9.発表会でリストを弾くことになりました(2015年発表会出演予定)

 

こちらに書きましたように、これまでは発表会でリストを弾いたことのなかった私が、ひょんなことから初めてリストを披露することになりました。曲目は、「クリスマスツリー」より第12曲「ポーランド風」です。21世紀になるより前からお気に入りだったこの曲には、最近になって色々いきさつがございまして・・・

東京に住む姉の発表会の曲目の相談に何度か乗っていました。しかし従来は「10分前後、途中に切れ目のない曲」という姉の希望があり、リストの曲で勧められるものが余りなく(「結婚」を勧めたことがありますが却下されました)、結局はショパンのバラードやポロネーズ等が選ばれる、というのを繰り返していました。ところが、直近の発表会用に先生から勧められたのがブラームスの作品118の2、プラス、後期ブラームスの別のどれか、だと言うのです。こちらに書きましたように、元アンチブラームスでピアノ独奏曲に関する限り今でも余り好みではない私ですから、「2曲以上弾くのでもいいの? ならリストの”クリスマスツリー”から何曲か選ぶのはいかが? 最後は”ポーランド風”を持ってくるとして、その前に”夕べの鐘”とか”むかし”あたりから1、2曲弾いたら?」と勧めました。「簡単な割りに聞き映えがして、すごくいい曲を教えてもらった」と感謝され、本番では「夕べの鐘」と「ポーランド風」を弾いて、中々評判も良かった、とのことでした。これがいきさつの一つ目。

本年末の発表会に、長男が何を弾くか、と先生と相談する中で、「ベートーベンの”悲愴”第1楽章はいかがですか」と言われました。私としてはこの曲はかなり難しい曲だと思っており、「ポーランド風」の方がまだ簡単で、長男の好みにも合っているような気がする、と考えて、それぞれ長男に弾いて聞かせたところ、予想通り「”ポーランド風”の方がずっと好き」と言います。で、先生に「オクターブ進行さえ弾ければ簡単な曲だと思うんですが」と提案してみましたが、「今の手の大きさでオクターブ進行やらしても練習にならないどころか手を傷めるだけです」と却下されました。(色々候補が上がりましたが最後はドビュッシーのアラベスク1番に決まりました。)
「それなら”ポーランド風”をあなたが弾けばいいじゃない」というのが家内の提案でしたが、姉が弾いたばかりだし、いわくの付いたこの曲を弾くのもなんだかな、ということで、私はバッハ=ラフマニノフの無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番より”プレリュード”を弾くことにしました(まだ先生には言っていませんが)。ここまでがいきさつの二つ目。

ここまでの話と何の関係なく、9月から、家内が次男つながりのママ友にさそわれて、子供に習わせているのと別のピアノ教室の先生にコーラスを教えてもらうことになりました。これが「ポーランド風」になぜか繋がっていくのです・・・

10月12日の発表会でのママさんコーラスには家内は参加しないことにした、のはともかく、
ママ友の内の一人が、私がピアノを弾いていることをお茶の時間の話題に出したようで、先生に「それでしたら是非出演いただきたいわ」と言っていただいた、のがレッスン1回目の9月11日(金)です。9月16日の夜に先生宅にお邪魔してその時に曲目を決める、ということになりました。

既に大体出来ている「プレリュード」を降って湧いたこの機会に出すつもりはなかったので、すぐに曲目を考え始めて、翌12日(土)に色々弾いてみました。自分としては、編曲物でも、サンサーンス=ゴドフスキーの「白鳥」、或いは、バッハ=ラフマニノフの無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番より「ガボット」、なら間に合うかもしれないと考え、それぞれ弾いてみて、「白鳥」を第1候補としました。家内は今回も「ポーランド風」が一押しです。「白鳥」も「ガボット」も、色々な編曲で連弾やら合奏やらに出てきそうな曲なので、既に決まっているプログラムにかぶるかもしれないと思い、「ポーランド風」も第3候補としました。15日まで、文字通り「寸暇を惜しんで」(週末ほぼ恒例のサイト更新もせず)「白鳥」を練習して16日に臨みました。が・・・

