録音が、単なる音の記録から
演奏芸術の再生へと、
その目的が変わったとき、
レコーディングエンジニアたちの
終わることのない挑戦が始まった。
彼らの挑戦はオーディオという
再生行為を生み、
「歴史的演奏の記録」と
「理想的再生音の追求」が
100年にも亘って繰り返されてきた。
数え切れないほどのエンジニアたちが、
数え切れないほどの音を「記録」した。
そして生まれた「奇跡の録音」。
音楽文化を永遠に伝え残すもの、
それが録音芸術である。
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1本のマイクが100人のオーケストラを捉え、
壮大な音像空間を創り上げる。
それは一人の指揮者によって
オーケストラから煌くような音響空間が
生み出されることと同じである。
録音芸術にとって、
マイクはその全ての入り口であり、
電気信号に置き換えられた音像は、
場所と時間を超越して
その音を求める一人一人の耳に届けられる。
コンサートホールの空間、
オーケストラの実像、
そして奏でられる音の閃き。
この感動と興奮を全ての人に伝えるため、
エンジニアたちの挑戦は続くのである。
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