は好んでよく読むが、本書の切り口も相変わらず鋭い。日本の官僚は一体何なの?事なかれ主義の固
まり?という感じで、我が国の官僚に疑念と不安を感じざるを得ない。日朝交渉の経緯、狂牛病の対応の話は印象深
く読んでいて悲しくなる。
近鉄球団、かく戦えり。 日経ビジネス文庫 [著者]浜田昭八 [定価]667円+税 [読了日]7/28
【概要】1950年セ・パ2リーグ分立以来、唯一日本一になれなかった球団、近鉄。しかし、球史に残るドラマの数は日本
一?「実力のパ」と言われた時代に、西鉄、阪急、南海などの強豪に果敢に挑んだ。この愛すべき球団を長年見つめ
てきたベテラン記者が、消滅までの半世紀を、他球団を含めた選手・監督のエピソードを紡いで回顧する。
【寸評】近鉄は結構好きな球団だった。「江夏の21球」「10.19」「巨人との日本シリーズ」は印象的だし、野茂・石井・大石
・ブライアント等がいた時代は良かった。ナゴヤ球場の時代は年に1回「近鉄×西武」を観に行ったもの。著者は「監
督たちの戦い」と同様、非常に読みやすく綴ってくれている。パ・リーグの不遇が如実に語られている。本書を読むと
プロ野球は面白いものだったはずだが、現在の私の醒めた感覚は何?
その人、独身? 講談社 [著者]酒井順子 [定価]1,500円+税 [読了日]7/22
【概要】ベストセラー『負け犬の遠吠え』が、負け犬発生の原因や特徴などについての総論とすれば、本書は、一連の負
け犬騒動をくぐり抜けつつ、相変わらずジタバタ生活をしております、という後日談。
【寸評】著者は私と同年で『負け犬の遠吠え』を興味深く読んだ。本書も著者の心境がにじみ出ていて共感できるところが
多い。「負け犬達は皆不倫経験者である」「”イケメン”は逆セクハラ用語では?」「若年寄たちの大人の修学旅行の話」
は印象深い。現在の世の中の実態が綴られており、何とも言い難い感じがするなあ・・・
細野真宏の世界一わかりやすい株の本 文芸春秋 [著者]細野真宏
[定価]952円+税 [読了日]7/10
【概要】あの400万部突破のカリスマ予備校講師が贈る読んだだけで「実践力」が身に付く今までになかった革命的な
株の本!
【寸評】銀行預金では現状維持の情勢の中、株式投資は自社株は行っているものの、興味はそそられる(余裕がある訳
ではないが・・)。某友人から「興味本位だけで行うなら簡単に全損する!」というアドバイスを受けているので、実際に
は踏み切ろうともしていないが、何か「株」を勉強できる分かりやすい書物はないか探していた。しかし、著者の本が出
た段階で即決で購入。過去の著者の「日本経済」「世界経済」「生命保険・郵貯」は、どれも非常に分かりやすい本で、
これだけ分かりやすく記せる著者は天才だと思う。本書も非常に分かりやすい。株式投資を行うには、非常に世間情勢
に敏感で勉強しないといけない事も再認識させられた。
日本の「死」 文春文庫 [著者]中西輝政 [定価]619円+税 [読了日]7/4
【概要】小泉改革は戦後日本の「没落と死のセレモニー」の始まりだった。未曾有の世界危機の時代に、外交の無残な
敗北を続ける日本。「ならず者国家」北朝鮮に人権躊躇を許し、「中国市場幻想」に踊らされるこの国と、気鋭の論客
が切り結ぶ。
【寸評】会社の某研修(講演)で、著者の事を紹介され、「北朝鮮」を論じた本を読んで強いインパクトを受けた事がある。
著者の作品を読むのは本書で2冊目となる。書かれている内容は高度で切り口も鋭い。恥ずかしながら、4月頃から少し
づつ読んだり、一時保留していた事があり、ようやく読み終えた次第。北朝鮮問題等を基に、日本の外交の弱さを指摘し
危機感を募らせている。(危機というより「死」という表現をしている)著者のイチ押しの人物は「石原慎太郎」との事。
強い工場 日経ビジネス文庫 [著者]後藤康浩 [定価]714円+税 [読了日]6/29
【概要】現場の作業者一人ひとりの高い練度、柔軟な適応力が、日本の製造現場の生産性、高付加価値製品群を支え
ている。トヨタやキャノンの製造現場、熟練工の姿、国内回帰の動き等、最新取材を追加して世界最強の現場を克明