4日間の集中練習の成果としてはまずまずの出来で弾けたと思うのですが・・・
他のプログラムとのかぶりは無かったものの、「白鳥」は子供の発表会の大人枠の曲としては地味過ぎだったようです。「スクリアービンを何か弾いてくださいな」と言われて弾いたソナタ4番第2楽章の方が発表会にはいいかも、と言われてしまいました。「ガボット」も途中まで弾きましたが、地味ないし単調に聞こえるようです。そのまた次に弾いた「ポーランド風」で即決となりました。この曲は短い中に変化があって子供が飽きないから発表会にはいいと思っていた、というのが一般人代表の家内の意見でした。なるほど、です。

当面「ポーランド風」と「プレリュード」、その他にはせっかく練習を始めた「白鳥」と、白鳥の一週間前から引き始めていたショパン=ゴドフスキーの練習曲1番(Op10-1の両手同時進行版)を弾くことになりそうです(ここまで15.09.21)。

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本日10月12日、ノーミスには程遠いものの、大過なく本番が終了しました。

この一月弱、少し上に書いたとおりの4曲、全て5分級以下、を練習しておりました。短い曲ばかりなので、回数も稼げます。たまにスケルツォ4番(今弾くと12分を超えるくらい)を弾いてみたりしたら、長さが身に染みました。「ポーランド風」も順調に上達して9月中には暗譜で弾くつもりになっておりました。

が、並行して練習していた「白鳥」「ショパン=ゴドフスキーの練習曲1番」も同時にほぼ覚えてしまった・・・両曲とも楽譜を見ながら弾く余裕が無いので覚え込まざるを得なかったのですが・・・のが、寄る年波で縮小しつつある「新規暗譜容量」を圧迫してしまったようで・・・

暗譜できているはずなのに、それまで一度も詰まったことの無いようなところで記憶が飛ぶ、というのが次々発生しました。本番前日の日曜日に、朝からかなりの回数を重ね、もう大丈夫と思っていた最後の一回で新作の記憶飛び、しかも完全停止で復帰不能まで陥ったのには特に参りました。翌朝一回目、また別の新作の記憶飛びで怪しくなりましたが、停止には至らず、その後は3回続けてすんなり通ったので、それでよしとして本番に臨みました。

本番の出来に対する全般的感想は上に書いたとおりです。細かいところは録音をアップした際に補足しましょう(ここまで15.10.12)。

編集の上先ほどアップロードが完了したこの録音(youtube)を繰り返し聞きながら一週間弱、自分の演奏の感想を書くにはまだ少し早過ぎるかもしれませんが・・・

会場はホールではなくて「リハーサル室」という名前、でも広さも天井の高さもあり、ピアノ教室の発表会としては十分と思いました。楽器はヤマハの2本ペダル、側板の内側も黒塗りなので「Gシリーズ」に属するはず、サイズは5か7か、と思いましたが、後で調べると、G7というのは1967年で終わっており、そこまで古い楽器とは思えなかったので、G5(G5Eの最終生産が1997年)なのでしょうか。ごく普通に良く鳴るヤマハのグランドでした。本番前に楽譜一段分だけ触ってみて、タッチも標準の範囲内、と思っておりました。

本番ではppは出せずとも音抜けはさせまい、と思っていたのですが、冒頭の第2音がいきなり鳴りませんでした。その時だけアクションの機嫌が悪かったようです。それで多少動揺したのは否めません。最初のffで速くなったのが少し残念、この頃には動揺は収まっていたはずですが。

左手が動く2回目のスケツァンドは何かと怪しかった箇所ですが、ここを焦り気味ながら何とか通過して、しかし続くfに入るところで左手を大外し、クラスター状になったので音楽的にはむしろ傷が浅いかもしれません。

続くffは、本人的にも気持ちよく爆音が出ていたのですが、ビデオの録音でダイナミックレンジが圧縮されています。fのところとは音色が違ってきているのは分かるといえば分かる、というところですが、少し残念。続く連続オクターブでは山っ気の出し過ぎで、速くし過ぎて崩れました。D.C.(ad libitium) al Segno を繰り返さなかったのは予定通り、自分の趣味なら繰り返しますが、少々長くなりますので。コーダでは、知らなければ分からないところで右手の最高音を堂々と外しています。最後の連続オクターブでも変な音が少し聞こえます。

