神谷和宏のコーチング研修会

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言葉を変えるとすべてが変わる

 私たちは、知らないうちに「否定語」の洪水中で生活しています。否定語というのは、「否定的、またはネガティブ(マイナス)な意味をもつ言葉」のことです。「やってもダメ」「無理」「できない」「最悪」・・・などのような言葉です。否定語を使っていると、脳が活性化しなくなります。このような状態が続くと、思考のうねりが起きなくなり、意欲の減退や思考力の低下します。そこで、否定語を使わないように心がけましょう。

 例えば、仕事中につい、「疲れた」とか「もう無理」と言ってしまうことがありませんか?その瞬間から意欲が低下して、効率が悪くなるのです。

 そして、肯定語を意識的に使いましょう。肯定語というのは「肯定的、またはポジティブ(プラス)な意味をもつ言葉」のことです。「ついてる」「うれしい」「幸せ」「成功」「感謝」「夢は叶う」「可能性がある」・・・肯定語をうと、笑顔になり、生活においても仕事においても、やる気が出て、楽しくなるのです。

外に出る

 やる気はあるのだけれどどうしても、一歩が踏み出せない。始める直前に、ふうっと重い雰囲気になってしまう。そんな人はいませんか?ひょっとしたら、心の壁に阻まれているかもしれません。

 「サーカスの象」の話を知っていますか?像は、1トンもある積み荷を、鼻で楽々と持ち上げることができます。それくらい、怪力の持ち主です。

 ところで、サーカスを見に行った時に、あの巨大な動物が小さな木の杭につながれて、静かに立っているのを、ご覧になったことがあるでしょう。どのように調教するか、その方法をご存知ですか?

 まだ幼く、力もなかった頃から、象は、びくともしない鉄の杭に、重い鎖でつながれ通しなのです。どんなに、力を入れてひっぱっても、象は、鎖を断ち切ることも、杭を動かすことも絶対にできません。 そのうちに、身体が大きくなり、力が強くなっても、かたわらの地面に杭がある限り、どうしようもないと信じ込んでしまうのです。

 一生懸命やれば何とかなると考える人がいますが、これでは、心の壁は壊すことができません。心の壁をぶち壊すための方法があります。

 それは、外に出るということです。象で言うと「野生の象と生活する」です。

相手を認めて、口で表す

 承認とは、相手の存在すべて(言葉や行動も)を認める行為です。承認は、結果だけではなくその過程・成長度合いを認めることが重要です。
 承認のスキルには、その主体になる対象分けとして「YOUメッセージ」「Iメッセージ」「ITメッセージ」の3種類があります。 ・・YOUメッセージ(あなたが主体)
「あなたはすばらしい」、「あなたはよく頑張った」などのようにメッセージの主体が「あなた」となるメッセージのことです。「あなたは・・・・・です」
・I(WE)メッセージ(私、私たちが主体)
YOUメッセージの後ろに「私はうれしかった」、「私は感動した」などがつき、メッセージの主体が「私(私たち)」となるメッセージのことです。
・IT(メッセージ(あなた、私以外が主体)
 「社長もよろこんでいた」、「わが社としても名誉なことだ」「今度のコンクールは優勝だ」などのようにメッセージの主体が「組織」とか「行為」「事柄」などが主体になるメッセージのことです。
 YOUメッセージには「あなたは○○○○だ」ということで、少なからず評価の気持ちが込められています。言われたほうは居心地が悪いと感じることもあります。人によっては、「そんなお世辞には乗らないぞ」、「そんなはずはないんだ」と悪い感情をもつ場合もあります。メッセージの受け手がそのメッセージを否定することもあります。いくらほめ言葉をメッセージにして相手に伝えても、「いえいえ、そんなことはありません」と否定されてしまえば、効果はなくなってしまいます。それに比べて、Iメッセージは、私がそう感じているんだということであり、このメッセージは受け取った人が否定できないのです。また受け取った人が充実感を覚え、達成感を感じやすいメッセージになります。また、ITメッセージ以上に受け取った人が充実感を覚え、達成感を感じやすいメッセージになります。それは、組織に認められ、組織貢献ができたことが、ダイレクトに表現されているからです。
 そして、人は誰でも認めてほしいと考えています。日本には昔から以心伝心と言う考え方がありますが、心だけでは正確な情報が伝わりません。分かっていることであっても、あえて口に出すことが重要なのです。

自己重要感を高める

 人は他人からバカって言われたら腹が立ちます。それが上司だろうと、同僚だろうと、後輩だろうと、恋人だろうと、親・兄弟だろうと関係なく、腹が立つものです。
 どうして腹が立つのでしょうか?
 それは、人は誰しも自分が重要な人間であるという自己重要感を持っているからです。
言い換えると
「自分は優秀な人間である」
「自分は才能のある人間である」
「自分は器の大きい人間である」
「自分は他人から好かれる人間である」
「自分は正しい人間である」
こういった気持ちのことです。
 こういった認識は、他人の評価に基づいているため不安定です。いくら自分自身を優秀な人間だと思っても、正しい人間だと思っても、他人が認めてくれなければ幻想と一緒なのです。 自己重要感を満足させるため、誰もが分野は違えども成功することを目指します。成功すれば他人から評価され、自己重要感を満足させることができるからです。 しかし、ここで失敗したりすると、自分は重要な人間であるという自己重要感が傷つくので落ち込みます。 なにかで成功する、人から評価されるというのは非常に難しいのです。なにしろ、とてつもない努力を要します。努力しても必ず成功するなんて保証はありません。
 そのため、多くの人は自己重要感を満足させるためとても安易な道をたどります。 それが他人を中傷する、批判する、悪口を言うという手段です。 「あいつバカだ」と言って、相手を貶めれば、相対的に相手より自分の方が利口になったように思えます。 自己重要感を高められるわけです。 「あんな政策をして、あの政治家は脳みそにボウフラが湧いているに違いない」と、大物政治家の手腕を批判すれば、その政治家より頭が良くなったように思えます。自己重要感が高められるわけです。
  しかし、こういった中傷、批判、悪口にはとんでもない落とし穴があります。それは、相手の自己重要感を傷つけて、相対的に自分の自己重要感を高めているので、相手の恨みを買うということです。 中傷、批判、悪口を言う人間は嫌われます。 「お前はバカだ」と言えば、下手をすると、「バカだと!? なにを、お前の方こそ間抜けのクセに!」となって、喧嘩に発展します。そうならないとしても、恨みを買うので、相手から足を引っ張られたり、陰口を言われたり、自分にとってマイナスとなる行動を取られる可能性が高いです。 自己満足のために他人を傷つければ、因果応報な目に会うわけですね。逆に相手の自己重要感を満足させてあげれば、他人から好かれ、良好な人間関係が築けます。 しかし、なぜか世の中には、自分の自己重要感を満足させることばかりに躍起になって、他人の自己重要感を満足させることには無関心、むしろその逆といった人が多いです。 これは相手を「すばらしい!」などと認めると、相対的に相手より自分の方が劣っているように錯覚して、 自分の自己重要感が傷つくからです。または、照れや恥ずかしさなどが原因としてあります。 相手の自己重要感を満足させることは、積極的に行った方が良いです。


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