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26.ミニミニ大作戦 THE ITALIAN JOB (2003年米)<4.0>     
 [監督]F.ゲイリー・グレイ
  [出演]マーク・ウォルバーグ、エドワード・ノートン、シャーリーズ・セロン、セス・グリーン
  [時間]111分
 [内容]イタリアのベニスで、天才的な知性を持つ窃盗のプロ、チャーリーは、最新型金庫に厳重保管されている50億円相
   当の金塊を強奪する計画を立て、その道のプロフェッショナル達を集める。だが、仲間の一人であるスティーヴの裏切り
   で、金塊のみならずチャーリーが父のように慕っていたジョンの命まで奪われてしまった。1年後のロサンゼルス。チャー
   リー達は、ジョンの娘で錠前屋のステラを金庫破り担当として新たな仲間に加え、スティーヴに奪われた金塊の再奪取を
   計画する。それはミニ・クーパーを使った大々的なプロジェクトだった。
  [寸評]1969年の同名作品(観ていないが・・・)のリメイク。復讐を大目的に金塊をめぐって繰りひろげられる痛快なカー・ア
   クション作品。窃盗チームはむやみに発砲をしないのが良いし、後半の幾つかのアクションは斬新的で面白かった。「レッ
   ド・ドラゴン」で”善玉”だったエドワード・ノートンが今回は本当に憎らしい”悪玉”を演じている。”悪玉”もしっかり似合って
   いるのは彼の上手さでしょう。スティーブが抹殺したギャングの従兄弟・ギャングの一味の関係がイマヒトツ良く分からな
   かったが、全般的にはテンポ良く、心地よく楽しめる作品でしょう。

27.ムーンライト・マイル MOONLIGHT MILE (2002年米)<3.5>     
 [監督]ブラッド・シルバーリング
  [出演]ジェイク・ギレンホール、 ダスティン・ホフマン、 スーザン・サランドン、 ホリー・ハンター、 エレン・ポンペオ
  [時間]111分
 [内容]1973年、マサチューセッツ州のある町。ジョーは、婚約者ダイアナの両親の家で目を覚ます。彼女の父ベンは朝か
    ら鳴り続ける電話の対応に追われ、母ジョージョーはそんなベンの姿に少し苛ついている。今日は、3日前に亡くなった
    ダイアナの葬儀の日だった。ダイアナはある店で銃撃事件に巻き込まれて命を落としたのだった・・・。
  [寸評]愛する娘を突然失った両親と娘の婚約者が、心に負った傷を癒しながら過去を乗り越えていこうとする姿を描くヒュ
    ーマンドラマ。昨年、劇場で予告編を観た時から本作品に関心を持っていた。娘ダイアナの両親がアカデミー受賞俳優
    のダスティン・ホフマンと スーザン・サランドンだから流石に上手く演じている。本作品の内容は娘を殺害した犯人に対
    する恨み・裁判の抗争に焦点を当てず、あくまでジョーと娘の両親のベンとジョージョーの心の葛藤・再生を主に描いて
    いる。犯人への恨みをもっと前面に出しても良い気がする。再生への過程はしんみりとしていて良いが逆にあっさりした
    感じもした。ダイアナは全くビジュアル化されていないので、彼女のイメージは上手くつかめない。だからジョーがぽつん
    と家にいる状況は分かってはいるものの、どことなく妙な感じもしたな。ジョージョーが31年間、夫との関係を維持した
    ”寝る前に行うある秘訣の話”は興味深かった。

28.ぼくの好きな先生 ETRE ET AVOIR (2002年仏)<3.5>     
 [監督]ニコラ・フィリベール
  [出演]ジョルジュ・ロペス先生と生徒達
  [時間]104分
 [内容]フランス中部のオーベルニュ地方。小さな村の小さな小学校に、今日もまた生徒達が登校してくる。ここは全学年で
   13人の生徒と1人の先生しかいない極めて小規模な小学校だ。それでも校内は和やかな雰囲気に包まれている。子供
   達をたった1人で教育するジョルジュ・ロペス先生は、この学校で20年に渡り教鞭を執ってきた。先生は午前中に一番年
   少の子供達を教える間、上級生達には自習をさせるなど、古風ながら心のこもった授業を進めている。そんなある日、ロ
   ペス先生はあと1年半で退職することを子供達に告げた。
  [寸評]田舎の小さな小学校に通う13人の子供達と1人の先生の交流を詩情豊かな美しい映像で追ったドキュメンタリー作
   品。退職を控えた先生に教わる子供達は3歳から11歳まで、すなわち「幼稚園から小学校6年生」という幅広い年齢層で
   1つの教室で過ごす。それゆえ、上の子が下の者を泣かせたり、面倒を親身にみたり、色々な人間模様がみられる。子
   供達の世界、先生からの指導風景が淡々と映し出される。先生の教えは、今の私にも「どうもすみません。心得ます」と
   思わせる事があり、教えを受ける子供達は果報者だと思う。先生の子供達に向ける眼差しは温かい。淡々とはしてい
   るが、随所にほのぼのとしたものを感じさせてくれた作品だ。

