乱世の英雄(らんせのえいゆう) |
意味:乱れた世の中に乗じて活躍し、大事業を成し遂げる傑物。 |
後漢末、許劭(きょしょう)という人がいた。彼は若い頃から人物鑑定を好んだ。見抜いて推薦した者は多く、いずれも世に名をあげた。そのため、士を抜擢する名人として有名であった。
曹操(そうそう)がまだ出世する前、たびたび辞を低くし礼を厚くして、自分の人物評価をして欲しいと頼んだが、許劭は曹操の人格を卑しんで、答えようとしなかった。そこで、曹操は隙をみて許劭を脅した。許劭はやむなく答えた。
「あなたは清平の世の奸賊、乱世の英雄だ」
曹操は大喜びして帰った。
【後漢書・許劭伝】