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<第三十二回 我が名は線画ー>

アトリさん、こんにちは〜!
今回は『スキャナーで取り込んだ時の線画のお話』ということなので
アトリさんの昔の絵をあらかじめ取り込んでおいてみました〜!
(・・・自分で描いた絵じゃないのがアナタらしいというかなんというか)
・・・随分と手際がいいのは感心するけれど、
一応今回の話が前回の『はみ出んと見んと』の続きということを
説明しておいた方がいいのじゃないかしら?
あぅ、そうですねぇ。
一連の流れがあるものを途中から読むと、
ファーストを観ずにいきなりZから観たような、
何ともいえない置いてけぼり感が漂っちゃいますもんねぇ〜。

余談ですけどぉ、最近、深夜アニメの1〜2話目を見逃しまくって
そんな置いてけぼり感ばかり感じてますよぉ〜。
(・・・本当に余談ね)
・・・さて、線画の元絵をスキャナーで取り込んだら、
『明るさ・コントラスト』や『レベル補正』を使って
全体的にグレーがかっている絵をモノクロ調に変換させることが肝心ね。
後、取り込んだ状態の絵は、一番最下層の『背景』レイヤーに固定されているから
任意のタイミングで『新規レイヤー化』や『レイヤーの複製』をしておくといいわ。

取り込んだ状態 コントラストを調整すると、色の薄いゴミなら
消し飛んでしまうので便利ですよね!
でもあんまりコントラストを強くし過ぎると
線の強弱もつぶれてしまうので注意です!
・・・って友達が言ってました〜!
(・・・受け売りなのね)
・・・本当はもっと線画をクリンナップするのだけど、
今回はあえてこの状態にしておくわね。

・・・さて、ここで問題。
この後、この絵に色を塗ろうと思うのだけど
どうすればいいかしら?
前回の冒険を経て、成長したアタシの実力を
なめてもらっては困りますよぉ!

そんなの、この線画レイヤーの下に
新たにレイヤーを作って
そこに色を塗れば、バッチリOKです!!
 とりあえず肌色部分を塗り塗り・・・

塗った状態? って塗れてない〜っ!?
どうして?どうして?
あっ、ソフトの故障ですね、きっと!
あわわ、サポートセンター、応答せよ!
・・・落ち着きなさい。
絵にカーソルを合わせると出てくる
線画レイヤーを薄くした絵を見ると
色自体は塗れているのが分かるでしょう?

(注:PC環境によってはカーソルを
合わせても何も表示されないかもしれません)
え〜と、つまり・・・
線画レイヤーの白い部分って透明なわけじゃなくて
ただ白色が塗ってある状態ってことですかぁ?

・・・その通り、やけに察しがいいわね。
つまり線画に色を塗るためには、この白色を何とかしなくてはいけないの。
何とかというと・・・白色だけ消しちゃったりとかですかぁ?
(・・・当てずっぽう?)
・・・確かにそれも選択肢の一つ。
ただし、必ずしもその方法がとれるとは限らないの。

 だから、ここからは取り込んだ絵の状態に合わせた線画処理の説明と
おまけでその場合の彩色方法の簡易説明をしようと思うのだけど。
 さて、何から説明しようかしら?
それでしたら、とりあえずさっきの絵の場合の、
白色を消す方法を教えてください!
・・・確かにそれから説明した方がいいわね。
でも白色を消すことに囚われてるみたいだけど、
一番分かりやすい方法は、白色を消す必要がないの。
 百聞は一見に如かずということで・・・

乗算

あ、あれっ!?
さっきはアレだけの塗りをも突破させなかった白色バリアが
この絵だとあっさりと破られてます!
線画を見ると白色バリアは残ったままなのに・・・。
精神コマンドの『直撃』でも使ってバリアを無効化させたんですかぁ!?
(・・・そういうゲームをプレイ中なのね?)
・・・微妙にニュアンスは近いかしらね?
ただし『直撃』じゃなくて『乗算』なのだけど。
『乗算』?それってどういう効果の精神コマンドなんですかぁ?
「指定した相手より低い自分の能力値が相手の能力値と同じになる」
・・・ってそれだと『同調』みたいですねぇ。
・・・それも微妙にニュアンスが近いかも。
 赤で囲ってある部分を見てもらえれば、
線画レイヤーを『乗算』指定してあるのが分かるわよね?
詳しいメカニズムは説明できないのだけど、
『乗算指定したレイヤーにある色が、その下にある色よりも
明度が低い場合にその色を上乗せする』という感じなの。
『直感』+『覚醒』キュピーン!
つまり・・・線画レイヤーを乗算指定すると、線は黒色に近いから、
下のレイヤーに塗られた肌色や髪の色よりも『暗い』ためにそのまま残っていて
逆に白色の部分は『明るい』から下レイヤーの肌色や髪の色の方が優先されている、
ということですねっ!!
まだアタシのターン!
つまり逆にいえば、線画レイヤーを一番下において
色のレイヤーを上レイヤーにおいて乗算指定しても
白色バリアを無効化できるということですね!?

