文化財級 協奏曲
作曲家 ペーター・イリイチ・チャイコフスキー
曲名 ピアノ協奏曲第1番
指揮 レナード・バーンスタイン
演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
Pf.フィリップ・アントルモン
録音 1961.10.9  マンハッタン・センター
プロデューサー ジョン・マックルーア
エンジニア
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.6
商品番号:SMK 61828 ソニー(CBS)  ステレオ 
解説
マンハッタン・センターの広々とした空間を目一杯に生かした、雄大で華やかな音像表現である。ピアノ・ソロはオーケストラの中心に位置しながらも、ふくらみ過ぎず実物大のバランスで定位している。
曲は冒頭からブラスセクションのパワフルなTuttiが圧倒的なサウンドを放出し、ダイナミックなオーケストラ・イメージが描かれる。ホールトーンは会場全体に放射される自然な残響をそのまま生かしたものであり、オーケストラも左右に広げられた見事なステレオ感を確保している。各楽器をクローズアップするようなリアリティは聴かれないが、実物大のオーケストラを俯瞰するかのような、見通しのよい好感の持てる内容に仕上がっている。
音質面でも時代を考えれば充分なクオリティを保っており、若干のノイズを除けば、迫力あるサウンドに身を委ねることができるだろう。ダイナミックレンジもオーケストラの力量を余すところなく捉えていて、アナログの腰の強さを感じることができる。
アントルモンとバーンスタインの組み合わせはによるレコーディングは、他にラフマニノフの2番があるが、後々まで語り継がれるような名盤にはなっていない。しかし、はち切れんばかりの熱気やスピード感は、他の名盤と比べても見劣りしない内容であり、録音の優秀さと共に今後もっと評価されて欲しい演奏と言える。

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