巨人という幻想 東邦出版 [著者]宮崎満教 [定価]1,400円+税 [読了日]12/31
【概要】10年にわたり巨人の深層部を取材し続けた元担当記者が初めて明かす巨人の犯した組織的過失とその責任
を分析する・・・
【寸評】巨人の凋落は悲惨なものがある・・・。贔屓の原氏が復帰したものの、資金力を盾に補強に走る姿勢は変わら
ないのも確か。巨人の再生をじっくり見つめていきたいところだが、本書の過去からの克明な分析は厳しいものが
あるが真実というところか・・・巨人を応援する事が正しい行為なのか迷ってしまうところもあるな・・・
巨頭会談 新潮文庫 [著者]ビートたけし [定価]438円+税 [読了日]12/22
【概要】政界から司法、国防、スポーツ界まで、日本の”巨頭”たちが語る、気になる世界の表と裏。著者だから聞き出
せた衝撃の核心とは?全10人との超豪華会談集。
【寸評】著者の本は好きで毎年必ず何かは読んでいる。実は今年は年末駆け込みとなったが・・・。小泉首相、青木功、
羽生善治、金田正一等の各界の第一人者と鋭い会談を繰り広げられている。著者はやはり頭が良いと思うな。どの
会談も非常に興味深く有益となる内容だ。
下流社会 光文社新書 [著者]三浦展 [定価]780円+税 [読了日]12/21
【概要】「下流社会」とは具体的にどんな社会で、若い世代の価値観、生活、消費は今どう変わりつつあるのか。マー
ケティング・アナリストである著者が豊富なデータを元に書き上げた階層問題における初の消費社会論。
【寸評】今、巷で話題になっている作品ゆえに便乗して購入し拝読。色々な視点で統計を取り、それを分析する形で見
解を述べている。最近の新聞で初めて人口の自然減少が起こったように、少子化・未婚・晩婚化が激しい。価値観
等も当然変わってきている。子供達が大人になった時、どんな社会になっているのだろうか。
プロ野球タブーの真実 宝島社 [著者]別冊宝島編 [定価]880円+税 [読了日]12/9
【概要】プロ野球界に巣食う闇と、避けては通れない確執劇の裏側の幾つかの事例を掲載。
【寸評】清原の去就問題、堀内監督の苦悩の2年間、星野SDの巨人監督騒動、田尾−三木谷の確執等、最近の話題
から昔の話の幾つかが掲載されており、興味深く読める。プロ野球のプレーの影には様々な人間ドラマが隠されて
いる。そこが私の野球好きである理由の一つである。サラリーマン社会とよく似ているんだよな・・・
人間発見・私の経営哲学 日経ビジネス文庫 [著者]日本経済新聞社=編 [定価]695円+税
[読了日]12/5
【概要】何をきっかけに経営者として開眼したか、人として成長できたか。経営者が自らの言葉でその生い立ちと経営
哲学を語る。日経の夕刊の連載「人間発見」から注目のトップ24人を集めた文庫版。
【寸評】会社の昼休みを使って少しづつ読んだが、24人の方は流石としかいいようのない。非常に苦労を重ね、困難を
突破してきていて、人への感謝も忘れていない。明確なビジョン・信念・夢を持っているからこそ成せるともいえる。
それに比べて自分など・・・・余り卑下ばかりしていてはいけないか。
2006年版プロ野球を10倍楽しく見る方法 日本文芸社 [著者]江本孟紀 [定価]880円+税
[読了日]12/4
【概要】原第二次政権誕生、楽天に野村監督が就任、古田プレイングマネージャーの誕生で2006年は野球人気回復
がなるか?プロ野球の展望・著者の思いを綴ってある。
【寸評】毎年の恒例となっているこのシリーズ。書店で見つければ即購入して一気に読んでしまうのも恒例。原監督復
帰で私の野球熱は再燃!(ただの原ファンか?)星野SDへの巨人監督要請否定会見の舞台裏等、興味深い話が
多くて非常に楽しく読めた。来年が楽しみだ・・・
私はこうして発想する 文藝春秋 [著者]大前研一 [定価]1,429円+税 [読了日]11/30
【概要】日本の起業家養成の第一人者の著者。著者の教え子は4,000人を超え、教え子達が興した会社は600に及び
その中からは上場企業も誕生している。どうすれば新しい事業のアイデアを発想し、それを具現化する事ができる
のか?