29.おばあちゃんの家 THE WAY HOME (2002年韓)<4.0>     
 [監督]イ・ジョンヒャン
  [出演]キム・ウルブン、ユ・スンホ、ミン・ギョンフン、イム・ウンギョン
  [時間]87分
 [内容]サンウは母親と2人でソウルに暮らす7歳の少年である。夏のある日、サンウは失業中の母が新しい仕事を見つけ
   るまでの間、今まで会ったこともない田舎のおばあちゃんの家へ預けられることになる。だが都会暮らしに慣れてしまっ
   ているサンウにとって、田舎の生活はあまりにも退屈だった。その上、おばあちゃんは話すことも読み書きも出来ないた
   め、サンウは彼女をバカにし、何かと不満をぶちまける。それでもおばあちゃんは、サンウを叱ることはなく彼の願いを叶
   えてあげようと懸命だった。サンウはそんなおばあちゃんに、徐々に心を開き始めるのだが…。
  [寸評]2ヶ月間、母のもとを離れ、田舎の祖母の家で暮らすことになった少年と祖母との交流を綴ったドラマ。都会から何
   もない山の上の田舎に放り込まれたサンウの気持ちも分かるが、このサンウが”クソガキ”ぶりを発揮し、とことん、おば 
   あちゃんに反抗したりバカにしたりする。後半に入っても、根性も改まらないので腹が立つばかりであったが、その一方、
   おばあちゃんの孫に対する真摯な愛情が何とも微笑ましい。最後の最後にサンウも良い所を見せるので、観終わった後
   はすっきりとした気持ちになる。やはり子供は愛情をかけてやれば心を開く、という事を示している。我が家の一姫二太
   郎は、おばあちゃんが常に身近(私の母は同居、妻の母は車で10分の近くにいる)な存在で可愛がってくれているので
   恵まれているかと思う。ある本で読んだが最近の子供達は老人を「汚い」とみなしたり、粗末にする傾向もある模様だ。
   我が家の子供達はもちろんの事、子供達が皆、老人等に温かく接するようにしむけていかなければならない。それには
   我々の世代が自分達の親を大事にする事が鏡になるのだが・・・

30.シャイニング THE SHINING (1980年英)<4.0>     
 [監督]スタンリー・キューブリック
  [出演]ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース
  [時間]119分
 [内容]冬の間、閉鎖されるホテルに、作家志望のジャックは妻と息子を連れて管理人としてやってきた。そのホテルでは
    過去に、管理人がノイローゼになり家族を惨殺し、自殺するという事件が起こっていたのだが…。
  [寸評]昨年10月にCSN1チャンネルで放送されて録画したものをようやく拝見。本作品の原作はスティーブン・キングで、
    彼は本作品が原作と乖離していて気に入らなく、1997年に自らTV映画を手掛けた模様。原作を読んでいないので、原
    作との云々はよく分からないが、本作品は十分怖く、良く出来たホラー映画ではないか。目を覆うような事はないが、心
    理的にゾッとさせられるシーンが幾つかあった。話の展開には目を離せないし、キューブリック監督はやはり見せてくれ
    る。ジャック・ニコルソンの迫真の演技は言うまでもないが、妻・ウェンディ役のシェリー・デュヴァルの怯えた顔自体が
    十分怖かった(失礼?)・・・。息子のウェンディの超能力、料理長の能力は結局、どう影響があったのか?最後の写真
    の意味するところは?と理解できない部分もあったが、十分に楽しめる作品でしょう。
    
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