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■シャープXV-100Zの頃

1985年頃〜1992年

 実は学生時代(もう20年近くも前…)、映画研究会なんてのに参加してまして、結構大画面リ映像は身近だったんです。特撮映画やらアニメ映画を撮っていたりして。家の白い壁なんかに映写機で大写しすると、それはもう、当時の平均的なテレビ画面14インチから比べると、超ド迫力の大画面。今思うとこれが私のホームシアター原体験なんではないかなあと。その頃は映画館も足しげく通っていて、映画が好きな時に自由に観られたらいいなあ、と漫然と憧れていたような気がします。当時はビデオデッキやレーザーディスクがようやく普及し出した黎明期。29インチのソニープロフィールも現れて、時代もオーディオビジュアル時代の胎動が聞こえ出した頃かなあ。でもその後は、8ミリは衰退の一途、玄光社の「小型映画」も廃刊となり、「ビデオサロン」が立ち上がってきた、あの時期です。

 ある日、何気なく本屋で立ち読みしていると、「月間HiVi別冊HOME THEATRE」なる本を見つけました。そこには自宅に展開される様々なホームシアターの実例が掲載されていました。そんな中に今でもよく見かける「6畳間で大画面」みたいな特集があって、なぜだかこれだ!と感化された私は、ホームシアターについていろいろ調べ始めました。当時独身寮に住んでいた私は、押し入れスペースを含めて5畳というスペースでの可能性に思いを巡らしていました。

 その頃、ちょくちょく立ち寄っていた、名古屋大須アメ横のマルゼン無線さんで、中古の液晶プロジェクタがデモ&特価販売しているのに遭遇してしまいました。それはシャープが出していた数世代前の液晶プロジェクタ、XV-100Z。中古とはいえ、清水の舞台から飛び降りる以上に勇気の要る価格。結局数週間悩みに悩み、なけなしのボーナスを叩いて、梱包のダンボールを抱えて寮に戻っていましたっけ。

 いよいよ大画面の投影。しかし、投射するにはスクリーンが必要なことに気づくのにそう時間はかかりませんでした。しばらくは壁に白紙を貼って急場をしのぐことにしましたが、その「しばらく」はかなりの期間続きました。

 画面は投射距離の関係で60インチほど。9万画素で、ドットマトリクスは目立ちます。最新機種とは比べるまでもありませんが、壁一面に投射しての迫力は絶大。すっかりハマりこんでしまいました。ビデオ、LDで映画、スーファミの格闘ゲームをを楽んでいました。音声は当初手持ちの純オーディオアンプで2ステレオ出力していましたが、後にケンウッドAVアンプ、KAV-7500を購入、スピーカーにLBLのCONTROL1で4chを組んでいました。

 


 その後、寮から社宅に移り、XV-100Zを時々設置しては、簡易スクリーンで映画を楽しんでいましたが、液晶も劣化して、映像が鑑賞に堪えづらくなり、毎回設置のわずらわしさも手伝って、次第に使用回数は減っていってしまいました。大画面で映画を見たいという動機があっても、その度に機材を取り出して設置、調整して…の作業は、できれば避けたいものです(私が面倒くさがり、っていう理由が大)。XV-100Zは修理もままならない状況でお蔵入り。最近、Y!オークションにて適価で巣立っていきましたとさ。

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