11.御在所岳(ございしょだけ)(2014.05.10)

三ツ瀬明神山をクリアして気が大きくなったところで、奥三河方向の反対方向の三重県に向かえばむしろ近いじゃないの、ということに気がついて、一番有名な御在所岳について調べ始めました。まずは昭文社の「山と高原地図」を購入、ちなみに愛知県の山を調べようとしても、この類の地図が出ていないのです。ネット上には「ロープウェイで往復するのでなければ登山道だから油断するな」的記載が多いのですが、そうでも書かないとサンダル履きで登る人が続出しかねないから強調しているのだろう、と理解することにして、ハシゴも鎖も経験済みだし、一番楽しそうな中道を登って、下りはロープウェイでもいい、という線で検討してみました。

中道登山口はロープウェイ駅より随分高い位置になりますから、登山口周辺に車を置いてロープウェイで下山後登り直す羽目になると辛そうです。ロープウェイ駅の駐車場は有料です。となると、ロープウェイ駅より更に下の無料の蒼滝公共駐車場がトイレもあるし良さそう、と思いました。ただし、リンク先を見ても駐車場までの行き方は分かりますが、駐車場から中道登山道口までどう進めばいいのか分かりません。ネットで大分探して、ようやく一旦ロープウェイ駅に出てから登山口を目指すらしいことが分かりましたので、駐車場はここに決定しました。

朝一番に、連休明けから家族に加わった老犬の散歩を済ませてから、それでも前回並みに早く7時半には出発です。伊勢湾岸道から東名阪自動車道は、帰省の度に渋滞に会っていますが、単なる土曜日の朝まだ十分早い時間帯で、車は少なくないものの四日市ICまで順調に流れて・・と思ったら、ゲートのところで渋滞です。ICから四日市市内に向かうR477の左折は信号が無く、従って車も溜まっていないのですが、御在所岳に向かう右折信号が短すぎてR477自体は混んでいないのに3台ずつくらいしか進めないのです。もう少し信号のタイミングを考えて下さい。

菰野町内でも多少渋滞がありましたが、それでも9時前には到着、駐車場はまだ半分程空いていて楽に停められました。と、先に到着されていた3人組が延々と地図とにらめっこしています。その中のお一人が、意を決したように靴履き替え中の我々のところにやってきて、
「この駐車場は初めてでよく分からないのだけれど、中道登山口にはどう行くか、ご存知ですか」
「いや、私は全くの初めてですけど、とにかく一旦ロープウェイ駅に出るのでいいみたいですよ」

右画像が駐車場の出口の案内看板ですが、「中登山口・表登山口はロープウェイ駅に向かって進め」なり一言欲しいところです。もう少し看板の記載を考えてください。この画像のタイムスタンプ=駐車場出発=が9:03です。


ロープウェイ駅までの道は最初登山道風の階段道で、その後舗装された坂道になり、さらに麓からロープウェイ駅に向かう車道に合流します。ロープウェイのゴンドラも見えてきて、方向に確信が持てるようになります。傾斜はそこそこあります。

ちょっとした駅前広場もあるロープウェイ駅に着きましたが、そこからどう進むのか、再び看板がありません。幸い、登山姿の男性が自信ある足どりで駅の左奥に進んでいくのが見えたので、付いて行くと、右画像の案内看板があり、これでようやくロープウェイ駅から中登山口へ向かう県道577への降り方が分かりました。ロープウェイに乗らない人向けの看板をロープウェイ運営会社に設置させよ、というのは無理な相談ですから、菰野の町役場なり観光協会なりが、公共駐車場にこれ相当の地図を置くか、せめて駐車場紹介のサイトに書いておいて欲しいところです。もう少し案内の仕方を考えてください。この、ロープウェイ駅横看板前のタイムスタンプが9:16です。


少し進んで、県道577に合流するところで、初めて「中道入口」の看板が現れました・・・ここまで辿り着ける人なら、この先に進む方向は分かっているはずと思うのですが。もう少し看板を出す位置を考えてください。
この県道577への合流点手前のタイムスタンプが9:19です。

