愛知県碧南市 「大浜陣屋」跡に咲く桜 天王「津島社」に咲く桜を愛でる贅沢

春が来た!碧南の桜を見に行こう

陣屋跡の桜・天王の桜

跡形もなく消失した陣屋に桜が咲き誇り 天王津島社の「桜舞台」に踊る

ジャングルジム頂上から見た公園全景

<明治政府発足以後、跡形もなく姿を消した大浜陣屋。今は住宅街となり少しばかりの公園に記念碑。春になれば、低く垂れ込めた桜の傘の下、おばあちゃんと猫が静かに日向ぼっこする> 大浜・羽根町の一帯は、大浜陣屋があった場所。今は住宅が建ち並び、当時の面影はない。陣屋跡の記念碑だけが かつての存在を物語る。記念碑の周辺は小さな公園になっており、春になると園内に桜が咲く。老齢な桜の木で 傘が随分低く広がっている。桜の傘の下には良い具合にベンチ。住宅街という事もあり、いたって静かな環境。 おばあちゃんと猫は、心地よい環境を見つける天才。春の朗らかな一日、共にベンチで日向ぼっこしている。

神楽殿舞台に桜が積もる

<天王の名の由来となった津島社。春のそよ風が吹く度に、四方を開け放たれた神楽殿に桜の花弁が舞い込む。自然が織りなす演出に感動。これぞ”さくら舞台”である> 天王の名は、津島社の牛頭天王から付けられた。その津島社にも桜は咲く。神楽殿の左右に一本ずつの桜。天王・津島社の神楽殿はがらんどうである。 祭の時だけ開け放たれるといった風ではない。桜も満開時期を終え、花が散る頃には素晴らしい景観を体験出来る。風に舞う桜の花弁が、神楽殿の舞台にヒラヒラと 舞い込んでくる。舞台にひとり立てば、桜と舞いの共演。自分が物語の主人公になった気分を味わえる。”天王・津島社の桜は散り時に”を覚えておいて。

ヘボト自画像ヘボトの「落花枝に帰らず」

穴の中に咲く白い花

「桜の中の白い花」

明和5年(1768)、大浜村の藩主「水野忠友」は現在の羽根町一帯に「大浜陣屋」を構えた。 時代は変わり、明治2年(1869)に大浜陣屋は「菊間藩大浜出張所」と名を変えるが、明治6年(1873)に建物は払い下げられ、明治18年(1885)頃なると、面影もなく姿を消したといわれる。 ただ「記念松」と呼ばれた老松が昭和の中頃まで残っていた。今は「ちびっこ遊園」としてある大浜陣屋跡にも桜が咲く。低く美しい傘を見せる桜のなかで、白い小さな花を抱えた桜を発見。 その桜はかなり年老いた桜で、樹皮が凸凹して根元にいくつか穴か開いている。 穴の中には、白い小さな花。大きく咲き誇る桜の下で、可憐に花を咲かす。 気になるのが栄養の摂取法。親となる桜から栄養分を貰っているのだろうか? 共生か?単なる寄生か?可憐に見える小さな白い花だけれど、 したたかに生きる姿に植物の強さを見る。

< text • photo by heboto >


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