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 X68000 XVI専用内蔵6Mバイトメモリ [ XM-6BE6AP ]

XVI用メモリの設計を見直し、新たに製作しました
2Mバイトモジュールは使わず、最初から6Mバイト搭載してます
今回の設計仕様からメモリチップ選定の自由度が増し、結果的に容量の大きいDRAMを使うことでメモリチップの数も4分の1にでき、基板にかなりの空きができてしまいました

メモリチップ数が減ることで、若干ですが省電力なエコ仕様になってます



この6M増設RAM ボード(XM-6BE6AP)は
X68000XVI/HD(CZ-634C/CZ-644C)
の内部メモリスロットに増設する拡張RAM ボードです
標準メモリ+内部スロットメモリMAXの最大8Mバイトまでの領域が使用可能になります
*標準+内部スロットメモリの最大増設容量は8Mバイトで、本体後面の拡張スロット用メモリを併用することによりX680x0で使用できる最大容量の12Mバイトまで拡張可能です

IPL-ROMソケット(PLCCタイプ)を用意してあるので、改変したIPL-ROMなどを書き込んだFlashROMやEP-ROMから起動させることが可能です
実験的に、ジャンパスイッチでXVIに取り付けたままFlashROMの書き換え(/WE 信号を有効)ができるように設計してあります
*回路的には書き換え機能は動くはずですが、現状では書き込みソフトが無く実験もしていないため、実際に書き込めるか判りません
動作すれば限定的ですが簡易ROMライタとしても使えるかもしれません

クロックアップ(25MHz)して動作することを確認しております(当然SHARP非公認)が、魔改造された本体など、あらゆる環境でテストしたわけではないので、確実に動くとは断言できません
*改造を推奨するわけではありませんので、弄る際は自己責任でお願いします

基板裏のショート対策
このメモリボードで使用しているコネクタは純正と違い、高さの低いコネクタを加工して代用しています
*純正コネクタの型番は判ってるのですが、既に生産中止品で簡単に入手できないのです・・・過去取引した某商社さんにお願いすればもしかすると?な感はありますが、金額的に却下な可能性大です
以前製作したボードでは本体のシールド板とのショート保護用にPET板を貼り付けていましたが、通常使用で接触することは無いと判断し、簡易的にゴム足を付けるのみに変更しました

本体との固定金具はありません(ボード上に穴は設置)が、通常使用で抜けることはないと思います
引越しや発送など、過度な振動が起こりえる&起きた際には外れる可能性は十分考えられますのでご注意ください


【おまけ機能】

外部IPL-ROM
シャープ純正のRAM ボード(CZ-6BE2A)にはDIPタイプのEP-ROM(8bit×2)を搭載できるようになっていますが、XM-6BE6APではPLCCタイプのFlashROMやEP-ROM(ソケット1つにつき最大512Kバイト、8bit仕様JEDEC標準のピン配列)が使用できるようになっています
X68000 XVIのIPL-ROMサイズは128Kバイト(EVEN、ODD各64Kバイト)なのですが、SUPER以降はSCSI対応したことにより別途SCSI-ROM(8Kバイト)というものが存在します。このSCSI-ROMは無償公開されていないので、外部IPL-ROMで内蔵SCSI ポートを使用する場合は実機から自分で抽出して用意する必要があります
*SCSI-ROMが無くても外部IPL-ROMから起動させることは可能ですが、その場合は内蔵SCSIポートが機能しませんので、1つのROMデータとして実質256バイト(EVEN、ODD各128Kバイト)の領域を使用します
512KバイトのFlashROM×2個ならIPL-ROMを最大4個分記憶でき、ジャンパスイッチにより使用するROM領域を設定できます

使用できるROMの参考
左から、
M27C1001(1Mビット=128KバイトのEP-ROM)
EN29F002T(2Mビット=256KバイトのFlashROM)
AM29F040B(4Mビット=512KバイトのFlashROM)



/WE
実験的に設置した、FlashROM書き換え用
現状ではソフトが無くX68000上で書き換えができない為、外部IPL-ROMを使用する場合は市販のROMライタなどで書き込む必要があります

