愛蔵盤級 | 交響曲 | ||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:430 442−2 | デッカ ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||
アナログ時代の特徴でもある、明瞭で闊達とした音像表現である。弦楽セクションは近接気味の生々しい音像で捉えられ、一方の金管セクションはステージ奥に定位する距離感のある音像で捉えられている。そうしたセクション間のテイストの違いが、結果的に統一感を欠くことにつながってしまっているが、このような演出がかった表現もアナログ時代の象徴かと思えば納得できるだろう。エンジニアの試行錯誤を想像しながら聴くことも楽しみの一つなのである。 ホールトーンは金管の広がりのある残響が好感が持てるが、弦セクションは音が近いために残響は感じられない。ただ、mfでの音の明瞭さが生かされており、マイクアレンジの工夫が伺える。またffでも音像が飽和しないように十分コントロールされている。 ステージレイアウトは、奥行きに対しての統一感の弱さがあるが、左右のステレオイメージは見事なまとめかたである。特に、弦セクションの各パートの明確な定位は高く評価できる。 リアリティにおいては、奏者の息遣いや指揮者の唸り声まで捉えており、これをノイズと忌み嫌うのではなく、現場の生の空気だとして排除しなかったことが良い結果につながっている。 ダイナミックレンジは平均的で特筆すべきものはないが、楽曲のダイナミズムを充分に表現していると言える。 この演奏では、1楽章の展開部の直前、ppppppの静寂のところでファゴットを使用している。これは楽譜の指定であるが、慣例としてバスクラリネットを使うことが主流となっている。ファゴットでのppppppは演奏上難しく、またクラリネットとの音のつながりが悪いということでほとんど採用されていない。そういう面でもこの演奏は貴重な記録となっている。 |
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愛蔵盤級 |