愛知県碧南市 荒子の「等覚寺」に春の訪れ ソメイヨシノと八重桜を楽しむ贅沢

春が来た!碧南の桜を見に行こう

等覚寺の春は2度来る

「等覚寺」本堂前に桜の一本 2度目の春を告げる「八重桜」の開花を喜ぶ

桜を前に本堂階段で話す人々

<聖徳太子と縁深い二本木の等覚寺。本堂前に一本だけの桜の木。春うららな陽気に誘われ、おばちゃんたちの世間話という花も咲く> 新川・権江橋から鷲塚へと走る旧道を行けば、白壁に立派な蔵が現れる。道をスッと脇に入れば、荒子の現成山・等覚寺。 境内の敷地を子供の遊び場に提供したりしてる地域に親しまれたお寺である。本堂の手前、右手に一本の桜の木。真ん丸になるように枝を伸ばし、 桜の花を咲かせている。その桜を見に集まる近所のおばちゃん達。いつのまにか、本堂の入口階段に座り込み世間話。 次第に話は、世界情勢までに発展。まるで大国の大統領にでもなったかのように熱弁。こちらも大きく花が咲いたようである。

等覚寺石標と八重桜

<三河地震で倒れてしまった山門。代わりといっては何ですが、春になると八重桜が参拝者をお迎えします。まさに季節限定の桜で出来た山門ともいえるかな> 本堂前に咲くソメイヨシノの桜が終わりを告げた頃、等覚寺の東入口にある八重桜が咲き出す。 ここ等覚寺は、歴史ある寺院。さぞや重厚な建造物群が存在すると想像するが…。東の道より詣でてみれば、気づく。山門がない。柱を支えていた礎石のみが残る。 なんでも第二次世界大戦中に起きた三河地震の時に倒壊してしまったという。 以来、新しく建造する事もなく今日に至る。代わりに春になると、八重桜が満開の花を咲かせ、等覚寺に詣でる人々をお出迎えするのである。

ヘボト自画像ヘボトの「落花枝に帰らず」

一輪の牡丹

「ハトのご機嫌を損ねぬよう牡丹鑑賞」

往時は「等覚坊」と称した「等覚寺」。 聖徳太子の夢で「宝寿円」なる薬を思いつき、本堂の建築費を賄ったという話が伝わる。 また、擬宝珠ならぬ「瓶」を代替した経蔵の逸話を知っている人は、マニアックな「等覚寺」通ともいえよう。 その経蔵の壁際、朝日の当たる場所に一輪の牡丹が咲いていた。 外へ向かうに従い、色薄くなるという階調の素晴らしさ。葉の緑、経蔵の壁漆喰と共に、これは一枚の絵である。 この牡丹を観賞するには気を付けなくてはならない事が1つある。まだまだ落ち葉の残る春、ボソッという音が聞こえたら「ハト」がいる証拠。落ち葉の重なる間から、ハトが顔を出すだろう。

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