右側:書き込み無効(デフォルト
左側:書き込み有効
*EP-ROMを使用する際には全く使わない機能なので、常に右側ショートにしておくこと



BANKSEL
外部IPL-ROM用のバンクセレクタ
この2本のアドレスバスをそれぞれGNDかVccへ繋ぐことにより、使用するROM領域を選択できます
XVIのIPL-ROMは128Kバイトなので、256KバイトのFlashROM(EN29F002T等)を使った場合は2個、512KバイトのFlashROM(AM29F040B等)なら4個分記憶できます
*512KバイトのEP-ROM(27C4001等)を使用する場合、A18とVPP(FlashROMでは/WE相当)のピン配列が逆なので、仕様上256Kバイト(2個分)としてしか使用できません

128KバイトのROMはA16までなので、A17/A18共にVcc(右側)固定

256KバイトのROMを使った場合(左側がGND、右側がVcc)

A17
BANK1
Vcc
BANK0
GND
*A18は右側(Vcc)固定

512KバイトのFlashROMを使った場合(左側がGND、右側がVcc)

A17
A18
BANK3
Vcc
Vcc
BANK2
GND
Vcc
BANK1
Vcc
GND
BANK0
GND
GND


ブートできるIPL-ROMを作る(ビルドする)例

XVI、CompactXVI でXEiJのIPL-ROM 1.6を使う



ROMSEL
外部⇔内部IPL-ROMセレクタ
右側:本体IPL-ROMでブート(デフォルト
左側:外部IPL-ROMでブート



・クロックアップ回路
*改造を推奨するわけではありませんので、弄る際は自己責任でお願いします

基板に空きがあるので回路載せましたが、現在では既にXVIをクロックアップして使っている方も多数おられると思われますし、敢えてこの回路を使う必要はありません
回路は昔から知られている、セレクタICを使って元から付いてるオシレータと新たに取り付けるオシレータをスイッチで切り替える方式です
XVI のシステムクロックはオシレーターを2分周した値で動くので、24MHz動かしたい場合は48MHzのオシレータを使うことになります
*個体差により24MHzでも正常に動かないものや、逆に25MHzでも動く本体があったりします
この基板には抵抗とソケットを最初から取り付けてあるので、ユーザーがはんだ付けする必要はありません
オシレータとセレクタIC、必要であればLEDを用意するだけです
クロックスイッチは初期状態ではジャンパが刺さっていますが、本体外部で切り替えたい場合は別途スイッチを付けたケーブルを製作する必要があります

オシレータの参考
長方形、正方形どちらでも使用可能です
オシレータは5V動作のものを使用してください
*最近は3Vのオシレータも増えてますので購入の際には注意してください
24MHzが安定動作する上限と思ったほうがよさそうですが、状況によって下げたり上げたり・・・自己責任で

ロジックIC各種
動作中に切り替えることも可能ですが、静止中に切り替えるのであれば速度は関係ないのでどのシリーズでもよいです
簡単に手に入るHCで問題ないでしょう


オシレータ&ロジックICの向きを間違えないように
正方形のオシレータは写真のように尻合わせで取り付けてください



・CLKSW&LED
動作クロックセレクタ
右側:標準クロック動作(16MHz)
左側:外部クロック動作(20~25MHz)

LEDは左側がアノード(+側)です
CLKSWを外部クロック使用(左側)で点灯します
*LEDは16MHz⇔外部クロックの切り替え識別用で、本体を10MHz起動でジャンパを外部クロック側の場合でも点灯します



・CLKIO


XVIの16MHzで使用される33.33MHzのオシレータの横にあるフェライトビーズ「FB41」をカットし、上の写真では右側をINへ、左側をOUTへ繋ぎます
配線は極力短く、70mm~80mmぐらいで

クロックアップには当然ながらXVI本体を改造することになるので、自信の無い人はあきらめるか、知識のある方にお願いしましょう
動作確認のために一通りパーツを載せて正常に動くことを確認していますが、他者が改造によりXVI本体やRAMボードを壊したりしても一切の責任は負いませんので、自己責任での対応をお願いします


【本体の分解について】
本体の分解方法がわからない方は少ないと思いますが、ネット検索していただくか、SHARPの電子書籍ストア(COCORO BOOKS)にあるサービスマニュアルが参考になると思います
書籍ストアでしたら無料で公開されていますので、ブラウザ上から読むことも可能です
サービスマニュアル X68000 CZ-634C/CZ-644C


対応機種:
XVI/HD - CZ-634C/644C



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c 2016, えくしみえむ Last updated 2023/09/18