乗算指定逆パターン

(・・・カンペを見るのが『覚醒』なのかしら?)
・・・その通りよ。
ただしその場合、乗算で影を塗ると想像していた色と異なる色になるから注意してね。
・・・まぁ、それはそれで面白い色調になるけれど。

・・・とにかくこの方法、仮に『乗算法』は、
取り込んだ線画をそのまま利用できるのが特徴ね。
・・・つまり鉛筆などで描いた濃淡のはっきりしていない線画でも
その描き味を残したまま利用できるということ。
・・・ただし取り込む前にある程度クリンナップしておく必要があるけれどね。
・・・それでは、他の方法を説明しようかしら?
仮に『線画抽出法』とでも名付けておくわね。

線画抽出パターン

随分はっきりした線ですけどぉ〜
紙にペン入れしたものなんですかねぇ?
でもこれも『乗算』指定で下に色が塗れるんじゃないですかぁ?
・・・その通りよ。
でもせっかく濃淡のはっきりした線なのだから、
『線以外が透明』な状態にしておいた方が何かと便利なの。

・・・線画の抽出方法は色々あるけれど、
『選択範囲:すべてを選択』→『選択範囲:選択範囲の変更:境界線1〜2』
→『選択範囲:近似色を選択』→『選択範囲:選択範囲を反転』
→新規レイヤーを作り、『編集:塗り潰し:任意色』で線画レイヤー作成
といった流れが無難ね。

線画抽出パターン

無難って言いながら、随分複雑な工程ですけど!?
素直にさっきの『乗算法』にした方がいいんじゃないですかぁ?
というかもう、全部『乗算法』でいいですよぉ!
・・・落ち着きなさい。
この『線画抽出法』とこれから説明する『ペン入れ法』には、
『乗算法』では行いにくい手法がとりやすいという利点があるのよ。

・・・とりあえず『ペン入れ法』というのは紙に描いたラフな絵を
フォトショ上でペン入れするというもの。

ペン入れパターンペン入れパターン

・・・これも面倒そうですねぇ。
先ほど言われたこの二つの方法の利点ってその面倒さを
覆せるほどのものなのでしょうかぁ?
・・・それは保証しないけれど。
まずこの二つは、線の境界がはっきりしているので
前回説明した『選択範囲』による塗り潰しが楽に行えるの。

選択範囲が巧く機能しない ああ、確かに『乗算法』で使ったラフを
前回の『選択範囲』指定しようとしてみると
想像していた部分と違うところまで
選択されてしまいますねぇ。
・・・鉛筆線の柔らかい描き味が
逆に選択範囲を曖昧にしているみたいね。
ですけどぉ、『乗算法』以外は
『選択範囲』が使える分、線画自体を
作るのに手間がかかるじゃないですかぁ。
プラマイ0って感じ、
どころかマイナスみたいな気がしますけど。

・・・使用用途によっては、プラマイプラスに十二分になりうるわ。
この二つは、線画部分以外が透明だから
『透明保護』を使って、主線を近似色に変更するのが簡単なの。
・・・これは『色トレス』という手法だけど『透明保護』以外にも、
線画レイヤーとグループ化した上レイヤーに近似色を塗るという方法もあるわ。

・・・どんな効果があるのかは、実際の例を見てもらうのが一番かな?

近似色
近似色

へぇ〜主線を近似色に変えると柔らかい印象になるんですねぇ。
なんとなく女の子が沢山でてくるゲームで
よく見かけるような見かけないような手法ですよね?
(・・・確かにそんな気も)
・・・これは『線画以外が透明』であることを利用したものだけど、
この『線画以外が透明』かそうでないかは、
むしろ完成した絵を素材として使おうとした時により生きてくるのよ。
完成した絵を素材として・・・?
確かに『写真屋の素』で作成してますしねぇ。
でも具体的にはどういうことなんですかぁ?

素材

(・・・それは関係ないわね)
・・・『線画以外が透明』な状態でキャラのみに彩色していけば
『キャラ以外は透明』な状態になるわよね?
この状態で透過gifで保存しておけば、背景に溶け込んだイラスト素材に出来るの。

 それだけじゃなくて、別々に完成させた絵を一つの絵にする場合にも
『乗算法』で作成したような境界が曖昧な絵では難しいの。

乗算は万能じゃない

あっ!
キャラ以外が透明なアタシとアトリさんの重なりは大丈夫なのに
白色部分がある絵を『乗算』すると重なりの部分がおかしくなってしまいますね!
 『乗算法』も万能なわけではないんですねぇ〜。
・・・そうね。
まとめると取り込んだ線画が淡い感じだった場合は『乗算法』
紙上でペン入れしてある位濃淡がはっきりしていれば『線画抽出法』
ラフを取り込んだ場合は『ペン入れ法』という風に使い分ける必要が
あるのだけど、それ以外にも完成した絵をどういう目的で
使うかによってもベターな方法が変わるということね。
分かりましたぁ〜!
何でもかんでも最強威力の万能武器で反撃して
エネルギーや弾切れにならないように、相手のHPに応じて
反撃武器を変えるようにしますね!
・・・何か思いっきり混ざっている気がするのだけど
オチまでそのネタなの?
・・・ああ、そうそう。そのネタで思い出したのだけど。
話の構成上、さっき説明した『線画抽出法』の方法は複雑だったけれど、
線画が二色のはっきりしたものである場合は、
『消しゴムツール』の一種である『マジック消しゴム』で消したい部分を簡単に消せるわ。
つまり味方識別ありのマップ兵器ってことですね?
そんな簡単な方法があるんじゃないですかぁ〜

・・・って鉛筆で描いた絵に『マジック消しゴム』を使ったら、
ほとんど線画が消えちゃいました〜。
・・・話はちゃんと聞きなさい。
鉛筆で淡く描いたような線がはっきりしていない絵の場合は、
消す色の許容値等の設定を上手くいじらないと線の抜き入りの部分も消えてしまうから気をつけて。
 まずはそれで試して上手くいかなかったら、先の説明の手順を踏んでみるとよいかも?
つまり『クイックセーブ→(攻撃を外す)→ソフトリセット
→セレクトボタン押しっぱなしで再開』ですね?ね?
・・・分かったから、早くクリアなさい。

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