花鶏絵
●花鶏絵メニューへ●



<第十八回 色味の選択を>

【前回までのあらすじ】

アトリさん・・・。
花鶏絵で絵についてのネタを説明したりするその女の人と出会って、
アタシ・設楽深沙の中で何かが変わってきました。
・・・さて、今回は前回フリだけで終わった
P-BBSにおける何ともならない事態について説明するのだったかしらね?
 ちなみに前回の時に書いておくべきだったけど、前回と今回のお話は
基本的に水彩中心で描画した場合に当てはまる話が多いかな?
鉛筆中心の人はマスクや逆マスクの使い方次第でもう少し自由度があるはずだから。
スルーですかぁ?
せっかくプロデューサーが変わる前の恒例アバンを真似たのにぃ・・・。
・・・ごめんなさいね。今回は只でさえ長いから、要領よくいく予定なの。

 早速だけど、例を見てもらおうかしら?
下の絵はL0に背景、L1に字を描いた後L0に結合後数ステップ踏んだもの
・・・要するに「戻る」ではレイヤー結合前には戻れない状態ね。
この段階で字をもう少し背景に透過させた方がしっくりくると思った時、アナタならどうする?

透過前 そんなの簡単ですよ!
え〜と・・・確か(ゴソゴソ)
「低A値の消し四角を薄くするレイヤーに何回かあてる」です!
つまり字の書いてあるレイヤーにこの方法をとれば・・・
・・・あら?レイヤーを透過させる方法は知ってるのね。

それじゃあアナタの言った方法をとってみるわね。

透過ミス あっ、あれっ!?
何で全体的に薄くなってるんですかぁ!?
字だけを薄くしたかったんですよねぇ!?
・・・最初に説明したけれど、
字も背景も同じレイヤーに結合しているからなの。

 つまりレイヤー結合後はある部分だけを薄くしたり、
下の背景を透過させることはできないということね。
だから透過したいパーツをレイヤー結合する時は
その前に試行錯誤して適正な透過度にしておいた方がいいわね。

なるほどぉ。
漫画描いてる時に下書きの鉛筆線を消し忘れて
その上からトーン貼って削りもいれちゃったみたいな事態が
オエビでもあるってことですね?
・・・あってるようなあってないような例えだけど、そんな感じかしら?

 P-BBSは二枚しかレイヤーがないから手前と奥の絵を
頻繁に結合するためにこういう事態が起こりやすいの。
つまりなるべくは手前と奥を別々のレイヤーに描いておいて
本当に必要な時に結合するようにすればいいってことですかぁ?
・・・大まかにいえばそうね。
でも手前と奥の絵が二枚のレイヤーに分離している状態でも
どうしようもならない表現もあるから気をつけて。

「シャドウ」って表現は知ってるかしら?
え〜と(ゴソゴソ)
「L1にある絵をレイヤー間コピーでL0に移して、コピーで位置調節したり
消し四角で薄くしたり直フィルタで色変更したりしてL1にある絵の影をつくる手法」
ですよね?
・・・その通りよ。
下にある例は消し四角後緑で直フィルタをかけたもの。

・・・ところでさっきから何を見てるの?

シャドウ はい!カンペです!!
・・・カンペは堂々と読むものではないと思うけれど。
まぁ、アナタに用語をいちいち説明していたら
いつまでたっても進行しないから
適切な処置かもしれないわね。

このシャドウという表現。
色々と面白いけれど注意しなければならないことがあるの。

シャドウを使う場合に注意すべきこと・・・ですかぁ。
「魔列車戦に入る前までずっと防御させておくとその後は離脱しない」とか
「魔大陸崩壊の時はちゃんとギリギリまで待ってあげる」とかですかぁ?
アタシ、待ち切れずに見捨てちゃったんですよねぇ。
・・・FF6のシャドウじゃなくて。

 まずは下の例をみてもらおうかしら?
これはL1にキャラ。L0に背景がある状態。
この状態でL1にあるキャラのシャドウを作りたいのだけど・・・どうすればいいと思う?

シャドウ前 そんなの簡単ですよぉ!
L1のキャラをレイヤー間コピーして
L0に移せばいいんです!!
・・・あら、そうなの?
早速やってみるわね。

(ちなみに使ってる用語の意味ややり方が
知りたい人はぴくらぼさんを見るか
このサイトの掲示板で質問して下さいね)

シャドウミス あれっ?
何でキャラの周りが白い四角になってるんですかぁ?

あっ、まだシャドウに薄消し四角をあててないんですね?
・・・確かに薄消し四角はあててないけれど。
じゃあ、あててみるわ。

シャドウミス2 えっ、どうして!?
キャラは薄くなったけれど
背景が白で潰されたままですよぉ?
てっきり透けて出てくると思ったのに・・・。
・・・P-BBSはコピー範囲は四角でしか指定できない上に
 L1において透明に見えている部分も
L0では白として表示されてしまうの。
だからL0に絵がある場合、こうなるというわけ。

・・・シャドウを使う場合は最初からそのつもりで
構成を考えておくことが必要ということね。

でも・・・途中で「やっぱりシャドウが使いたいなぁ」
って思うことだってあるじゃないですかぁ?
いくら魔大陸で置き去りにしたからって、何とか使う方法はないんですかぁ?
・・・FFとオエビのシャドウが混ざってる気がするけど。

まるっきり方法がないというわけでもないわ。
 ただし応急処置的だからどうしても粗が出てしまうけれど。
・・・下の例を見てくれるかしら?

