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36.コール TRAPPED (2002年米)<3.0>     
 [監督]ルイス・マンドーキ
  [出演]シャーリーズ・セロン、コートニー・ラブ、スチュアート・タウンゼント、ケヴィン・ベーコン
  [時間]106分
 [内容]米オレゴン州のポートランド。カレンは将来有望の麻酔科医である夫・ウィルと6歳の娘アビーの3人で幸せな生活
    を送っていた。しかし、ウィルがシアトルへ出張した日の夜、カレンの前に見知らぬ不審な男ジョーが現われる。ジョー
    は、彼の仲間がアビーを誘拐した事をカレンに告げ、30分ごとの連絡を怠るとアビーは死ぬと脅し、彼女から抵抗の意
    志をそぐ。やがて、娘アビーは山小屋に、夫ウィルはシアトルのホテルの一室に監禁される。一味の計画は順調に進む
    かに思われた。しかし、ジョーはカレンからアビーが死に至るほど重度の喘息を患っていると聞き動揺を覚える…。
  [寸評]3人家族の各人を誘拐、監禁し、24時間以内に身代金強奪を遂行する用意周到な犯罪グループと、誘拐された一
    家の攻防を描いたサスペンス。劇場公開時のチラシを見ると、現実的に考えると恐ろしいが、関心をそそられる内容だっ
    たので今回レンタルで拝見。話の展開はスリリングで観ている分には退屈しないが、観終わってしまうと幾つか疑問が
    生じてしまい、いささかトーンダウンしてしまった。疑問点は犯人の3人は今回の誘拐の目的が”それ”であるとすると、
    過去の4回の誘拐は何だったのか?アビーを自分達の子供として育てようとしたのは何故か?冒頭のモノクロのシー
    ンは何が言いたいのか?後半のスペクタル・シーンは必要?トランクから出てきた女性は何?等々・・・。「白い巨塔」で
    取り上げている医療ミスが本作品でからんでいる。現在、「白い巨塔」の原作(全5巻)の第4巻を読んでいるが、米国の
    医療ミスに対する訴訟についても記述されていた。医者の責任は非常に重く大変だ。(患者側からすると医者は絶対者
    と信じ、期待も大きいから・・・)

37.マッチスティック・メン MATCHSTICK MEN (2003年米)<3.5>     
 [監督]リドリー・スコット
  [出演]ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル、アリソン・ローマン、ブルース・マッギル
  [時間]116分
 [内容]詐欺師のロイは、極度の潔癖症で、オフィスの電話を毎朝消毒せずにはいられず、下着や靴下を小さくたたんできち
    んと積み上げないと気が済まない。そんな彼も、詐欺を実行している時だけは潔癖症を忘れ芸術的な手腕を発揮するの
    だった。ある日、ロイの前に14歳の少女アンジェラが現われる。彼女は離婚した妻との間に生まれたロイの実の娘だと
    いう。突然娘と過ごすハメになり困惑するロイだったが、さらに驚いたことにアンジェラは詐欺師の弟子にしてくれと言い
    出すのだった・・・
  [寸評]「グラディエーター」「ブラックホーク・ダウン」で好調なリドリー・スコット監督の潔癖症の詐欺師を主人公にしたコメデ
    ィ映画。ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル、アリソン・ローマンが各々良い味を出している。リドリー・スコット監督にして
    は、ごくごく普通のおとなしめな話になっているが、後半に上手いトリックが仕組まれており、してやられる。ただ、何とな
    くそんな予感もさせられたが・・・。あの落ちであるならば、再会のシーンは無かった方が、よりインパクトが強かったかも
    しれない。サム・ロックウェルはやはり曲者だったな。本当に彼ほど曲者を演じるのが上手い俳優もいないのでは。

38.くたばれ!ハリウッド THE KID STAYS IN THE PICTURE (2002年米)<3.5>     
 [監督]ブレッド・モーゲン、ナネット・バーンスタイン
  [出演]ロバート・エヴァンス
  [時間]93分
 [内容]ロバート・エヴァンスは1930年にニューヨークで生まれ、後に兄と共同経営していたアパレル・メーカーの成功によ
    り、若くして巨万の富を築く。ある日、彼は仕事でロスに滞在中、ビバリーヒルズホテルで大物女優ノーマ・シアラーに見
    出される。これが人生の転機となったエヴァンスは、俳優として映画界に進出するものの、プロデューサー業の方に興味
    を持ち始め、まだ30代の時にパラマウントの製作トップに抜擢。「ローズマリーの赤ちゃん」や「ある愛の詩」などヒット作
    を世に送り出し、パラマウントを倒産の危機から救い出すのだが…。
  [寸評]70年代を中心に数々の名作映画を製作したハリウッドの伝説的プロデューサー、ロバート・エヴァンスの栄光と挫
    折、そして復活の半生を記録したドキュメンタリー。自身の壮絶な半生を語る彼のナレーションは淡々としているが、波
    乱万丈の彼の人生がひしひしと伝わってくる。「ゴッド・ファーザー」は「ある愛の詩」の成功無しに製作されなかった事、
    コッポラの起用を巡るゴタゴタ、ある罠によりパラマウントを追われるエピソード等、興味深かった。本作品はエヴァンス
    が語る事実であり、必ずしもどこまで信憑性があるのか分からない。それは冒頭で物事には”3つの側面(本人が語る
    事・他人が語る事・真実)”と注釈してあるのだが・・・。淡々としてはいるが、映画が好きな人は観てみるのもよいかもし
    れません。

