愛知県碧南市 いつか再生する碧南市の商業 「辻通りのいま」を見学に行く

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辻通りのいま

昭和35年(1960)の地図を見てビックリ!かつての賑わい跡を求めて歩く

<昭和35年(1960)の地図を見て愕然!碧南辻から続く道沿いには、店・店・店の表記。辻通りは現代の郊外型ショッピングモールをも凌駕する賑わいが存在した!> 碧南市は近隣の市町村に比べ豊かな財政を持ちながらも、どこか退廃的な雰囲気が漂い、市民の胸には未来へ対する諦め感が蔓延している。 その一因は何か?人の賑わいとなる商業を蔑ろにしてきたことである。 図書館で一冊の地図を見つけた。昭和35年(1960)の碧南市住宅地図だ。その地図のある1ページに驚く。 辻通り沿いは細かく区切され、「~店」の文字がひしめく。碧南辻から権江橋までの区間、全体77軒のうち、9軒のみが一般住宅で残り68軒が全て店舗・事業所。 約89%に達する高い割合は今日の碧南市を考えれば、驚愕の数値である。

<何故これほどまでに廃れてしまったのか…寂しい限りである。辻通りの今を歩く。残された看板にかつての賑わい。商店受難の時代を生き残った店はどこも個性的。「郊外型ショッピングセンター」にはない魅力を模索し、再び盛況を見せるか、辻通り商店街> 現在の辻通りを歩く。いつの時代に閉店したか、打ち寂れた看板が悲愴感を漂わせる。 賑わいも何処…歩く度に寂しい気持ちが増していく。昭和35年の地図にはひしめき合うほどの店も今や住宅・空き地に変わり果て。 それ故に今残っている店は個性的な魅力に満ちた店ばかりである。決して時代の流行に併合することなく、独自の姿勢を貫いてきた。 今やお洒落感さえ漂う昔ながらの履き物屋。1908年(明治41)創業の歴史ある婦人服店。店内を覗けば談義中、マニアの興味惹く無線店。 理容店の浮き上がる髪のディスプレイ。均一化されたフランチャイズ店の笑顔に違和感を覚えたら、是非ともこの辻町商店街を訪れたい。

ヘボト自画像ヘボトの「如是我聞(にょぜがもん)」

在りし日の富田陶器店

「権江橋近くの家屋」

昭和26年(1951)改築の古い橋だというのに、スピードも落とさずに渡り抜けていく車。 碧南辻から東への方向は独立した歩道もないほど、道幅の狭い道路にかかわらず、何かに追いたてられるように自動車運転者たちはアクセルを踏み込む。 忙しない権江橋付近で何か奇妙な事に気付く。道沿いのある古い家屋は、道路の高さより低い位置にあるということだ。 店先にザルを並べるという昔ながらの商いを営む八百屋の建物も屋根に比べて明らかに低い。 2005年まで当地で営業していた「富田陶器店」は半地下となり、階段を降りて店先へと入る面白い構造だった。 道路がかさ上げされる以前の様子を伝える家屋も年々減少していく。味気ない景観となっていくのは仕方がないとはいえ、とても寂しいものである。

< text • photo by heboto >


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