【寸評】著者は「発想する技術」は21世紀を生き抜くための最重要スキルであると説いている。考える力が乏しい私には
悩ましい事であるが、間違いなく事実である。6つのメソッドから考えるプロセスが説明されている。少しでももがく努力
をしていかないと厳しい事は確かだ。
播磨灘物語(一)〜(四)全4巻 講談社文庫 [著者]司馬遼太郎 [定価]2,516円+税 [読了日]11/20
【概要】黒田官兵衛。戦国時代末期の異才。牢人の子に生まれながらも、22歳で播洲・小寺藩の一番家老になる。だが、
「この程度の小天地であくせくして自分は生涯を終わるのか」という倦怠があった。欲の薄い官兵衛だが、「広い世界
へ出て、才略ひとつで天下いじりがしてみたい」という気持ちは強かった・・・
【寸評】久々に著者の戦国時代の長編小説を読んだ。10年以上前に会社の研修で一緒だった人が著者の作品では本
書が一番好きだ、と言っていたので「いつか読もう」と思っていたが、ようやく読破。秀吉を支えた(戦略の智恵袋)黒田
官兵衛の生涯を綴っている。個人的には戦国時代が舞台の話が一番取っ付き易く、信長に謀反を起こす荒木村重や
高山右近の描き方は面白かった。官兵衛のような生き方は好感が持てる。さて、次は「義経」「坂の上の雲」に進みた
いところだが・・・。2006年の大河ドラマ「功名が辻」(著者の原作)は観る予定。
福祉を変える経営 日経BP社 [著者]小倉昌男 [定価]1,300円+税 [読了日]11/11
【概要】障害者の賃金は月給1万円に満たない。お役所任せに頼らず、障害者も自分で稼いで社会に出よう!「クロネコ
ヤマトの宅急便」の生みの親が挑む本当のノーマライゼーションの道とは・・・
【寸評】著者はヤマト運輸の経営から身を引いた後、ヤマト福祉財団を設立し、無報酬で障害者の自立支援を行ってい
る。社会貢献事業に関心のある私にとって、勉強の取っ掛かりとして本書を読んでみた。経営の極意、製品は売れな
ければ何ら価値がない事など有益な事が書かれている。著者には敬意を感じるな・・・
ヴァイオリニストの音楽案内 PHP新書 [著者]高嶋ちさ子 [定価]740円+税 [読了日]11/9
【概要】お茶の間で人気の女流ヴァイオリニストによる初心者のためのクラシック音楽入門書。著者自身が大好きな曲を
中心に50曲を厳選。古今の名曲をより深く、楽しく味わうためのツボを、演奏家の立場から、豆知識や裏話を伝えてく
れる。
【寸評】ここ2〜3年、著者のファンでCDを10枚集め、演奏会も2回行った。演奏会では著者のトークがあり、見かけと異な
り”毒舌”なんだよね。本書はクラシック音楽の50曲を著者らしい語りで解説してくれている。クラシックを改めて十分堪
能したくなってきた。CDを持っていない曲があったので、早速CDを3枚購入してしまった。本書に掲載されている曲を
順番に聴いてみようかな。
日本「地下経済」白書 祥伝社黄金文庫 [著者]門倉貴史 [定価]571円+税 [読了日]11/5
【概要】書店の万引き470億円、偽ブランドの市場規模520億円、援助交際630億円、暴力団の非合法所得2兆円・・・経済
のプロがアングラマネーを徹底的に検証し、その実態を抉る。
【寸評】GDPのような表の数字に表れない「地下経済」の実態を記した内容は非常に興味深く、驚愕もする。ニートの存在
が、どのくらい経済成長にダメージを与えているかの試算が印象的。最終章で日本と対比すべく、他国の実態にもふれ
られており、各国色々あるものだと認識させられる。
野村ノート 小学館 [著者]野村克也 [定価]1,500円+税 [読了日]10/24
【概要】名将が20年をかけ、その全てを綴った「勝利の兵法書」−伝説のメモ集を公開。リーダーで人と組織はこれほど
変わる!
