愛知県・碧南市 ”どうじょうやま”の頂きに「道場山商店街」のイルミネーション
<道場山のてっぺんにキラキラと光のタペストリー。優しく手を振るサンタさんに笑顔で答える雪だるまの図。かつて称名寺の道場があったことから「道場山(どうじょうやま)」と名付けられた場所で煌めく> 天王の街から新川へ至る道中、一気に標高が上下する地帯が「道場山」である。 道場山とは、現在、浜尾にある「精界寺」が称名寺の隠居寺としてこの地に存在した故に「道場」「山」と名付けられた地名である。 南から来る快走路が一気に道幅狭くなる場所に「道場山商店街振興組合」の銘あるイルミネーションがある。 風合いある店構えの「釣りエサ屋」隣の空き地に煌めくイルミネーションは平面を基調とした作り。 対角線上にある雪の結晶が順に光り、中央のツリーがゆったりとしたリズムで色彩を変化させる。静止するイルミネーションが多いなか、動きのあるものは珍しい。 巨大な光オブジェの出現に、いつもは飛ばしがちなドライバーもこの季節だけはゆっくりと、この場所を走っていく。
「道場山商店街」の銘あるイルミネーションから新川橋方面へ向かう下り坂の途中にもイルミネーションがある。 民家の壁をよじ登る「サンタクロース」の姿がボンヤリと暗闇に浮かび上がっていた。 天辺には5匹のトナカイが順に点滅して、サンタクロースを見守っているようだ。 サンタクロースは光のローブを手にして、「見つかっちゃった…」といった表情。 どこか宗教画のように物語性を感じさせるイルミネーションだ。 サンタクロースが煙突から入り、プレゼントを置いていく話には元になる伝説がある。 西暦4世紀、東ローマ帝国の小アジア司教であった「聖ニコラウス」が、身売りされる娘の家の煙突に金貨を投げ入れ、窮地を救った。 この話が歴史と共に変化し、現代我々が想像するサンタクロースの姿となった。
< text • photo by heboto >