以上、本人的には少し不満なのですが、もう少し時間が経てば良い思い出になるのでしょう。

次は12月の本来の発表会で、バッハ=ラフマニノフの無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番より”プレリュード”を弾く予定です。この一週間は、「ポーランド風」練習中の4曲から、「ポーランド風」を落とした3曲=「プレリュード」「白鳥」「ショパン=ゴドフスキーの練習曲1番」=を繰り返し弾いています。
「プレリュード」は、テンポを変えながら色々な風に弾いていて、多分本番でも「ポーランド風」よりは落ち着いて弾けるのではないか、と思っているのですが・・・(ここまで15.10.18)。

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バッハ=ラフマニノフの無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番より”プレリュード” を12月20日の発表会に弾かせてもらうことが本決まりになりました。曲目解説はこちらにお願いしてしまいましょう。

3曲平行練習の状態から、集中練習に移行しつつあります。「白鳥」は暗譜不完全ながら大体弾けちゃった、「練習曲1番」は全部覚えたのですがテンポは全然上げられない、というところで、一見この2曲よりは簡単そうで実はトラップだらけの「プレリュード」の先行きに、大きくは無いですが一抹の不安を覚えなくも無い、というのと、

これで93年に弾いた5曲のうちの「運動系」3曲(残り2曲はスクリアービンの4番とスケ4)を弾かせてもらうことになるのですが、93年時点で選んだ曲は今になっても本当に好きなようで、弾いていて飽きないから幾らでも弾けてしまう、というのもあります。

まずテンポを安定させようとしていて、ゆっくり弾き始めればそのままゆっくりで最後まで行けるようにはなってきました。少し速め、くらいでスタートすると、どうも更に速くなります。メトロノームを付けてみて、速くなる箇所は大体分かってきたのですが、メトロノーム無しでの安定感はまだまだです。(ここまで15.11.14)

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演奏会が来週に迫ってまいりました。

12月20日(日)13:00開演 at 刈谷市産業振興センター小ホール(7F) です。

今回は家族ごと固まって出てくるプログラムなので、ソロ18人(トリは最初に教わった先生の「エオリアン・ハープ」)の中で、次男が11番目で、バルトーク「子供のために」第1集より「豚飼いの踊り」、長男が12番目で、ドビュッシー「アラベスク第1番」、私が13番目、になります。今回は、前回の私の演奏に触発されて、別のお父さんがショパン「別れの曲」に挑戦されたこともあり、「大人枠」を作らないことにしたようです。

「別れの曲」と言えば、ある年代以上の人には「101回目のプロポーズ」でしょう。素人には何をどうやっても手の届かない曲の象徴のように扱われていたこの曲を、小学校5年以来ピアノを練習していなかったお父さんが・・・というと、普通は「無理」なのですが、先週に先生宅でのリハーサルで聞かせていただいた演奏は、想像していたのを遥かに超えるレベルのものでした。
・・・かくいう私は、ずっとピアノを弾いてきた素人の割には大したことないレベル、なんでしょうか。。。

連弾は、子供達二人で、シューベルト「軍隊行進曲第1番」です。大体弾けるはずなのですが、何処でどうなるか予想できない恐ろしさは、これが一番です。子供のソロは、長男は少し前から安定していますし、次男のもようやくまとまってきました。

私は、先週のリハーサルでは先生宅のSK3が浅くて驚いた挙句に随分速く弾いてしまった、その割りには大崩れはしなかった、のですが、もっと絶対音楽志向でテンポ控えめで淡々と弾こう、というつもりになっています。このあたり、ピアノと響きにも影響されてしまいますが。本番は私には初めてのホールになります。(ここまで15.12.12)

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本番終了しました。

今回は会場の録音装置は使わないかも、と思ったので(実際使われませんでした)、ビデオの他に音声レコーダも持参しました。双方の音を聞き比べると、かなり差があるので、youtune にアップした結構苦心してビデオ映像にレコーダの音声を重ねています。次男のソロだけはレコーダの操作に手間取り、頭が切れてしまったので、ビデオ音声のままですが。

