花鶏絵
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<第三十五回 線が太いは何隠す?>

アトリさん、こんにちは〜!
漫画を描く時って鉛筆とシャーペン、どちらを使えばいいんですかぁ?
・・・相変わらずとはいえ、いきなり何?
ええと、この間、有名な漫画雑誌を読んでいたら、
鉛筆で描いたような漫画が載っていたんですよぉ〜。

アタシはいつもシャーペンで描いていたんですけど、
プロの漫画家さんが鉛筆を使っているのなら、
鉛筆の方が漫画に向いてるのかなぁって思いまして。
・・・それ、〆切に間に合わなかった途中原稿よ。

基本的に印刷物として発行する漫画で、インクや墨汁を使わずに主線を描くと
印刷時に反映されないことがあるから、どちらもお薦めしないわ。
ええっ!?
そういう作画手法じゃなかったんですかぁっ!?

でもでも!下描きには鉛筆やシャーペンを使いますよねっ!?
(・・・コピー誌等の場合はそれでも別にいいとは思うけれどね)

・・・まぁ、そうね。
でもどちらにしても最終的に消してしまうものだから
慣れているものであれば、別にどちらでも構わないと思うわ。

・・・それじゃあ、今回はここまで。
・・・って終わっちゃダメですよぉ!?

大体、慣れているものと言ったって
『ボクが一番シャーペンをうまく扱えるんだ・・・!』
なんて分かってるニュータイプの雛形はそんなにいないと思いますよぉ?

下描き (・・・アム○?)
・・・じゃあ実際の作画工程を
並べてみれば、下描きが最終的に
消されてしまうことが分かると思うわ。
といってもフォトショ上での
仮想ペン入れだけど。
確かフォトショイラストの
過去ログにある絵ですね!
これって鉛筆で描いたんですかぁ?
・・・いえ、シャーペンよ。
しかも画面解像度にもよるけれど
実際の下書きはこれより小さいの。
・・・ともかくペン入れね。

ペン入れ あれ?
結構下描きを無視している部分が
ありますね?
・・・やり直し易いデジタルツールだから
バランス見直しの結果を
反映させやすいからかしらね。
え?どういう・・・

下描き消し ・・・後はインクが乾いたら、
下描きを消して、ベタ入れや
トーン貼りってところかしら?
・・・随分やってないけれど。
ってスルーしないで下さいよぉ!
さっきの話だとアナログで
ペン入れする時、下描きが
重要っぽくありませんでしたかぁ?
だとしたら鉛筆かシャーペンかの
違いだって無視できないんじゃ・・・
・・・あっ。
そういえばシャーペンと鉛筆の
違いが出る部分があるわね。

・・・例えば、アナタは下描きを参考に本描きをする場合、
下描きをなぞるようにペン入れをする?
それとも下描きはアタリ程度という風にして、ペン入れをするタイプ?
えっ?
ええとぉ、下描きせずにいきなりペンで描きます!
・・・アナタに聞いた私がバカだったわ。

私がアナログでペン入れしていた頃は、結構下描き線をクリンナップしていたの。
そのため、最初はペンタッチが柔らかくて描き易い鉛筆を使っていたのだけど、
クリンナップの手間を省くためにシャーペンで描く事が多くなったのよ。
・・・え?
あ、あの話が見えないのですけどぉ〜?
・・・鉛筆とシャーペン使用時の違いは何か分かるかしら?
シャーペンは芯が必要で、鉛筆は肥後の守で削らないと使えないってことですかぁ?
(・・・肥後の守ってアナタ、年幾つ?)
・・・まんざら外れてはいないけれど、それが何に繋がるかというと、
シャーペンは使用していても線の太さが変わらないけれど、
鉛筆は使用段階によって線の太さが変わるということ。
・・・それがペン入れとどういう関係があるのかは、例を見せた方が早いかしら?

線の太い下描き1 随分、線が太いですねぇ。
これは鉛筆で描いたという例なんですね?
・・・そうね。
シャーペンで描いた気もするけど。
・・・ともかくこの下描き線を
なぞってみてくれる?
・・・あ、ネタに走らずにね?

線の太い下描き2 ネタに走らないとなると・・・
こんな感じでしょうかぁ?
何か丸顔で幼いですねぇ〜。
・・・素直でいいわね。

・・・確かに外側をなぞった場合はこうなるわね。
でも線が太いということは・・・

線の太い下描き3 あっ!
線が太いから
内側をなぞることもあるわけですねぇ?
さっきと比べると幼い印象が薄いというか・・・
・・・拡大して比較すると、こうなるわ。

線の太い下描き4 う〜ん、こうみると極端に違いますねぇ!
・・・太い線であればあるほど
その振れ幅は大きくなる。
・・・だから、下描き線をなぞるように描く人は
下描きとペン入れ後の印象が異なる
という体験をした事があるはずよ。

つまり、そういうタイプの人の下描きには、線が太くなり易い鉛筆より
線の太さが均一のシャーペンの方がいいということですね!?
・・・そう単純なものでもないけれど、
もし鉛筆とシャーペンのどちらを使用すればいいかを迷っていたら、
ペン入れのタイプから選択してみるのも手かな、とは思うわ。
あれっ?そういえば・・・

アトリさん、こうしちゃったらダメなんですかぁ?

いっそ太く 内側か外側か悩んじゃう位なら
いっそ下描き通りに太くしちゃえ!
って感じですけど・・・ダメです?
・・・あ。
確かに下描きが太い主線主体になるなら、
その持ち味を生かすために
こういう手もあるわね・・・。

・・・うっかりしてたわ。

ええっ〜!?
単なる思いつきだったんですけど、こういうのでもいいんですかぁ!?
・・・アナログでのミリペンやパソコンのパスツールで描いた絵のように
均一線主体の絵にしたいならばあまりお薦めはしないけれど、
つけペンで描く場合は線の強弱を利用して、あえて主線を部分的に太くする場合もあるのよ。
人によっては、ペン入れの後に筆ペンとかでさらに太くすることもある位。
へぇ〜!
でも今回の話は『細い主線でペン入れする時のための左ジャブ』がテーマだったのに、
どうしてわざわざ主線を一部太くしたりするんですか?
(・・・左ジャブ?)
・・・一概にはいえないけれど、
太さに強弱のある主線は生き生きとした力強さを表現しやすいといえるわね。
逆に均一線のみの主線の場合、機械や建築物などの人工的な硬質さの表現に使えると思うわ。
イマイチ後半の話が
♪今〜の〜アタ〜シには 理解でき〜な〜い〜なんですけど、
線の太さって案外あなどれませんねぇ〜!
以前あった『抜き』と『入り』は少し意識してるんですけど、
全体的な線の太さの強弱って意識したことがないですし!
(・・・今じゃなければ理解できるの?)
・・・そうね、確かに線の太さについては
もう少し掘り下げてみても面白いかも。

・・・というわけで次回だったり次回じゃなかったりはその方向で。
予定に振れ幅がありますね・・・。

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