アトリさん! 今回は珍しくリクエストがありましたよぉ! | |
(・・・ホントに珍しく、ね) ・・・あら、どういうリクエストかしら? | |
「オエビの描き方、手順について」だそうです! アタシもオエビってよく分からないので教えて欲しいです! どういう風に書けばいいんですかぁ? | |
・・・そうね。 ではこのサイトを紹介するわね。 「ぴくらぼ」さ・・・ | |
・・・えっ、ちょっとアトリさんっ!? それはちょっとマズいですよぉ!! | |
あら、どうして? | |
だってそれじゃあ普通のオエビで質問した時の返答と変わらないですよぉ; アトリさんなりのお話とかをしないと・・・やっぱりマズいんじゃないですかぁ? | |
・・・とはいっても描き方は人それぞれ。 それは結局自習自得するしかないと思うのだけど。 ・・・でも、少しは話せるようなモノがあるかも。 そうね。ただししぃペインターやpooについては触れずにP-BBSのみ限定するけど。 | |
え?どうしてP-BBSに限定するんですかぁ? 中の人がP-BBSばっかり使ってるからですかぁ? | |
(・・・それは無関係でもないけれどね) ・・・P-BBSはしぃペインターやpooと異なり、二枚のレイヤーをいかに使うかがポイントだから。 そこに少し説明の余地があるかなと思って。 それにP-BBSをしっかり使えれば、後は応用だから。 ・・・ちなみにオエビの種類については既知のものとして話を進めるわね。 | |
え〜と、つまり二枚しかないレイヤーを上手く使えれば レイヤー枚数が増えても何とかなる・・・ってことですかぁ? | |
・・・そんな感じかしら? P-BBSでの絵は、大別すると A「キャラと背景が一体化した描き方≒風景画」と B「キャラと背景が区別された描き方」の二パターンになると思うの。 この二パターンにおけるレイヤーの使用順序のコツみたいなのを少し説明しようかと思って。 ・・・実際に例を見てもらった方がいいわね。左がA、右がBね。 |
A | B |
え〜と・・・Bの方はキャラの主線がはっきりしているとか そもそもAはキャラですらないとか、そういう違いですかぁ? | |
・・・いえ、その部分は瑣末なことよ。 要するに「何を表現したいか」による違いといえば、いいかしら? Aの描き方は「世界」を表現しやすく、Bは「キャラ」を表現しやすい ・・・そう簡単なものでもないけど。 | |
何となくわかります! ジャンル系のオエビだとBっぽいのが主流ですよね! 何となくキャラ>背景っていう印象を受けるんですけど、 それは、その作品のキャラを表現したいからなんですねぇ。 | |
・・・そうね。 それにその場合は既存の作品に則っているため 世界観を説明する必要性があまりないから、というのもあるかも。 ともかくA、Bどちらを選択するかは表現する側次第だけど 少し描き方・・・というより二枚のレイヤーの使い方に違いがあるの。 | |
二枚のレイヤーの使い方ですかぁ・・・。 アタシ、いつも一枚しか使ってないですね; いちおう、鉛筆線をマスクして描いてはいるんですけどぉ。 | |
(・・・あら、一応マスクは使えるのね) 別に一枚しかレイヤーを使わないのがいけないわけではないから。 複雑な構成の絵を「描き易く」するためには 二枚のレイヤーを駆使した方が楽ってだけよ。 | |
え〜と、先ほどの話ですと A、Bの描き方で二枚のレイヤーの使い方に違いがあるんでしたよねぇ? レイヤーの使い方ってイマイチよくわからないんですけどぉ? いちおう、レイヤー0が下にあって レイヤー1が上にあることぐらいはわかるんですけど・・・。 | |
・・・早い話が「上下各レイヤーの役割」を意識することね。 現在描こうとしている表現が 上下どちらのレイヤーをどう使えば可能かを把握するということだけど。 そして、A、Bの描き方において共通して意識する点と 異なる点を把握しておくと少し描き易くなると思うの。 口では分かりにくいでしょうから、実際にA、Bを描いた過程を比較してみようかしら? ・・・ちなみにL1が上のレイヤー、L0が下のレイヤーの略語だから。 |
L0に空を描く |
L1に円Tの月をぼかす。 L0で行うと周囲の 色にも影響が出るため |