リハーサルでもやはり加速してしまったので、抑え目を意識しましたがそれでも普段よりはやや速めになりました。何より、技術的には最大難所群を過ぎたはずの最後の半ページ、最大音量になるところでメロディラインを複数回外したのが残念です。リハーサルの方をアップしようか、と一瞬血迷いましたが、こちらもこちらでアラはあるので、穏当に本番分をアップしました。

まだ時間が経っていないこともあり、本人的にはかなり残念なのですが、本人の技量の限界に対して、△〜○レベルなのだ、と諦めるべきなのでしょう。主観的にも客観的にもスクリアービンの4番の方が難しいと思うのですが、こちらの方が「プレリュード」よりは私には向いた曲だった、ということのようです。加えて、ミスの目立ちやすさの違いでしょうか。

次男のソロ(バルトーク)は最後の方で楽譜と違うことを弾いていますが、知らん顔をして最後まで弾けたので、○です。長男のソロ(ドビュッシー)は、親バカとしては文句なしの◎です。兄弟連弾(軍隊行進曲)も無事故ですから◎をあげられます。

録音しませんでしたが、「別れの曲」のお父さんは文句なしの◎でした。見ようによっては大人で一番の出来だったかもしれません。(ここまで15.12.24)

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昔のピアノ仲間の忘年会で披露しました。

青春18きっぷの旅3 しまなみ海道サイクリング」 の最終日に家族と別れて、一人で夕方に自宅に帰りました。ピアノを弾いてみると、バテバテの為でしょう、笑ってしまうくらいに弾けなくなっていました。その日は極力休養するようにして、しかし翌日もまた朝から青春18きっぷで東京です。ピアノのあるバーでの昔の仲間との忘年会は夕方5時スタート、私を含む3人は始発電車の時間まで徹夜したので、質はともかく、量は沢山弾きました。

「ポーランド風」は仲間が集まりきる前に弾いたので、受け具合は不明ながら、本人的にはまあまあ、約1年前にも弾いたので出し渋っていたバッハ=ラフマニノフの「プレリュード」が、本人的にも良い出来でしたし、一番受けました。1年前よりは随分上手く弾けていたのでしょう。

その他、リストの「クリスマスツリー」から「夕べの鐘」「むかし」(大体弾けた)、スクリアービンのソナタ4番(これは崩壊)、ソナタ10番(まずまず)、ショパンのスケ4(まあまあ)、プレリュード16番(まあまあ且つ意外と受けた)、幻想ポロネーズの後半(3度連続まで弾いたまりんきょ氏=「ボレロ」連弾版のかつての相方=が途中放棄したので続きをよろよろ弾いた)、ゴドフスキー編曲で、ショパンエチュードの第1番(これが家でも東京でも全然弾けなくなっていた)、白鳥(出来も受けもまずまず)、さらに直近の発表会の子供のソロ曲2曲、は弾いた覚えがあります。

途中でドビュッシー大会になりました。そこで、サークルに入って間もない頃に、M氏=「管弦楽のための夜想曲より”祭り”」の楽譜を提供いただく他一番お世話になった先輩=から、「お前はドビュッシーを弾かない方がいい」と言われたのが、ずっとトラウマになっていたんですよぉ、とウン十年ぶりに当のM氏にカミングアウトしたりしていたのでした。勿論M氏が覚えているはずはなく、「お前のピアニズムとドビュッシーが合わないと思ったんだろうな」と言っていました。実際のところ、言われた私も当時から弾きたいドビュッシーは余り無く・・・それ以降に弾きたいと思わなかったのにはトラウマも加わっているかもしれませんが・・・「そうかもしれない」とは思っていたのでした。

で、その場で、私が昔から自分で弾いてみたかった数少ないドビュッシーである「ピアノのために」をリクエストしたのですが、誰も弾いてくれなかったので、今回でトラウマも克服したことにして、第3曲「トッカータ」を年明けから突然練習しています。(ここまで16.01.10)

 

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