Home > Old Cactus > 温室増設奮闘記 > ロケットストーブ試作(2013/02/18)
ロケットストーブを試作してみました。
写真は側面の板を取付ける前に撮影した内部の様子です。
一般には、外側容器は一斗缶やオイル缶(ペール缶)を利用して作られていますが、簡単に入手できなかったため、
今回はケイカル板(注1)をアルミアングル材で接続・組立しました。
燃焼室部分は定番のステンレス煙突部品(φ106系)を組み合わせました。(近所のホームセンターで購入)
写真には写っていませんが、外側容器(ケイカル板)と燃焼室(煙突部品)の隙間には断熱用にパーライトの粒を充填します。
パーライトは計算した容積より多目に必要でした。 手元にあった使いかけのものも足して、やっと一杯になりました。
ケイカル板は鋸で簡単に切れますが、角が欠け易いので、組み立てるまでは丁寧に扱う必要があります。
今回の特徴としては、燃焼状態(後述)を少しでも良くするために、煙突部分を長めにしてみました。
(注1)珪酸カルシューム板:耐熱性が有り加工し易い板材
燃焼試験してみました。
焚口から焚き付けを入れて細い枝を乗せて点火すると燃え出しますが、この時点ではまだ焚口から白い煙が上がります。
燃えている部分を奥の方の煙突部分の下に押込むと、煙は煙突から吸い出される様になります。
さらに燃えやすい小枝を加えて行くとだんだん煙突部分が加熱されて、煙が煙突内部で燃焼して外に出なくなります。
写真は燃焼が良好で、ほとんど煙が出ないで燃えている状態です。
写真は燃焼が良好で、ほとんど煙が出ないで燃えている状態の焚口です。
焚口は上向きですが炎は下へ吸い込まれて行きます。
同じく煙突内部の様子です。
出口付近しか写っていませんが、煙突内部で煙が燃えている様子です。
(見難いかも知れませんが、これ以上覗き込むと髪やカメラが燃えそうでした)
燃焼試験後の、灰取出口(焚口の側面)付近です。
ステンレス排気筒は、かなり高温になりますのでケイカル板が変色しています。
上部にヒビが入ってしまいました。
この後、何回か燃焼試験、兼暖を取るため焚いている内に下側にもヒビが入りました。
しかし四隅のネシで固定されているので、今の所バラバラにはなっていません。
同様に上部の煙突周りのパーライトを押さえる蓋部分も変色しヒビが入りました。
焚口周りは、温度が低いのか変色は有りません。
燃焼試験の結果と感想 第一作にしては、良好な燃焼状態が得られたと思います。
良い燃焼状態を得るためには、
(1)必ず薪が炎を上げて燃える状態にする事 (この炎が煙突内部で煙を燃やし、外部に煙が出なくなります)
(2)燃やす薪を適量に保つ事 (多すぎると煙が煙突内で燃え切らず黒煙が出る、少ないと炎が消え易く消えると白煙が出る)
煙突部分が長ければより多くの燃料を燃やし、熱量を大きく出来ると思われます。
良い燃焼状態を得るための薪の適量の範囲があり、煙突の長さが長いほど適量の範囲が広い様に思います。
早く良い燃焼状態にするには
奥の方の煙突部分の下で焚き付けを燃やし、煙突内に上昇気流を作り焚口から空気を取込む。
良く燃える燃料を使い煙(白煙)の発生を抑えながら、速く煙突内部の温度を上昇させる。
オキ(注2)が出来てくれば、取込んだ空気の温度が上がり、良い燃焼状態を保ち易くなります。
又、オキが出来てくれば、ある程度燃え難い燃料でも燃やすことが出来る様になります。
(注2)「オキ」とは薪が燃えて煙や炎を出さずに燃えている状態のこと
着火して良い燃焼状態になるまでは多少白煙が出てけむいですが、、良い燃焼状態になれば煙や匂いは殆ど出ません。
肝心の熱量ですが、蓄熱材のコンクリートブロックを暖めて、狭い温室内を暖房する目的には十分だと思います。
材料費のほとんどはステンレス排気筒(煙突)とパーライトでしたが、
外側容器に一斗缶等を利用すれば約\1,000位は節約になります。
材料費(参考値) | (合計) 約\6,000 |
排気直筒(SUS304) | 106半直筒 | \980 |
T字曲り(SUS304) | 106L曲 | \1,680 |
エビ曲り(SUS304) | 106エビ曲 | \980 |
パーライト | 14L×2 | \1,196 |
ケイカル板 | 5t×910×1820 | \598 |
アルミアングル | 0.8t×L12×1820 | \280 |
皿タッピングネジ | 4×10 30本位 | \200 |