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31.”アイデンティティー” IDENTITY (2003年米)<4.5>
[監督]ジェームズ・マンゴールド
[出演]ジョン・キューザック、レイ・リオッタ、レベッカ・デモーネイ、アマンダ・ピート、ジョン・ホークス
[時間]90分
[内容]激しい豪雨が降り続く夜、人里離れた一軒のモーテルで管理人ラリーがくつろいでいるところへ、ジョージが飛び
込んでくる。彼は息子のティミーを伴い、交通事故で大ケガをした妻のアリスを運び込む。救助を要請しようとする
が電話は不通だった。アリスをはねたのは女優キャロラインの運転手で元警官のエド。彼は助けを呼びに病院へ向け
車を走らせるが、途中で立ち往生し、やむなくモーテルへ引き返すことになる…。
[寸評]嵐の夜、一軒のモーテルで身動きのとれなくなった11人の男女が一人ずつ謎の死を遂げていく恐怖をミステリア
スに描いたサイコ・スリラー。この作品は、前半はヒッチコックの「サイコ」のノリかと思いきや、後半になると2つの点で
予想外な展開となる。観てない人には余計な事を話してしまうといけないので伏せるが、本作品は斬新で奇抜な展開で
非常に面白い。最後の最後は、本当に盲点であった。私自身も完全に対象から抜け落ちていたな。完全にヤラレタ!
劇場公開時に観に行きたかった作品だが、今回レンタル半額キャンペーンで160円で観れたのはラッキーだった。皆様
にもオススメです。
32.チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル
CHARLIE'S ANGELS: FULL THROTTLE (2003年米)<2.0>
[監督]マックG
[出演]キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー、バーニー・マック、デミー・ムーア
[時間]106分
[内容]3人のエンジェル、ナタリー、ディラン、アレックスにある日、新たな指令が下る。今回のミッションは、テロリスト集団
によってモンゴルとシベリアの国境に拉致された米警察機構要人を救出する事だ。エンジェル達は、早速いつものよう
に得意の変装でテロリストのアジトに潜入し、武術などを華麗に駆使して鮮やかに作戦を遂げる。だが、テロリストの真
の目的は連邦証人保護プログラムで匿う対組織犯罪の最重要証人リストだ。そして、要人レイは、リストにアクセスする
ための重要アイテムである肝心の“指輪”を奪われてしまっていた…。
[寸評]諜報スペシャリストの美女3人組の活躍を描くシリーズ第2弾。2004年の「ワースト・リメイク・続編賞」になるだけあっ
て期待はしていなかったが、本当にイマイチであった。前作は彼女達の動きや仕草を好感持って見られたが、今回は、
どうもわざとらしく見えてしょうがない。ストーリー展開も、分かり辛いし(眠くなってしまった)、話題を呼んだデミー・ムー
アの出演も特に感慨も無かったな。”アイデンティティ”と違って、今回レンタル半額キャンペーンで160円で観たものゆ
え、仕方ないとしよう。
33.夏休みのレモネード STOLEN SUMMER (2002年米)<4.0>
[監督]ピート・ジョーンズ
[出演]エイダン・クイン、ボニー・ハント、ケビン・ポラック、アディール・スタイン、マイク・ワインバーグ
[時間]94分
[内容]1976年のシカゴ。カトリックの家庭に育つ8歳のピートは消防士の父、優しい母、そして7人の兄弟に囲まれて元気
に暮らしていた。2年生の終わりの夏休みの前に、ピートはシスターから“悪魔の道を選ぶか神の道を行くかは今年の
夏の行いで決まります”と言われて気にする。そんな時、兄シェイマスから、異教徒をカトリックに改宗させれば聖人に
なって天国に行ける、と聞き、早速ユダヤ教の教会堂へ通い始める。やがて、教会のラビと顔馴染みになったピートは、