に描く。
【寸評】製造現場の絶え間ない改善、強い工場作り、人材活用の事例が記されており、日本の製造業の強さを思い知る。
製造業に従事する者は一度は目にすると良い本では。セル生産の普及、マイスター制、スズキの社長の取り組み精
神等、印象深い。
スターウォーズ エピソード3 快適副読本 双葉社 [著者]河原一久+矢地雄
[定価]1,200円+税 [読了日]6/28
【概要】最終章ついに公開!全6作の全てを明かす!初めて観る人にも、ずっと観てきた人にも字幕監修者の著者が
贈る”駆け込み予習”から”SWの未来”まで
【寸評】河原氏は私より1歳上で同世代。彼の”SW本”を読むのは3冊目になる。タイトル通り、SWファンにとっては快適に
読める。キャラクター紹介の詳述は嬉しいね。まあ行く事はないが、タトゥイーンのロケ地のチュジニアの景色は興味
深い。年末のDVD、アニメ、TVシリーズ、2007年からの3D映画と映画シリーズは完結したものの、まだまだ楽しませて
ほしいな。
ぼくたちのスターウォーズ 二見書房 [著者]リトルファルコン [定価]1,542円+税 [読了日]6/25
【概要】日本最強のSWファンクラブ「リトルファルコン」がSWのサーガの魅力を徹底解説!「エピソード3」で物語は本当に
解決するのか?
【寸評】ここまで凄いファンクラブがあるとは!「通」な人はとことん「通」なんだよな。本当に色々な視点でSWを解析して
おり、非常に面白い。6月上旬に本書を購入して読み出したが、最後の第5章「エピソード3緊急レポート−ネタバレ注
意−」は流石に映画を観るまで保留にしておいた。先々行上映で鑑賞したので、第5章を読んで読了。鋭い分析をして
いるものだ。
いのちのまつり「ヌチヌグスージ」 サンマーク出版 [著者]草場一尋 [定価]1,500円+税 [読了日]6/25
【概要】生きてるって、こんなにスゴイことなんだ。子供も大人もひと目で分かる「いのち」のからくり、大切なつながり。
力が湧いてくる、話題の絵本。
【寸評】「いのちのバトンタッチ」のHPからこの絵本の存在を知り、購入して読んでみた。読むのは数分。しかし、自分の
命が物凄い数の先人から成り立っている事がビジュアルによく分かる。子供達にも読ませたい本だ。
「ヌチヌグスージ」…沖縄の方言で”いのちのお祝い、いのちのお祭り”という意味。
溝鼠 徳間書店 [著者]新堂冬樹 [定価]952円+税 [読了日]6/18
【概要】「ドブネズミ」 と陰でそう呼ばれていることを鷹場は知っている…。復讐代行屋の幸福企画。幸福な人の人生を
破壊することだけが生き甲斐の男たちを描く過激なフィクション。
【寸評】著者は私と同年。著者の作品を読むのは昨年読んだ「氷と炎」に続き、2つめ。「ここまで過激な内容は心臓の
弱い読者にはお勧めできません」という宣伝コピー通り、こんな過激な内容はこれまで目にした事がない。もう、グチ
ャグチャという感じなのだが、そうは言いながら内容には引き寄せられてしまう。今年になって、小説を読むのは、よう
やく2冊目なのだが、かなりハイペースで読めた。人間の奥底に潜む膿の部分を全てさらけだしたような内容で、非常
に怖い。怖いもの見たさで、また別の作品も読んでみたい気もするが・・・
ガイアの夜明け 闘う100人 日経ビジネス文庫 [著者]テレビ東京報道局=編 [定価]714円+税
[読了日]6/5
【概要】企業の命運を握る経営者、新ビジネスに賭ける起業家、起死回生に挑むサムライたち−。厳しい競争の中で奮
闘するリーダーの言葉は鮮烈な光を放っている。人気番組「ガイアの夜明け」に登場した100人の肉声を一冊に集約。
【寸評】テレビ東京系の「ガイアの夜明け」は極力毎週観るようにしている。この番組に登場してくる人達は本当に仕事に
果敢に取り組んでいる。こんなに頑張っている素晴らしい人達がいるんだ!と刺激を受けると同時に自己嫌悪にも陥
るが・・・。本書は番組に取り上げた中から選んだ100人の名言と簡単なダイジェスト。番組を振り返ると同時に幾つか