【寸評】弱小だったヤクルトを4度優勝する闘う集団に変えた著者の手腕は記憶に新しい。今の強い阪神だって、著者の種
まきがあった事は否めない。楽天の監督に就任したが、どんなチーム作りを見せてくれるか非常に興味深い。本書は
野球のみならず人間形成の上でも大切な事が記されている。
騙しのカラクリ 角川文庫 [著者]横田濱夫 [定価]552円+税 [読了日]10/20
【概要】詐欺師・ひっかけ商法の最新”手口”を全て公開。悪い奴は人間の欲や心理を巧みに突いて、悪い奴ほどいい人の
フリして近づいてくる。そんな悪党どもを撃退するための知識武装術を伝授。
【寸評】悪徳商法の9つの事例を、著者の相変わらず楽しい口調で紹介してくれる。それにしても悪徳商法もよく考えていて
人間の心理のスキを突いて上手いこと仕掛けてくるものだ。事例別に反省点・予防策をまとめてある。これはポイントを
押さえていて今後の戒めとなるものだ。
未知なる家族 日本経済新聞社 [著者]日本経済新聞社編 [定価]1,500円+税 [読了日]10/16
【概要】少数派に転落した「標準世帯」、消える反抗期、アウトソージングされる家族の機能、血縁より地縁に頼る暮らし。
新たな絆を求めて家族はどう変わろうとしているのか?家族を通して企業、国、社会の課題を明らかにする迫真の
ルポ。
【寸評】日本経済新聞社の朝刊に連載されていて反響が大きく単行本化。日本のみならず世界の家族の現状を描いてい
て驚く事が多い。人間性・社会への適応力等は根本的には家族で培われるものだと思う。それだけに自分達も責任を
持って対応していかねばならない。しかし、未婚化・少子化に歯止めがかからないものか・・・。個人的には「自分さえ良
ければよい、という人間が増える」「少子化では経済が発展せず、ガタガタになる」と危惧しているのだが・・・
40歳から伸びる人、40歳で止まる人 PHP文庫 [著者]川北義則 [定価]457円+税 [読了日]10/16
【概要】人生最大の分岐点は40代である。何故なら40代の過ごし方次第で、そこから人間としてグンと伸びて「本物の大人」
になれる人と、そのまま成長が止まってしまう人に分かれてしまうからだ、と説いている。「人生・大人・仕事・家庭」の4つ
の面から、人生を愉しく有意義なものにする考え方を紹介。
【寸評】40歳というと「不惑」の年という。39歳になって、40代突入が近くなってしまった(信じられないが・・・)私は、「不惑」
など、とてもおぼつかない未熟者である。本書は定年後を見据えて、40代の時を有効活用すべきだと温かく説いてい
て、勇気付けられる。まだまだ向上の余地有り、と思って生きていこう。
この命、何をあくせく 講談社文庫 [著者]城山三郎 [定価]533円+税 [読了日]10/6
【概要】一回かぎりの人生、少しでもあくせくせずに過ごそうではないか。作家生活半世紀の人生の哀歓を知り尽くした
著者が綴る36の練達のエッセイ。
【寸評】本書の最後に書かれている「私は本が好き。旅も好き。本と旅を組み合わせれば、1+1が4にも5にもなり、そこに
私だけの新しい世界が生まれてくる・・・」というのは、非常に共鳴する。今後、折りを見て旅も行っていきたいもの。
広島のタクシー運転手とのエピソードは微笑ましい。淡々としているが、時折、心に響くエッセイ。
国売りたもうことなかれ ダイアモンド社 [著者]櫻井よしこ [定価]1,400円+税 [読了日]10/2
【概要】覇権主義を露にする中国、狡猾外交を繰り返す北朝鮮、急速に左傾化する韓国、ますます追いつめられる台湾・・。
激動する東アジア情勢の中、なぜ日本だけが無為無策なのか。言葉だけの「改革」をふりかざす政権への惜別の辞!
