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16.ミスティック・リバー MYSTIC RIVER (2003年米)<4.0>
[監督]クリント・イーストウッド
[出演]ショーン・ベン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコン、マーシャ・ゲイ・ハーデンズ
[時間]138分
[内容]ジミー、ショーン、デイブの3人は少年時代、よく一緒に遊んでいた。ある日、いつものように3人が路上で遊んでいた
ところ、突然見ず知らずの警官と名乗る大人達が現われ、デイブを車で連れ去っていってしまう。ジミーとショーンの2人
は、それをなすすべもなく見送る事しか出来なかった。数日後、デイブは無事保護され、町の人々は喜びに沸くが、彼がど
んな目にあったのかを敢えて口にする者はいない。それから25年後・・・ある日、ジミーの19歳になる娘が死体で発見され
る。殺人課の刑事となったショーンはこの事件を担当することになる。一方、ジミーは犯人への激しい怒りを募らせる。や
がて、捜査線上にはデイブが浮かび上がってくるのだったが…。
[寸評]デニス・ルヘインの傑作ミステリー小説を、「許されざる者」のクリント・イーストウッド監督が映画化した重厚なるミステ
リー・ドラマ。本年のアカデミー賞の6部門にノミネートされ、ショーン・ベンが主演男優賞、ティム・ロビンスが助演男優賞を
獲得した。1月の間に観に行けなかったが、3/2のPMに名古屋へ出張があったので、帰りに新しい劇場の「ピカデリー6」
で上映されていたので鑑賞してきた。話は暗くて重い。しかし、奥が深くて厚い。何か後味の悪い終わり方だが、どことな
く心に強く残ってしまう・・・というのが率直な感想。「あの車に乗ったのがデイブでなければ・・・」「あの車にさえ乗っていな
ければ・・・」という台詞が何度も出てきたが、一つの出来事が今後の人生を大きく影響させてしまう。それを消化できず、
あくまで損をする者、痛い目にあいながらひねりつぶす者・・・。人間の原罪について語った深刻な内容だ。クリント・イース
トウッドは俳優として出演せず、監督に専念しているが、監督としての手腕を評価したい。但し、ショーン(ケヴィン・ベーコ
ン)と妻のエピソードはよく分からなく浮いていた気がするが・・・(原作もこんな感じか?)
17.ホテル・ハイビスカス (2002年日)<2.5>
[監督]中江祐司
[出演]暮下穂波、照屋政雄、余貴美子、平良とみ、ネスミス、亀島奈津樹
[時間]92分
[内容]沖縄のある場所に立つホテル・ハイビスカスは外見は古く、客室も一部屋しかない宿だ。このホテルを営む人達は皆
明るくやさしい個性的な顔ぶれである。三味線とビリヤードが得意な父ちゃん、働き者で美人の母ちゃん、黒人とのハー
フのケンジ兄貴、白人とのハーフのサチコ姉貴、そしていつもくわえタバコのおばぁ。小学3年生の美恵子はこんな家族
に囲まれ楽しい毎日を過ごしていた。男の子以上に元気溌剌な美恵子は、今日も同じクラスの親友ガッパイとミンタマー
を引き連れ、森の精霊キジムナー探しに繰り出した…。
[寸評]昨年にミニシアター系で上映されていたので関心を持っており、近隣のレンタル店で無料レンタル券でDVDを借りて
拝見。原作は仲宗根みいこの同名漫画で小学校3年生の少女をヒロインに描く沖縄ムービー。妙に期待して観たからか、
何かストーリー的にもイマヒトツだった。一姫とも年が近い少女が主人公で、彼女の活力ある姿を描いている面では好感
を持てるのだが、たくましさばかりを前面に出しており、優しさ、友人達との心温まるような触れ合うような場面を入れても
良かったのでは(原作を知らないので何ともいえませんが・・・)?ケンジもサチコもハーフだが、母親は美恵子と同じで異
父兄姉妹という事か?だとすると父ちゃんは辛くないものか?よく米国への旅を容認するものだ!と家族構成が疑問だら
けだが、特に詳しく触れられていない。沖縄は家族でいつか旅行に行きたいと思っているが、かなり言葉・雰囲気も異なる
のかな?
18.ドラえもん/のび太のワンニャン時空伝 (2004年日)<3.5>
[監督]芝山努
[出演](声)大山のぶ代、小原乃梨子、野村道子、たてかべ和也、肝付兼太
[時間]80分
[内容]ある日、のび太は川で溺れていた子犬を発見し助け出す。その子犬をイチと名付けたのび太は、そのまま家に連れ
帰り、ママには内緒で自分の部屋で飼う事にした。数日後、裏山に行ったのび太は、人間達に捨てられたたくさんの犬や
猫を目にして、人間の身勝手な振る舞いに怒りを覚えるのだった。そして、彼らを救うため、人間の未だ存在しない大昔に
連れて行く事を思いつく。早速、スモールライトでイチやその他大勢の犬や猫を小さくすると、一緒にタイムマシンに乗り込
み、人間が誕生する遥か以前の3億年前の地球へと向かうのだった…。
[寸評]一姫二太郎と一緒に鑑賞。子供とドラえもんの映画を観るのは毎年恒例のイベントと化しており、これで5年連続とな
る。上映初日という事で13:50の席が満席で16:10の上映まで待つはめになった(この回も満席だった)。今回の作品は25
周年記念作品という事もあり、冒頭に25年を振り返るような映像も登場するし、作品自体も結構良く出来ていたと思う。
基本理念は「動物愛護」という事だが、のび太と、彼に優しくされた犬が時空を越えて再会を果たす感動的な要素もあるし
「ダイ・ハード」的(失礼!)なアクション・シーンも登場してくる。タイムマシーンで大昔に犬や猫を送り込んで、そこから歴
史を発生させているところは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」的なノリだ。一姫は非常に満足しており、早くレンタルビデオ
が出てまた観る事を切望している。前作の「フーコ」が大好きな二太郎は前作と同じぐらいの面白さだという意見。
同時上映の「Pa-Pa-Pa ザ★ムービー パーマン タコDEポン! アシHAポン!」はパー子の正体がアイドルタレントの
星野すみれである事が分かった。前作の方が面白かったと思うが、次回は「パーやん」にスポットを当てるのかな?