39.ハリー・ポッターとアズカバンの囚人 HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABANHE
  (2004年米)<3.5>     
 [監督]アルフォンソ・キュアロン
  [出演]ダニエル・ラドクリフ、ルバート・グリント、エマ・ワトソン、ゲイリー・オールドマン
  [時間]142分
 [内容]揃ってホグワーツ魔法学校の3年生になったハリー・ポッターとロン、ハーマイオニーの親友3人組。進級早々ハリー
    は、人間の世界で誤って魔法を使ってしまい退学の危機に直面する。ところが、更なる危険がハリーに襲い掛かる。ヴォ
    ルデモートの手下である凶悪犯シリウス・ブラックが、脱出不可能と言われる牢獄アズカバンから脱走し、ハリーを探し
    回っているというのだ。どうやら、ブラックはハリーの両親の死と関係があるらしい。そしてホグワーツには、危険な脱獄
    囚から生徒を守るため吸魂鬼ディメンター達がやって来るのだったが…。
  [寸評]3ヶ月ぶりの劇場での鑑賞となる。色々な評価を耳にはするが、原作を2年前に読んだ事と映画も過去2作を観てい
    る事もあり、妻子と一緒に鑑賞した。今回はチラシ・CMからしてそうだが、全体的にダークな雰囲気・色調で描かれてい
    る。原作を読んだものの、内容をかなり忘れてしまっているので、原作を読んだ後に本作品を観ればイチャモンをつける
    事が多いかもしれないが、なかなか怖い箇所やスリリングな展開もあるので余り気にならずに観れた。映画としてはマ
    ズマズの出来ではなかろうか。今回のキーマンとなるシリウス・ブラックの存在感がやや弱かったか?彼の事が、どう
    もイマヒトツ理解できなかった。あの占い師の先生は実はエマ・ワトソンが演じていた。豪華な俳優陣も顔見せ登場が
    多かったか。4作目の「炎のゴブレット」も来年秋(?)公開の模様。原作は上下巻とボリューム大で未だ読んでいない。
    このシリーズの本と映画の付き合い方はどうしようかな?一姫は3作目を非常に気に入ったようでDVDの発売を心待ち
    にしている(1作目・2作目の廉価版をamazon.co.jpで購入したら喜んで観ている)。

40.スパイダーマン2 SPIDER-MAN 2 (2004年米)<4.5>     
 [監督]サム・ライミ
  [出演]トビー・マグワイア、キルステン・ダンスト、アルフレッド・モリナ、ジェームズ・フランコ、ローズマリー・ハリス
  [時間]127分
 [内容]心優しい青年ピーター・パーカーが、スパイダーマンとなりグリーン・ゴブリンとの死闘を繰り広げてから2年が経っ
    た。ピーターは新聞社等でバイトしながら大学生活を送る一方、スパイダーマンとしてニューヨークの街を守っていた。
    しかし、愛するメリー・ジェーンは念願の舞台女優の道を歩み始め、彼女との間に少しずつ距離ができてしまい、親友の
    ハリーは父の仇を取るためスパイダーマンへの復讐に燃えていた。複雑な人間関係に悩みが増すばかりのピーター。
    そんな時、核融合実験の失敗により怪人ドック・オクが出現する。4本の金属製人工アームを自在に操り暴れ回る怪人を
    前に、スパイダーマン最大のピンチが訪れる・・・。
  [寸評]私にとっての今夏の最大の待望&期待作。期待を裏切らない、前作以上に面白く十分堪能できる作品だった。前作
    をしっかり観ておく事が必須でしょう。冒頭は「遅刻」がキーワードとなっている。苦学生でもあり、スパイダーマンでもあ
    るピーターはバイトもしなければならないし、多忙すぎてあらゆる所で遅刻をしまくる。そんな事からスパイダーマン稼
    業を継続する事に悩み始める。前作も苦悩するシーンがあったが今回はより一層真剣に悩み、一時はパワーダウン
    (スランプに陥る)したり、衣装を捨ててしまうシーンがある。そんな人間味あふれるピーターに非常に好感を持てるん
    だな。今回はアクションも存分に魅せてくれるし、ラブ・ストーリー要素もおりこまれているし、後半はネタバレになるので
    話せないが、色々な事(私にとってはビックリした)が起きる。良く出来た続編でしょう。3作目への布石も少し匂わせて
    くれたが、正直なところ、3作目は楽しみでもあるが、不安の方が大きい。それだけ本作品が面白かった事と、このラスト
    からして3作目がこけない事を祈る。

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