44.涸沢(その2)(からさわ)(2018.08.13)

 

3回目の北アルプス・テント泊山行は、長男が中3生ということもあり、規模を縮小して涸沢往復としました。その登山二日から帰宅日までです。前半はこちら

 

 

1.起床から撤収

涸沢のテントサイトのゴツゴツ具合は殺生ヒュッテと似たり寄ったり、だったと思いますが、なんといっても四人用を三人で使っていたのが大きく、出っ張った岩は避けて横になることができました。気温は、暑すぎず寒すぎず、でした。私はフリースは着ずに半袖のままでシュラフに入っていたような気がします。私の寝付が極めて悪いのはいつも通りですが、その中ではマシな方だったと思います。

右画像は6:00の吊り尾根方向、ガスってますが、この日としては、これでも一番良く撮れた方です。

朝は、暗いうちからテントの水を払う音が響いていましたが、こちらは今日は横尾経由で徳沢に戻るだけ、徳澤園での夕食の予約に間に合えばいいだけですから(←伏線)、急ぐ必要は全くありません。時刻は失念しましたが、十分明るくなってから始動しました。

朝食はフリーズドライのスープにロングライフのパン、のはずでしたが、シチューを食べた子も居たのかな? 食後のコーヒーまでいただきました。

その朝食の途中から霧雨が降ったり止んだりしていました。特に問題ないと思っていたのですが、撤収にかかる頃には、ちょっとした小雨になってきたので、急いでテントを畳みました。涸沢ヒュッテに寄って、テント札を返して、トイレを済ませた頃には、本降りになってしまいました。

 

 

2.まずは本谷橋まで

全員雨具を上下とも着込んで準備完了したのが、9:19です(右)。あの急な道の、濡れた岩を踏みながら降りるとなると、容易なことではありません。子供達にもしっかり言い聞かせてから歩き始めました。

20分程ゆっくり降りるのでも、雨具上下は余りにも暑く、止みかけたかな、と思えたところで、暑がりの長男と私は雨具の上だけ脱いで半袖一枚になりました。比較的寒がりの家内と次男も、間に着ていたフリースを脱いだようです。

歩行再開後しばらくしてまた小降りが帰って来ましたが、雨具の上を脱いでいた暑がり組は、下だけ雨具のままで歩き続けました。

下からどんどん登ってきますし、上からは足の速い人がどんどんやってます。事故を起こさないことを最優先に、せっせと道を譲りながら、ゆっくり降りていきました。

涸沢ヒュッテが見えるあたりを10時前くらいに通過したと思います。家内と、
  「今上がってくる人は、朝に上高地に入ったのかな」
  「まだ早いんじゃない?」
と話していたら、休憩していた方が、「朝に上高地に入って、4時間でここまで来ました、バテバテですけど」、と声をかけてくれて、しばらく会話が弾みました。

「雨具が暑くて・・・」と言ったら、「このくらいの雨ならこれで十分ですよ、割と安いし軽いし、薄いから暑くないし」と、モンベルのバーサライトの小さなスタッフバッグを見せてくれました。山歩き初期に家内と私で購入したミズノの雨具と比べると、重さは1/3以下です。また物欲がそそられてしまいました。

本谷橋手前の急斜面でもう一度緊張しなおして、本谷橋には11:05に到着(下左)。ここまで大して心肺機能は使っていませんが、滑らないように、と使いまくった神経が心底疲れました。ここで大休止して、前日の行動食の残りやらカロリーメイトやらを口にしました。

本谷橋は、往きでは下の木の橋を渡りました。男3人は帰りもそちらに行ってしまったのですが、家内一人吊り橋の方に向かっています。他に渡ろうとしている人が居なかったのを幸い、早速吊り橋を揺らしに行く良い子達です(上右、11:21)。

 

 

3.徳沢へ

本谷橋までは、子供達も足元に集中していたのでしょう、静かに歩いていました。それが、本谷橋を過ぎて、楽な道になった途端に尻取りを始めようとします。

「そんなに元気が余ってるなら、徳沢まで行って、夕食の岩魚定食を予約して、テント場を確保して来い!」
と、二人まとめて先に行かせました。
(横尾を過ぎてから先に行かした去年より、倍以上離れたところでの解放、となりました。)

・・・この先、徳沢に着くまで画像も無く、従って通過時刻も分からないのです・・・

子供のことは知りませんが、親二人は、横尾から1.3kmの「岩小屋跡」前で雨具を全て脱ぎました。

おそらく子供達は、横尾で1万円札をくずして冷たい飲み物を買い求める、ということはしないだろうから、と親二人も横尾では小休止に留めました。

13:30くらいに徳沢に着いていたような気がするのですが、定かではありません。子供達を見つけましたが、

  「今年は岩魚定食をやってないんだって」

おでん定食の扱いのみあったのですが、それも売り切れで、2年続けて徳澤園の夕食を逃してしまいました。昨年を踏まえて早めに来たつもりだっただけに、精神的ダメージは昨年以上でした。