ある出来事をきっかけにラビの息子のダニーとも仲良くなるのだったが・・・。
[寸評]ベン・アフレックとマット・デイモンが新人発掘のために発案したオンライン脚本コンテストによって、12,000本の中か
ら選ばれた作品を映画化した人間ドラマ。宗教・信仰心が所々に出てくるので、多少、個人的には違和感を感じたが、
ピートと白血病であるダニーとの交流は非常に微笑ましく、父親の立場として観ると非常に辛いものがあったが、なかな
か良く出来た人間ドラマではないか。長男パトリックの進路を巡る父と息子の葛藤、母の温かいサポート等、家族の関
係も描かれている。父親は非常に頑固で「この親父、何とかしろよ」と思って観ていたが、母親のある一言で、あっさりま
るくなったりする。ただ父親は家族を思う気持ちは強く、「家族を守る」という使命感を持っている。今後、一姫二太郎の
進路、色々な状況で決断をしなければならない時に、親としてどれだけのアドバイス、支援をしてあげられるのかな・・・
と考えさせられた。
34.ワンダとダイヤと優しい奴ら A FISH CALLED WANDA (1988年米)<3.5>
[監督]チャールズ・クライトン、ジョン・クリーズ
[出演]ジョン・クリーズ、ジェイミー・リー・カーティス、ケヴィン・クライン、マイケル・パリン
[時間]108分
[内容]4人組の強盗によってロンドンの宝石店から1,300万ポンドのダイヤが盗まれた。主犯格のジョージは捕まったもの
の、肝心のダイヤの行方が分からない。実はジョージとケンが画策して隠し持っているのだ。強盗団の紅一点のワンダ
はオットーと組んで、ジョージの弁護士に色仕掛けで接近し、ダイヤの隠し場所を聞き出そうとする…。
[寸評]「トゥルー・ライズ」で笑わせてくれたジェイミー・リー・カーティスが出演しているので関心を持って拝見。今回もカー
ティスはお色気とコメディアンぶりを存分に発揮させて楽しませてくれる。彼女とケビン・クラインの演技なくして本作品は
成り立たないだろう。ダイヤを巡る強盗団の話・・という事で派手なアクションがあったり、ステージが幾つか変わるのか
と思っていたら、意外に内容も大人しく、活動範囲も狭かった。空港のドタバタシーンは笑えるけどね・・・。ワンダが最後
にあの人になびいたのもよく分からん気もするが・・・。
35.少女の髪どめ BARAN (2001年イラン)<3.0>
[監督]マジッド・マジディ
[出演]ホセイン・アベディニ、ザーラ・バーラミ、モハマド・アルミ・ナジ、アッバス・ラヒミ
[時間]96分
[内容]冬のテヘラン。17歳のラティフは建設現場で買い出しなどの楽な仕事についていた。ある日、その現場で転落事故
が起こった。不法に雇っていたアフガン難民のナジャフがケガを負い病院に運ばれ、その息子ラーマトが代わりとしてやっ
て来る。だが、ラーマトが力仕事をこなせないため、ラティフの仕事と替わることになった。これに不満げのラティフだった
が、ある時、偶然にもラーマトが女の子である事を知ってしまう。ラティフはいつしかこの長い髪の美しい少女に惹かれて
いく。そして、彼女をそばで見守り続け、ただひたすら彼女の秘密を守ると心に誓うのだったが…。
[寸評]監督は「運動靴と赤い金魚」のマジッド・マジディで第25回モントリオール映画祭でグランプリを受賞した作品。アフ
ガンの難民問題を背景に、若者の淡い恋心を綴った切ないラブ・ストーリー。ラティフはラーマトに恋をするものの、愛情
表現が不器用で何も言葉もかけられない。そこまでするか!という程、彼女や彼女の家族のために、自分の貯金等を差
し出すのだが、それも”水の泡”と化してしまう。アフガン・テヘランの厳しい状況があるので、軽薄な事はいえないが、
ラティフの立場もラーマトの立場も辛いものがある。「運動靴と赤い金魚」は目的に向かってひた走り、その結果・・・とい
う感じであったが、今回の内容は切なく余りに虚しい・・・。
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