![]() | ・・・前回の表情の話、少し端折りすぎてしまったかも。 「キャラを絡ませた時の違和感」についてほとんど回答してないし・・・。 それに表情の話自体もう少し掘り下げたい気もするから。 |
![]() | ・・・ということは 今回は「キャラを絡ませた時の表情」についてですね? 絡ませるって何かアレですよねぇ。 |
![]() | (何がアレなのかしら?) ・・・いえ、今回は「構図の違いによる表情の意味の変化」のさわり程度ね。 ちょっと概念的になってしまうかも。 |
![]() | 「構図の違いによる表情の意味の変化」ですかぁ? 前回は表情を決めるのは眉、目、口の組み合わせだって言ってましたよね? それ以外に表情を決めるものが構図ってことですかぁ? そもそも構図ってなんでしょう? |
![]() | ・・・今回における構図は“人物を下から見た時の「アオリ」と 人物を上から見た時の「俯瞰」の二つを意味するもの”と定義しておくわ。 この「アオリ」「俯瞰」を使い分けることによって 前回話した表情にもう少し複雑な意味合いを持たせることができるの。 ただし、あくまで「アオリ気味」「俯瞰気味」レベルだけど・・・。 |
![]() | スミマセン! 全然分からないです! そもそも「アオリ」や「俯瞰」なんて意識したこともないですよぉ。 |
![]() | ・・・まぁ、実際に例を見てもらいつつ説明した方がいいかも。 まずは前回話した「喜」の表情を例にとってみるわ。 |
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![]() | ・・・ええと。 aが「アオリ気味」、bが「俯瞰気味」ね。 同じ「喜」の表情だけど、 印象が違うように見えないかしら? |
![]() | あっ! 何となくですけど、分かります。 aは誰かに笑いかけているみたいだけど bは自分自身に笑いかけてるみたいな・・・。 ・・・何となくですから、違いますかねぇ? |
![]() | ・・・アナタがそう感じたのなら、それがアナタにとっての真実だと思うわ。 私自身の解釈としては、「喜」の表情の場合 「アオリ気味」であれば、その感情が外に向いていて 「俯瞰気味」であれば、その感情が内面に向いていると捉えているの。 |
![]() | つまり、台詞を当てはめてみるとすると aは「やったじゃん!深沙ちゃん!」って感じで、 bは「やったね、あたし!」って感じですね! |
![]() | (どうして深沙ちゃんなの?) ・・・そうね。 そういう風に台詞を当てはめてみるとニュアンスがつかみやすいかも。 ただこの絵の場合、目を閉じているけど、 目を開いている場合はさらに視線・・・どこを見ているかの違いによって ニュアンスが変化するから色々試してみるのがいいと思うわ。 |
![]() | ・・・キャラがどこを見ているかによって、ニュアンスが変わるんですかぁ? 難しいですね。 やっぱり前回の話にあったみたいに映画とかを観て研究するしかないですねぇ。 |
![]() | ・・・もちろんそれが一番いいのだけど、 一応視線のある例もあるから、少しそれで説明できるかも。 |
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![]() | ・・・軽めの「怒」って感じかな? Aが「アオリ気味」、Bが「俯瞰気味」ね。 どんな風に感じるかしら? |
![]() | どちらもむっとしている感じがしますけど Aが誰かに呆れた視線を投げかけていて、 Bが抗議の視線を投げかけてる・・・ そんな感じがしますねぇ。 |
![]() | ・・・物凄く微妙なニュアンスね。 一応私自身の解釈では、 視線を投げかける対象との精神的な順位の表れというところかしら? 簡単にいえば、対象を上から見ているか下から見ているかでその関係を表現しているってこと。 Aは対象より精神的に優位にいて、Bは対象より精神的に下だけど反感を持っているみたいな。 ある意味アナタの解釈でも合っているのかもね。 |
![]() | なるほどぉ! 台詞を当てはめるなら Aが「もぅ、しっかりしなさいよ!」って感じで Bが「ねぇ、本当に大丈夫なの?」って感じですね! |
![]() | (・・・多分理屈はわかってないだろうけど、ニュアンスは理解してるのかしらね) ただ注意して欲しいのは、 漫画の場合なら、視線の先にいる対象というのは、 例えその先にキャラがいなくても作中のキャラを見ていると理解できるけど、 イラストの場合なら、視線の先にいるのはその絵を見ている人になることが多いから その点を考慮に入れて、描きたいテーマに沿った構図、視線を選択するようにしないとね。 |
![]() | 確かに視線がこちらを向いている絵と画面の奥を見ている絵では、 絵に対するイメージが全然違いますからねぇ。 今回はこんなところですかぁ? |
![]() | ・・・もう一つだけ説明しておくわ。 眉、目、口の組み合わせや構図によって表情の意味が変化することは話したけど、 それらを大きく変化させなくても、表情の持つ意味合いを変えることができる要素があるの。 |
![]() | えっ? まだあるんですかぁ? もう覚えられないですよぉ! |
![]() | ・・・まぁ、今回ただでさえ概念的で分かりにくかったから仕方ないかも。 だからこれからする説明は、頭の片隅に残しておく程度でいいわ。 まずこれを見てくれるかしら? |
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![]() | 多分、「哀」の表情ですよねぇ? 右の方にいくに従って、段々暗い表情になってるような・・・。 |
![]() | ・・・元は全部同じ絵を使用しているのだけどね。 |
![]() | えっ? でも同じ絵にしては、Zなんて髪の毛で目が隠れていて、 感情を押し殺してるみたいな、そんな感じに見えますよ? |
![]() | ・・・Zはまさに漫画的な演出ね。 映画でもライトの具合で同じようなことをする時があるけど。 こんな感じで同じ表情や構図でも、影や演出を変化させることで キャラの内面の微妙な部分を表現できるの。 |
![]() | 奥が深いですねぇ。 何だか難しすぎる気もしますけど・・・。 |
![]() | ・・・最初はここまで考える必要はないわ。 まずは楽しんで描く事が大事だし、その方が上達も早いから。 でもね。見ている人に自分の感じたこと、テーマを伝えようと思った時には ある程度避けられない部分だということだけは覚えておいて。 |
![]() | 分かりました! ・・・多分。 |
![]() | ・・・表情についてはまだまだ掘り下げたい部分があるから ネタが浮かび次第、ちょくちょく説明しようと思うわ。 それじゃあ、また。 |
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