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61.踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2002年日)<3.5>
[監督]本広克行
[出演]織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、水野美紀、ユースケ・サンタマリア、真矢みき、いかりや長介
[時間]138分
[内容]空き地だらけだったお台場は、幾つのビルが建ち並び、おしゃれなスポットで埋め尽くされた一大観光地へと変貌
した。湾岸署では、道案内や迷子、交通整理などあふれる観光客相手の地味な業務に忙殺されていた。そんな時、
久々に青島達を奮い立たせる猟奇的な殺人事件が起き、ついに湾岸署に特別捜査本部が設置された。特捜本部長
には初の女性キャリアの沖田が任命され、室井がそのサポートに就く事になる。しかし、青島達の必死の捜査もむな
しく、第2の殺人事件が発生してしまう。
[寸評]実写の日本映画で観客動員数の新記録となっている今夏の超話題作。色々なサイトを見ると評価は賛否両論。
何だかんだ超話題作には誘惑がかられる事と水野美紀も出演しているので、中味は期待できなくても観たいという
欲はかねてからあった。丁度、馴染みの映画館のポイントカードがたまり、映画一本無料で鑑賞できる権利を得てい
たので、TVドラマを見る感覚で無料で鑑賞。導入部はつまらないギャグ等で「しようもないなあ」と思っていたが、警視
庁が登場してくる頃から引き込まれ、最後まで楽しませてくれ、大ヒットするのも納得した。しかし、しばらくして冷静
に考えると「観客動員数の新記録となるだけの映画か?」というと「アラも多く、質的には?」という事になる。私は
”踊る大捜査線”のTVシリーズは見ていない。映画の前作をビデオで観た事があるだけなので、このシリーズの一番
描きたいコンセプトが何かは分からない。映画の前作もそうであったが、今回の作品では組織の動き方、キャリアと
ノンキャリアの対比・葛藤を前面的に描き出している。これは会社組織、強者VS弱者の構図にもあてはまり、リストラ
問題を含めて現代の世相を反映している。(愛読している「新宿鮫シリーズ」(大沢在昌原作)でもキャリアとノンキャリ
アの対比について描かれているが、こちらの方が事件のミステリー度が断然高い。)特にキャリアの”悪の象徴”の沖
田(真矢みき演)の人を権力を傘にして動かそうとする態度、人を見下す態度には10回ぐらい飛び蹴りしたくなった。
和久(いかりや演)の反撃で観客の気持ちは救われる訳だが・・・。どんな仕事でも必要性がある事、管理部門は現場
の人達の血と汗に感謝すべきで快くサポートすべきである事を認識させられる。これだけで作品を観る価値はあった
と思う。但し、アラを言えば刑事ドラマでありながら、事件の内容が非常に物足りなく、中味がないといってよい。もう少
しハードボイルド的に描いてはどうだったのだろう?あと岡村が演じた役は一体何だったんだ?東京に行く機会があれ
ば、お台場に立ち寄ってはみたいね。(11月に大学時代の下宿の隣部屋にいた後輩の結婚式があるから、その時が
チャンスか!)
62.ロジャー&ミー ROGER & ME (1989年米)<4.5>
[監督]マイケル・ムーア
[出演]マイケル・ムーア、ロジャー・スミス等
[時間]91分
[内容]ミシガン州フリントは世界一の自動車会社GM(ゼネラル・モータース)の工場町として知られ、かつては豊かだっ
た。自分を除く全ての親族がそこでGM社員だったと言うジャーナリストのマイケル・ムーアは、サンフランシスコの雑
誌社が肌に合わず帰郷すると、不況で続々と工場が閉鎖となり、人口の1/5にあたる3万人が失業する町の危機に直
面する。着々と工場をメキシコ等の第三世界に移転し、安い賃金のお蔭で実は損をしていないのに、大量クビ切りを
重ねるGMのやり口に腹を立て、ともかく会長ロジャー・スミスに町の現状を見せようと彼を追うマイケルだったが、
面会申請はことごとくはねつけられ、突撃取材もいつも失敗に終わる・・・。
[寸評]「ボウリング・フォー・コロンバイン」で話題となったマイケル・ムーア監督の第1作目の映画が本作品。「ボウリン
グ・フォー・コロンバイン」を鑑賞した後、著作「アホでマヌケなアメリカ白人」も読み、ムーア監督の独特の視点・感性
に興味を抱いたので、本作品がDVDで発売されるのを知り、すかさず予約して購入した。GMの工場閉鎖により、職
を失い、退廃してしまった町と人々の情景を描き出し、人々の立場に立ってGMの会長に対抗するドキュメンタリー。
ムーアの突撃を会長はことごとく無視をし、株主総会に侵入して質問しても即座に閉会してしまう。人々の生活を保障
しないGMの利益至上主義に一石を投じている。日産でも今やカルロス・ゴーン氏の改革により、”復活した”と称えら
れているが、幾つかの工場が閉鎖されているので、利益復活の陰では、多くの犠牲になっている人々(従業員、工場