角取りコピー あっ!一応シャドウっぽくなってますねぇ!
 キャラの位置が中心からずれているのと
背景が一部変になってるのが気になりますけど。
・・・これはL0にA値1で角取りコピーを行ったものなの。
アナタがいうようにおかしい点が多々あるし、
背景を透過したりシャドウのみに直フィルタを
使えないのが欠点ね。

・・・あくまで応急処置だからなるべく使わない方がいいけど
こういう方法もあるということだけは知っておいて損はないわ。

・・・さて、ここまでが前回の引きに話した「何ともならない事態」について。
 そして、ここからが今回のお話。
【意外に意識していない部分の配色による印象の違い】について・・・ね。
まぁ、焦らしても仕方がないので「テーマを意識した肌の影色」についてといったところかしら?

例によってまず下の絵を見てくれるかしら?

肌塗り前 「雪の降る夜にマフラーを着けた
眼鏡っ娘が本みたいなのを抱えてる」絵でしょうか?
服には影があるのに肌に影がないのが変な感じですねぇ。
・・・これからその肌の影を色々変えて
その印象変化を見てみるわね。

まずはオーソドックスに肌色の明度を下げたもの。
少しセピアっぽい色ね。

オーソドックス

オーソドックスアップ
ああ、何だか普通っぽい肌の影色ですねぇ。
可もなく不可もなく・・・と言った感じです!
・・・絵柄の問題もあるけれど
一般的にはセピア系列の影色の方が人の影っぽいと思うの。

ただ今回の場合は状況を反映しているとは言い難いから
「寒さ」と「夜」を反映した色にしてみるわ。
「寒さ」と「夜」を反映した色?
色でそんなこと、表現できるんですかぁ?

紫系

紫系アップ
あっ!
確かに寒そう!
というか夜っぽい影ですね!!
・・・本当は全体を蒼か紫系のフィルタ処理をすると
もっとそれらしく見えるのだけど。
ポイントは背景というか環境光と同系色ということね。

・・・これが多分、状況を考えると正解に近いと思うのだけど
「絵」は自分の表現したいものをいかに顕すかだから、
そのためには現実的にありえない色を用いてもいいと思うの。
・・・この色だと女の子が寒そうに見えてしまうけれど
周りは寒いけれど女の子は暖かいということを
表現したい時は思い切って、影色を暖色系
・・・この場合は赤みを増したモノを使ってみるのも手かしら?

赤系

赤系アップ
あっ!確かに暖かそうですねぇ!!

それと気のせいかもしれませんけど、
何だか女の子の肌がさっきより柔らかそうというか
女の子らしさが上がってる気がしますけどぉ?
・・・面白い解釈ね。
今回赤みを加えたのは寒さの中での暖かみを表現するためだけど
普段影色に赤みを加えると女の子っぽさが増すのは確かね。
 女の子が売りの絵を見てみると太ももや二の腕の部分に
赤系の影を効果的に用いていたりするから。

逆にさっきの蒼や紫系の影だとクール、
もしくは病的な印象を与えられるかしらね?
なるほどぉ。
肌の影色が違うだけでも
結構受ける印象が変わるものなんですねぇ。

・・・そうね。
大体ベース色の明度を下げたものを影として用いることが多いけれど、
そのキャラをどう見せたいか、その絵にどういうテーマを込めたいか
ということを考えて影色を選定するのも面白いと思うの。
・・・今回例には使わなかったけれど緑系の影はかなり病的に見えて面白かったし。
時にはそういう思い切った配色をしてみるのもいいのじゃないかしら?
はいっ!!
これからはじゃんじゃん変な色で影をつけてみます!!
(・・・アナタの場合、普段から変な色使ってそうだけど)
今回、かなり早足だったり用語解説を端折ったりしているから
何か知りたいことがあったら掲示板などに書き込んでくれるといいかも。
そうですよねぇ。
元々それ用に設置したはずですし、花鶏絵の入り口にも
「こんな話が聞きたいというのがあれば掲示板に書き込んでみて」
って書いてありますからね。

でも普段、中の人の簡易ブログになっちゃってますけどぉ。
・・・中の人についてはいいから。
ともかくそれじゃあ、また。
したらな!
・・・LOMのたまねぎ剣士のドゥエルくん?

←前へ  ▲上へ  ⇒次へ


他のページへ
topへ 野球へ ネタコラムへ ゲームへ

Copyright (c) えむ・けぇ allright reserved.

当ページ内における作品名・団体名およびそれらの名称は実在のものとは関係がありません。