の言葉が胸にしみる・・・
トヨタ式 日本経済新聞社 [著者]日本経済新聞社=編 [定価]1,500円+税 [読了日]5/24
【概要】トヨタが目指す理想の会社とは一体何なのか。日経産業新聞の連載企画「トヨタ式」を中心に大幅に加筆・再編
集。約2年に及ぶ取材を通して浮かび上がってきたものは、目標を常に未踏の領域に置いて黙々と追い求める孤高な
る姿・・・
【寸評】トヨタの決算結果は非常に良好で驚異的ともいえる。そんなトヨタの競争力の源泉、今後の世界販売戦略、部品
メーカーとの関わりあいの考え方等、興味をそそる記述がされている。
トヨタ式を読み解く「7つのセンテンス」・・・@世界中で尊敬される存在になるA自分の城は自分で守れB安全、安心、
快適な車とクルマ社会を創造するC元祖がいつも最強とは限らないD現場から離れず、自分の職務を全うせよ
E主役は部品メーカーかもしれないFカイゼンに終わりはない
新会社論 日経ビジネス文庫 [著者]日本経済新聞社=編 [定価]667円+税 [読了日]5/7
【概要】日本企業は今どこに立ち、どこに向かっているのか。米国型経営への懐疑、CSR経営の台頭、カリスマ経営者
への礼賛と批判−。「失われた十年」という名の長いトンネルを抜ける過程で、各社がつかんだ「新しい経営のスタイ
ル」とは?
【寸評】日本経済新聞(購読していないが・・・)の1面に連載されていた「新会社論」を文庫化したもの。各社の再生・改革
に取り組む姿を簡潔に紹介している。確実に変化を遂げている時代、企業・・・生き抜いていくのは大変だと、しみじみ
と思う。
菊とバット【完全版】 早川書房 [著者]ロバート・ホワイティング [定価]1,900円+税 [読了日]5/2
【概要】野球を通じたユニークな日米比較文化論として知られる『菊とバット』に、イチローのメジャー年間最多安打記録、
プロ野球再編などの、最新情報を加えた完全版。往時とすっかり変わってしまった事もあれば、十年一日のごとく変
わらない事もある・・・。
【寸評】「和をもって日本となす」「イチロー革命」を愛読しながら、著者の原典「菊とバット」は未読であった。最新情報を
付記して完全版として登場したので拝読。旧き名選手のエピソードや、「和」「武士道」などのキーワードを通して、日
米野球の根本的な違い、日米野球の本質・問題点を浮き彫りにしている。相変わらず、非常に面白い。ようやく著者
の原典に触れて大満足。(野球と違ったジャンルの)戦後の東京の闇社会を描いた「東京アンダーワールド」も読み
たくなった。
シンプル・リーダー論 文春文庫 [著者]星野仙一 [定価]467円+税 [読了日]5/2
【概要】どん底にあった阪神タイガーズを18年ぶりの優勝に導いた闘将が、監督就任の真相、組織改革、チーム補強、
選手教育の全てを語った。圧倒的なV達成をもたらした「本気の男」が明かす舞台裏から、指導者たる者のあるべき
姿が見えてくる。
【寸評】著者は尊敬できる野球人である。彼のまさかと思った阪神の監督就任劇、大補強の裏話、優勝へ導く過程が色
々と綴られており、興味深い。彼の心意気、周囲の人への気配り、温かさ、厳しさ・・・人生、組織の中でを生きていく
上で非常に参考になる事が多い。(4月は忙しくて2冊しか読めなかった。5月は巻き返したい)
明日への送りバント KKロングセラーズ [著者]川相昌弘 [定価]1,300円+税 [読了日]4/13
【概要】巨人軍引退から現役復帰、中日ドラゴンズにテスト入団など、様々な困難を乗り越えつつ、ひたむきにプレーを
している川相選手が自身の野球人生、哲学、誇り、家族の愛などを綴っている。
【寸評】私は80年代〜90年代前半の巨人が好きで、川相選手も好きな選手である。球場で直に見ると彼の守備、バント
の上手さが良く分かる。警戒されてるから、一塁手・三塁手が猛ダッシュする中でバントを成功させるのはプロの世界
では大変。犠打世界記録は凄いものである。巨人での騒動の後、中日へ移籍して頑張っている彼を見るとこちらも
元気が出てくる。本書は彼の素顔・考えがよく分かる。まだまだ頑張ってほしい。