テント設営後、徳澤ロッジの風呂に入ってから、徳澤園にて、遅い昼食を兼ねたおやつ、家内はビール、男3人はコーヒーに草餅をいただきました。

その間にまた、雨が本降りとなりました。徳澤園で粘ってから、小降りになった隙に走ってテントに戻り、今度は早い夕食です。

一食分を食いっぱぐれたはずなのに、何故か食料はたっぷりあります。各自思い思いのものを選んで作る、のですが、本降りの雨が続いています。全員ステラリッジ4の中に入り、前室にコンロを出して湯を沸かすことにしました(右、17:02)。

火を点けると・・・テント内まで一気に暖かくなります。暑くなる寸前には湯が沸きました。雨中の食事作りの体験が出来た、と思うことにしています。

夜になるまで、降ったり止んだり、だったような気がします。私と次男はいつものようにマットを膨らませていたのですが、長男はマットを膨らませず、そのままシュラフに入ってしまいました(徳沢のキャンプ場は芝生の上なので、気持ちよく横になれます)。

「後で寒くなるからマットを膨らませなさい」と言ったのですが、寝ぼけた生返事を返すだけで言うことを聞かず、そのまま朝までマットなしでしたが、むしろ丁度良かったようです。確かに背中のマットが暖か過ぎたような気もしました。

 

 

7.帰宅日(2017.08.14)

雨は朝には上がりました。
16:30のバス発車時刻まで、どうやって時間をつぶすか、ですが、「明神から徳本峠往復」という案もありました。が、雨にも降られてダレきったところから、やる気を奮い起こし直す、などできるはずもなく、徳沢−上高地間でだらだら過ごすことにしました。

徳澤園に行って、メニューを見て、朝ご飯は無いのね、と草餅を再度いただいているうちに、朝食セットがメニューに現れました。徳澤園に入ったのが早過ぎたようです。

だらだらと撤収して9時半ごろに出発、まずは明神を目指します。

明神館にて男3人がソフトクリームを食してから、梓川の右岸側に行ってみました。穂高神社で合格祈願のお守りは買ったのですが、明神池の方は拝観料を払ってまで見る気が起きませんでした。

そのまま梓川の右岸の自然探勝路を歩いたのですが、これは明神までで引き返すような人が「自然探勝」するための道であり、デカいザックを背負って歩く道ではない、と感じました。

上高地には昼食処が込み合う前の11:30までに着きたい、と自然探勝路をガツガツ歩いて、ほぼその時刻には河童橋に到着、そのすぐ近くでいささか高額な昼食としました。

まだまだ時間はあります。日中の天気は良すぎる位でした。梓川の左岸に戻って、親はベンチでだらだら、子供は河原で時間をつぶしました。次回以降に備えて、小梨平のキャンプ場の外来入浴OKの風呂の場所も確認してきました。

少し早めの15:50に河童橋を出発すると・・・なんと、沢渡駐車場行きのシャトルバス待ちの列の最後尾が河童橋のすぐ近くまで伸びていました(下左)。バスはピストン運転でしょうけれど、一体何時間待ちになったのでしょうか。

バスターミナルに着く頃に、また降りだしたので、名古屋行の乗り場を確認してから、インフォメーションセンターで雨宿りしました。「やまつみ」の大型版みたいな穂高周辺の立体模型(上右、16:09、フラッシュを焚いて却ってわかりにくくなってしまったかも)で、涸沢ヒュッテから横尾尾根越しに見えたのが東天井岳あたりなのを確かめたりしていたのですが、その間に外はバケツをひっくり返したような激しい夕立になりました。沢渡行きバス待ちの人々も為すすべもなく豪雨に打たれていました。

帰りのバスは、何せ8月14日ですから、各所で渋滞に会い、時刻表の21:30より遅れて22:10頃名古屋に着きました。JRに乗って帰宅し、近所のサイゼリヤで遅い夕食としました

 

 

事前の天気予報に反して何度も雨に降られましたが、これは一昨年・昨年が恵まれ過ぎていただけなのでしょう。これはこれでいい経験になりました。
テント1000張りになるという秋の人混みに行くつもりはない、となると、穂高に登る気になるまで涸沢を再訪しないような気はします。
本年の出発前に来年の予定が内定しました。中房温泉で前泊しての、燕岳(泊)−常念岳(泊)−蝶ヶ岳(泊)−上高地、の常念山脈縦走ですが、親の体力が本当に4日間も持つのでしょうか? その際には綿密な食糧計画が必要です。
夜行バスは厳しかったです。もう少し元気に涸沢に着けていたのなら、夜行で新穂高温泉−双六岳−槍ヶ岳(−上高地)というのも次回以降の候補に入ったのですが、夜行明けでは最初の双六岳が登れそうな気がしないので却下です。
(そのコースなら、初日は朝出発のわさび平泊とするしかなさそうです。)

 

 

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