ポップスにクラシック的なサウンドを持ち込んだ名匠「宮川泰」の作品を集めたアルバムである。上質なフルスコアを大阪フィルハーモニー交響楽団と吹奏楽の大阪市音楽団が演奏している。又、スタジオ録音では宮川ファミリーのピアノやヴァイオリンなども聴くことができる。シンフォニックな楽曲は大阪フィルハーモニー会館でのセッションである。
録音は、ホールトーンが豊に捉えられ、オーケストラに若干の距離感を持たせたアコースティックな音像表現に仕上がっている。オーケストラのバランスはとても自然で、各セクションのつながりも良く、ステージレイアウトが曖昧になることもない。弦セクションにステレオ感を強調した左右への振り分けがあるが、それによってピラミッド型の骨太な音像が描けるとこになり、迫力とダイナミックスの増大につながったようだ。又、リズムセクションがクローズアップされてメリハリ良く定位しているため、ポップスサウンドも生き生きと再現されている。
息子である彬良の編曲による「宇宙戦艦ヤマト」の吹奏楽版では、楽曲に新しい世界観を与え、また今なお新鮮な宮川の様々な楽曲が、オーケストラと吹奏楽の溌剌とした演奏で楽しむことができる。
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