文化財級 | 交響曲 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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商品番号:429 234-2 | グラモフォン ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||||
放送用の実況録音のようなバランスである。各楽器は明瞭に捉えられているが、マイクセッティングが近く音像が大きく感じる。オーケストライメージは各席からステージを望むというよりは、ステージ上空から見下ろすような表現になっている。 実際のオーケストライメージはこのようなものなのだが、オーディオ的な聴き方からすると、音像は目線の高さで左右と奥行に広がらなくてはならない。マイクはオケの上から音を狙うのでどうしても俯瞰気味の音像表現になってしまうのだが、そこをどう処理するかがエンジニアの手腕なのである。 音の質感はとても安定していて、オケがffになっても音が濁ったりパートが埋没したりすることはない。ただ、低域が膨らみすぎているのが耳障りで、ティンパニーの打音が皮の反発力よりも床を伝うような低域ばかりが強調されている。 作為的にオーケストライメージを作っていないことは評価できるが、一見すると平面的というか団子状態に聴こえてくるので、好みが分かれる部分となるだろう。良好な録音ではあるが、工夫には欠ける。 演奏は超弩級の迫力である。少々荒削りな録音がその迫力に拍車を掛けている。ニューヨーク・フィルの金管が図太い音でリスナーをのけ反らせるだろう。ロシアの土臭い音ではないが、都会のコンクリートが育てた機械的で粗野なチャイコフスキーが楽しめる。 |
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文化財級 |