のあった地域の商店等、協力会社)がいるはずだ。人々・地域は企業に当然、生活の保障を求める、その一方、企業
は競争に勝ち抜くために如何に利益を多く出すかを考える。本作品は正に米国資本主義社会・市場原理の真髄を描
いたドキュメンタリーの傑作である。ウサギの肉を売って生計を立てるために、女性がウサギを○○○シーンには目
を覆ったのが難点だけど・・・。(ムーア監督の音声解説を聞いたが、フリントの町の状況は更に悪化しているとの事)
63.グレン・グールド 27歳の記憶
GLENN GOULD OFF THE RECORDS / ON THE RECORDS (1959年米)<3.0>
[監督]ロマン・クロイター、ウルフ・ケニッグ
[出演]グレン・グールド
[時間]58分
[内容]コンサートよりも録音を愛し、ハミングをしながらピアノを奏でたグレン・グールド。22歳で録音した”ゴールドベル
グ変奏曲”が記録的なベストセラーとなり、世界中から絶賛されながらも、彼は32歳で全ての公の活動から身を引い
た。天才と謳われたグールドの姿を映した、ドキュメンタリー映像。
[寸評]ある研修で一緒だった人がクラシック音楽好きだったので、話が盛り上がりお薦めのCDを幾つか紹介してもらっ
た事がある。その中にグレン・グールドがピアノ演奏する「ゴールドベルグ変奏曲(バッハ作曲)」があり、購入して聴い
てみたら、曲も演奏も素晴らしいのだが、何かハミングなのか歌声か良く分からない「ウ〜ウ〜ウ〜〜」という声が時
折聴こえてくるのにビックリした。そのグレン・グールドのドキュメンタリー作品がNHK衛星放送で放映されたので録画
して興味深く拝見。前半の『Glenn Gould Off the Record』では、カナダでのグールドの生活ぶりや練習風景、彼の音
楽論などがスケッチ風に描かれ、後半の『Glenn Gould On the Record』では、ニューヨークのCBS録音スタジオでバ
ッハの「イタリア協奏曲」を録音する姿が描かれている。やはり天才音楽家というのは凡人には計り知れない独特の
ものがある。ピアノや録音へのこだわり、足を組んで演奏する姿勢、堂々とハミングしている光景・・・結構興味深かっ
た(面白いという内容ではないが・・・)。グールドのCDを聴いた事のある人は一度観てみるのも良いでしょう。
64.リング (1998年日)<3.5>
[監督]中田秀夫
[出演]松嶋菜々子、真田広之、中谷美紀、沼田曜一、竹内結子
[時間]95分
[内容]テレビレポーターの浅川玲子は、見たら一週間後に死ぬというビデオテープの話を聞いた。にわかには信じられな
い玲子だったが、姪の死をきっかけにビデオテープについて調べ始める。思わず玲子もビデオテープを見てしまい、
霊感能力がある前夫の高山竜司へ相談に行き、共に調査する事になった。
[寸評]昨年、米国で本作品を基にリメイクした「ザ・リング」が公開された。本作品の事は何かと耳にはするものの、観た
事はなかったし、米国版も観ていない。TVで深夜に放映されていたので録画して(ホラー系が結構好きな)妻と拝見。
タイムリミット迄を日付表示しながら突き進む展開は結構良く、音楽も効果的に使われており、日本のホラー映画とし
ては、まずまずの出来ではないか(話の中味が良いとか濃いとはいえないが・・・)。寒ボロを出しながら程々に楽しま
せてもらった。しかし、TVから登場して来るあのシーンは怖いというか失笑したかな。写真とかビデオの奇妙な映像が
無気味だったな。最後は誰に振ってしまうんだろう?本作品の冒頭に出ていたのは今人気のある竹内結子だったん
だ!
65.リング2 (1999年日)<3.0>
[監督]中田秀夫
[出演]中谷美紀、大高力也、小日向文也、沼田曜一、深田恭子、松嶋菜々子、真田広之
[時間]95分
[内容]恋人の高山竜司の不可解な突然死に納得できない高野舞は、竜司の別れた妻・玲子の職場の同僚や医師と共
に、呪いのビデオの謎に深入りしていく。行方不明になっていた浅川玲子と息子の洋一を見つけた舞だが、また悲劇
が襲う。洋一を伴い、山村貞子の生地へ訪れた舞は恐るべき邪悪な怨念と対決する事になる。
[寸評]前夜に引き続きTVで深夜に「リング2」が放映されたので録画して妻と鑑賞。話は前作の終わりから、しっかりつ
ながっており、連続ドラマを見る感覚であった。前作のような”タイムリミット”という緊迫感がないので、ミステリー度は
幾分落ちるが、程々に怖がらせてはくれる。舞が部屋に帰った時に窓にぶらさがっているものや山村親子の部屋での
光景等は気色悪いよね。高野舞と高山竜司はどの程度の付き合いだったが、よく分からないが、何故彼女があそこま
でビデオの謎に踏み込み、洋一を守ろうとするのか何か不可解な感じもする。妻は次もホラー系を見ようと張り切って
いる。「リング0」or「呪怨」でも観るか?何だかホラー系に免疫ができてきたな・・・
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