【寸評】毎年刊行される論戦シリーズ2005年版。本書を読むと、いかに私が情勢を上っ面しか見ていないかが分かる。
中国や北朝鮮は怖いな・・・。それに対応する日本の政治の無為無策ぶりはもっと怖い。先行きが心配になってくる。
いちばん大切なこと。 PHP [著者]ドロシー・ロー・ノルト [定価]800円+税 [読了日]9/25
【概要】「子どもが育つ魔法の言葉」シリーズ最新作。ドロシー博士が子どもたちにために贈るメッセージ。
【寸評】過去著者の本を2冊読んだが、非常に感銘を受けたので本作品も拝読。95ページで30分で読めるが、書かれて
いる事は非常に良い(あたり前の事なのだろうが、それを実践するのが大事)。子どもをほめる事の大切さ、子どもは
親から、親は子どもから学ぶ事を再認識して、日々を大切に過ごしていきたい。
年収300万円時代を生き抜く経済学 PHP文庫 [著者]森永卓郎 [定価]590円+税 [読了日]9/17
【概要】小泉構造改革とは、ほんの一握りの金持ち階級と圧倒的多数の低所得者層とに日本を分けるものだった!9割の
サラリーマンが「負け組」に向かう中、可能性のない「成功」をめざすか、自分にとって「幸福」な人生を目指すのか。
安定が崩れ去った日本社会での「森永流前向き生き方」。
【寸評】この本がハードカバーで出ていた時、やたら関心があった。覗いてみようかどうしようか、と思っていたら瞬く間に
文庫化されたので購入して拝読。確かに今後は一部の優秀な人しか給料は上がらないし、税金・保険料が上がって
いき、実質手取りで貰える額は目減りしていく可能性が大だ。その中で自分達(家族)にとって「幸福」な人生を歩む事
を考える事が賢明だと著者は説いている。色々な事を考えさせてくれる内容だった。
時間とムダの科学 プレジデント社 [著者]大前研一・他 [定価]952円+税 [読了日]9/9
【概要】花王・後藤卓也、ファーストリテイリング・柳井正、キヤノン・御手洗冨士夫、ローソン・新浪剛史…経営トップの
第一人者達が時間マネジメントの秘密を語る!
【寸評】雑誌「プレジデント」の人気特集から「時間管理術」を軸に再編集した内容。時間管理は永遠のテーマで、過去も
この種の本を読んだ事もある。私のような凡々人と違って、本書に登場している方は、時間管理の仕方が凄い!「ポス
ト・イット」の有効活用、手帳の使い方等、参考にできる事が多い。
さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 光文社新書 [著者]山田真哉 [定価]700円+税 [読了日]9/3
【概要】挫折せずに最後まで読める会計の本−あの店は客がいないのにどうして潰れないのだろうか?毎日の生活に転
がる「身近な疑問」から、大ざっぱに会計の本質をつかむ!
【寸評】著者は私より10歳も若い公認会計士。8月に読んだ「新会社法」といい「本書」といい非常に分かりやすい。身近な
話題から会計の本質を突いた、会計の入門編という内容。著者の言う「数字のセンス」は本当に大事だと思う。一番
印象に残ったフレーズは「100人の人脈を持つ一人の人物としっかりした人間関係を作る」という本当の人脈の作り方
を示すところだ。よく「最近の若い者は・・・」と若者を否定的に見なす御仁を目にするが、著者のような優秀な人達に
は教えられる(会社でもそうだが・・・)事が多い。