鑑賞後の親子の会話
私「お父さん、少し涙出ちゃったんだけど見てた?」
一姫「映画が面白くて真剣に見ていたから全然気付かなかった」
二太郎「お父さん嘘だろ、本当に観ていたの?寝ていただろ!」(2分程寝ていたのを見られていた・・・)
19.アラバマ物語 TO KILL A MOCKINBIRD (1962年米)<4.0>
[監督]ロバート・マリガン
[出演]グレゴリー・ペック、メリー・バーダム、フィリップ・アルフォード、ブロック・ピーターズ、ロバート・デュバル
[時間]129分
[内容]大恐慌の真っ只中の1932年、アメリカ南部の町モンローヴィルが舞台。この街に住む2児の父親で正義感の強い弁護
士アティカス・フィンチは身に覚えのない暴行事件で起訴された黒人トムの弁護を引き受ける。しかし、トムの有罪を信
じ、黒人に対して偏見を持つ街の人々はトムを弁護するフィンチに冷たく当るが、彼の子供達は、冷たい態度や脅しに動
じないフィンチの勇気ある行動を目の当たりにしながら大きく成長してゆく・・・。
[寸評]2003年にアメリカ映画協会(A.F.I)が歴代映画のヒーローのランキングを発表し、その第1位となったのが、本作品の
"アティカス・フィンチ"であった。丁度、グレゴリー・ペックが亡くなった時期と重なっていたので、本作品は絶対観ようと
思っていた。ようやくレンタル店でDVDを発見できたので拝見。前半は子供達の視点で父親を見つめたり、隣人の謎に
関心を抱いたりする場面が主で、どことなく淡々としていたが、後半はアティカスが裁判を引き受け、妨害にも屈せず、
法廷で闘う場面からはグイグイ引き込まれてしまう。結果的には何ともやるせない形となるのだが・・・。当時の人種差別
問題が浮き彫りにされているのだが、やるせない形こそが現実だったのだろうか・・・。アティカスがヒーローの第1位とな
るのは、優しくて、強く闘える父親だからという事か。アメリカの良心の部分を反映した人物なのだろう。思い切り期待し
て観たので、凄いインパクトのある作品とまではいえないが、十分観る価値のある作品でしょう。最後の場面で重要な
役割を果たす”ブー”は後に「ゴッド・ファーザーT・U」に出演する事になるロバート・デュバルが演じている。
20.ブラザー・ベア BROTHER BEAR (2003年米)<3.5>
[監督]アーロン・ブレイズ、ボブ・ウォーカー
[出演](声)ホアキン・フェニックス、ジェレミー・スアレス、ジェイソン・レイズ
[時間]85分
[内容]人間がまだ自然の一部として、他の動物たちと同じように暮らしていた時代。ある時、一匹のクマが人間の3人兄弟の
3男を襲い、助けようとした長男は命を落としてしまう。3男のキナイは怒りのあまり、復讐としてそのクマを殺してしまった。
するとその瞬間、不思議な事にキナイ自身がクマに変身してしまったのだった。突然クマになってしまい戸惑うばかりのキ
ナイは、やがて母とはぐれた一匹の子熊コーダと出会う。コーダは、クマとして生きる術を全く知らないキナイを不思議に
思いながらも、一緒に母を探す旅に出るのだった。
[寸評]一姫が本作品を観たいと言い、妻が職場時代の同期の仲間と集まるため、待ち合わせ場所へ送り、その間、一姫二
太郎と一緒に劇場で鑑賞。本作品は過去のディズニーの作品と比べても地味な作品ではある。音楽は素晴らしいが、特
別に画像が綺麗だとか動きが激しい、という訳ではない。人とクマと立場を変えてみて、命、生きる事の大切さを訴えてい
る。人もクマも家族を守るために命をかけるものだ。最近の家族を無下に扱う幾つかの事件は悲しい限りだ・・・。途中まで
は淡々と進むが、最後の場面は結構、胸が熱くなる。親子で鑑賞するにはマズマズでしょう。子供達も「良かった」と満足
してくれた。帰りにマクドナルドのハッピー・セットを買っていったが、丁度、商品が「ブラザー・ベア」シリーズで喜んでい
た。(2人共、本当はコーダが良かったが、残念ながら在庫切れでキナイを選択)
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