L1の月をL0に結合し、 L1に崖を描く |
L1に狼や木等小物を追加。 水彩のアンチエイリアスで 周囲にぼかしができる |
L1をL0に結合。L1に暗雲 追加。L1に縁が逆光状に なるように瘴気を追加。 |
L0に鉛筆でラフを描く 薄消し四角で薄くする |
L1でラフから線を拾う。 主線情報を右クリックで 一時保存しておくと楽。 L0を消し四角で消去 |
L0でパーツ毎に鉛筆ベタ 塗り後水彩で彩色。 キャラ側にある背景も この時点で描いておく |
L1に結合後、L0を塗り潰し L1のはみ出しをチェック 修正後、L0に消し四角 |
L0に背景を描画。L1をL0に 結合後、L1に羽根を描画 薄消しで調整後キャラに かかる部分を薄消し消去 |
じょ・・・情報量が多すぎですよぉ!? アタシの頭ではA、Bの比較以前に何がなにやら・・・; | |
・・・ごめんなさい。 私もこんなに情報量が多くなるとは思わなかったわ。 そうね。 ともかくA、Bについて気付いたことを簡単でいいから挙げてもらえるかしら? | |
え〜とぉ。 Aは奥の背景から手前の順に描いていて、 Bは先に手前のキャラを描いてから背景を描いていますよね? | |
・・・その通りよ。珍しくこちらの期待通りの答えね。 P-BBSは二枚しかレイヤーがないから 手前と奥を意識して使わないと修正が大変なの。 基本的には手前のものの追加は幾等でもできるけど 奥のものは予め意識して描いておかないと追加が難しいかしらね? だからAの場合、奥から描いて 手前の絵(L1)を随時奥(L0)に結合していっているの。 | |
あれ? ですけど、Bだと手前のキャラを描いてから奥の背景を描いてますよね? 先ほど仰ったように、基本的には奥のものの追加は修正が大変なんじゃないんですかぁ? | |
(・・・あら、ちゃんと聞いてたのね) そうね。基本的には。 でも「発想を逆転させる」のよ。 手前(L1)に随時奥の絵(L0)を結合していけば 奥のものの追加・修正は難しくないということにならないかしら? | |
あっ、なるほどっ!! Aだと奥に絵を結合させていって、 Bだと手前に絵を結合させていくってことですね!! | |
・・・実際はその時追加しようとする要素に応じて それを使い分けるのだけど、まぁそんな認識でもいいかも。 ・・・ただ「世界」を表現しやすいAの描き方が広がりを感じる奥側(L0)に要素を集約して 「キャラ」を表現しやすいBの描き方が表現すべき方向である手前側(L1)に要素を集約するのは 何となく哲学的にも理に適っているような気がするの。 ・・・完全に余談だけどね。 | |
その辺の話はよくわからないですけど。 そういえばBの描き方で手前を描いてしまった後、 奥側にものを追加したくなったらどうすればいいんですかぁ? | |
・・・いい質問ね。 その場合は手前(L1)に追加したい奥の絵を描いて、 本来手前に来るべき絵で見えないはずの部分を消せばいいのよ。 ただ手間がかかったり境界が少し不自然になるから、なるべくそうしなくて済むように 構成やレイヤーの使用順序を予め組み上げておくとよいかしら? | |
なるほどぉ。 意外となんとかなるんですね。 | |
・・・そうね。 逆にいえば何ともならない事態を知っておいた方がいいともいえるけれど。 特にレイヤー結合後はそういう事態が発生しやすいから。 ・・・どうしようかしら。 本当は意外に意識していない部分の配色による印象の違い等も説明する予定だったけど 今回は予想より長くなったので次回にそちらと併せて、ということでいいかしら? | |
気になる終わり方をするなんて アトリさんも罪つくりですねぇ。 | |
・・・なるべく早く次回を作成することにするわ。 | |
本当はオエビの描き方を説明するつもりがなかったアトリさん。 でもレイヤーの使い方の比較というネタが その心を動かす事になるのでした。 次回、花鶏絵『色味の選択を』、見てください! | |
(・・・Vガソダムのシャク○ィ?でもタイトルはエ○ァ?) |
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