この先、舗装道路を登っていくのですが、この1.2kmが長いです。子供は「疲れた疲れた」を連発します。登山口まで行ってから休憩しようよ、と励ます横を、他の登山者が次々と抜いていきます。皆さん速いな〜、子供抜きでも到底追いつけないな〜、などと感心していました。

左画像の看板から県道を逸れて山道に入ります。登山口に着いたんでしょ、と子供がへたり込んだので休憩にしましたが、本物の登山口はもう少し進んでR477を越えたところにあります。
 
左画像のタイムスタンプが9:46、右画像の登山口が9:54です。駐車場から51分、これが速いのか遅いのか。実は、昭文社の地図では、(蒼滝公共駐車場からは分かりませんが)バス停から登山口までのコースタイムが1時間になっています。実は我々は全然遅くないのでした。

9:56に登山口から登ろうとしたら、上から下りてくる人が居ます。聞いてみたら、「駐車場に停められなくなると厄介なので6時に登り始めて今降りてきた」とのことです。最初から下の駐車場狙いに決めておいて良かった、と思った次第です。

事前の調査で承知していた通り、登山口からいきなり急登が続きます。後ろからどんどん登山者が追いついてきます。自分達が遅い、という自覚がありましたから、少し幅のあるところで抜いてもらいました。早め多めに休憩も取り進んでいくと・・先に行ってもらったはずの人がぐったり休憩しています。遥か先に行っていたはずの、県道で抜いていった人の顔も見えます。皆様初っ端からオーバーペースだったようです。右画像の分岐点で10:17です。いつの間にか子供が元気になっていました。

10:26にロープウェイをくぐって、10:33に名物の一つ「負ばれ岩」に到着です。かなり離れないと全貌が入らない2枚の岩の間に、子供なら余裕で、大人でも何とか通れる隙間があります。勿論全員通りました。
 
ここで2分ほどゆっくりして、出発しようとした際に、わざわざ苦難の道を進もうとしているご老人が居て、その後に次男がついて行ったので、そのまた後を私がついていきましたが、当のご老人の体が中々持ち上がらず、ちょっとした渋滞でタイムロスしました。次男も私もスイスイ登れる場所だったのですが。

この手前くらいから日の当たる道になります。10:44に標高850mの五合目の看板を通過し、10:50に中登山道最大の名物「地蔵岩」に到着しました。岩の足元まで行っている人が見えたので、子供が早速行こうとします。家内が静止しようとしたのですが、私がいいことにしたものですから、子供(と私)は喜んで岩の下まで行って、風景も満喫したのですが、後で聞いたら家内は気が気ではなかった、のだそうです。更に、「小さい子(うちの子供)も行ってるから」と、他の山ガールがぞろぞろやってきてしまい、引き上げる際のすれ違いに往生しました。我々が多少とも油を注いでしまったかもしれない「調子乗り」はその後もどんどんエスカレートし、少し上がったところから一番いいアングルで取ろうとした写真には全部、岩の上に人物が乗っかっていました。

(左)登山道の一番近いところからは、そんなに格好良くありません。子供達に「火をつけた」男性が岩の手前に居ます。
(右)岩の通路をぴょんぴょん飛んで、さらに地蔵岩の裏に回ろうとする子供二人
 

(左)子供達について行った私が下界を写した画像。霞んでいて伊勢湾がやっと見える程度。
(右)一番有名なアングルですが、オジサンが乗っかっています。この画像で10:56です。
 

少々おかんむりの家内のもとに戻って登山再開、11:02に標高900mの六合目の看板を通過したら、すぐに難所の一つとされるキレットです。

上から見た瞬間はそれなりに緊張しましたが、降り始めてみると掴みどころは十分にあり、さほど困難を感じることなく降りてしまいました。鎖もあるのですが、鎖を持たないほうが簡単でした。三ツ瀬明神山のクサリ場より大分楽なように思います。
右画像は降りきってから振り返ったものです。ここで11:06。

