梅を望んで渇きを止む(うめをのぞんでかわきをとどむ) |
意味:一時的にのどの渇きをこらえること。連想によって、一時的に欲望を抑えさせること。 |
曹操(そうそう)、字は孟徳(もうとく)。三国における魏政権の創建者である。後漢で将軍、丞相をつとめ、後に魏王となった。息子曹丕(そうひ)が魏の初代皇帝となった後、武帝と諡された。
曹操は行軍の途中、飲み水が手に入らないところを通った。
全軍の兵士たちがのどの渇きに苦しんでいた。そこで、曹操は号令して言った。
「前方に大きな梅林がある、甘酸っぱい実がたわわに実っておる。それでのどの渇きが癒せるぞ」
兵たちはそれを聞くと、たちまち口の中に唾がわきだした。
そのおかげで、渇きが癒され、無事前方の水源までたどり着くことができた。
【世説新語・仮譎(かけつ)】