その先も急登が続きますが、元気な次男に長男がかろうじてついて行けるだけで、大人二人はヒーヒー言っていました。1000mの七合目が11:23、1100mの八合目が11:44となっています。


八合目を過ぎてしばらく進んだところが、岩峰の右側を巻いて下りる、中道で一番の難所とされるクサリ場です。しかしこれも三ツ瀬明神山のクサリ場よりは簡単と思いました。こういう登山道そのものはいいのですが、次男が先に行ってしまってから親を待っていたのが絶壁の上だったので、家内が再びおかんむり。
(下)早くこっちに来なさい!と言われてキョトンとしている次男
(右)その次男が座っていた辺りから「難所」を振り返ってみました。アカヤシオがきれいでした。
 

そして、再び大人二人が遅れながらも、ひょっこり山頂エリアの一角、富士見岩に到着です。ここで「登山」は終了、タイムスタンプは12:01、登山口からは2時間5分です。昭文社の地図では、登山口から富士見岩まで(かどうかが不明確ですが)で2時間となっているようなので、地蔵岩で遊んだのを差し引けばコースタイム通りです。

事前に参考にさせてもらった、アルプス挑戦前の練習で同じルートを登られた記録を見ると、一番速くて2時間20分になっています。しかも(我々が登山口まで1時間の舗装路歩きでダメージを受けていたのに対し)、この方々は直接中登山道近くに乗り付けていたにもかかわらず、です。道理で、先に行ってもらったはずの人達を次々抜き返してしまったわけです。ただし三ツ瀬明神山ではそういう事態は一切発生しませんでした。


富士見岩からは、空気が澄んでいれば富士山が見えることもある、らしいですが、名古屋の高層ビルすら視認困難な霞でした。

(下)麓方向、四日市市方向だと思います。
(右)それよりも、右手に見える大黒岩が迫力満点でした。小さくした画像ですが、登っている人影がご覧いただけますでしょうか。
 
その他地蔵岩も見えるので写したりもしたのですが、近くで写した迫力には遠く及びませんでした。


ここからはのんびりしました。山頂方向に進んだところで、スキー場のゲレンデが見えたので、鹿のフン?が無い場所を選んで、弁当にしました。
ここで12:16です。

弁当の後は、ロープウェイ終点から三角点近くまで行けるリフトを横目に見ながら・・・

三角点はあるものの最高峰ではない山頂(左)と、望湖台にある最高峰(右)に行ってきました。
望湖台から琵琶湖は・・・見えてなかったように思います。
 

このあと、山上レストランでコーヒーを飲んだりして、ブラブラとロープウェイ乗り場に向かい、改札通過が13:47、発車が13:55ですから8分だけ待ったようです。ゴンドラからも写真を撮ったのですが、後で見ると大したものはありませんでしたので全部割愛します。下の駅でまたアイスを食してさらにブラブラしてから駐車場まで下りました。この下りは、まあ、楽でした。

2時半に駐車場を出発して、菰野のイオンのあたりでかなり渋滞しましたが、後は順調に走り、3時40分には帰宅しました。山中で元気一杯だった子供達は渋滞をみるより前に寝ていました。

・道幅が狭い割に人が多くて、人口密度は暮れの六甲山以上、ちょっとこれは人多すぎ、です。
・帰りロープウェイの前提で頑張れた、とも言えますが、登りで大人は疲れ果てました。
・地図のコースタイムどおりに歩いているのは後で知った、のはともかく、もはや次男について行けません。
・人が多いので、その次男を制するのもままならず、その挙句に一人で危ないところに行かれてしまった、
 という観点から、家内には再訪は希望しない、と言われてしまいましたが、
 体力のある小学生には楽しい登山路だと思います。
・鈴鹿山脈の三重県側は、奥三河より早く楽にアプローチできる点では断然いいのですが、
 同じような険しい岩場が多いようなので、今後行くとしても慎重にコース選定する必要がありそうです。

 

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