世界遺産級 | 交響曲 | ||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||
商品番号:478 0351 | デッカ ステレオ | ||||||||||||||||||||||||||||
解説 | |||||||||||||||||||||||||||||
生々しく赤裸々な音像は、見事なまでの実存感である。 マイクが捉えた一つ一つの音を、余すところなくテープに刻み込んだ、エンジニアの執念とも言える録音に仕上がっている。自分が今、オーケストラと同じ空間に居るという錯覚に陥るようなリアリティは、時代や技術を問うまでもなく「生」として体感するしかない。エンジニアが到達した録音芸術の至高の姿であるとも言える。 ステージレイアウトは、スピーカー一杯に広がって展開する雄大で伸びやかなステレオイメージで、各セクションが効果的に左右に振り分けられて、フルオーケストラの巨大な音像を見事に表現している。 クオリティも、アナログ黄金期の充分な質感を伝えており、テープノイズなどはほとんど意識されることは無い。 またダイナミックレンジもこれ以上は望めないといえるほどの広帯域を持っていて、最新のデジタルほどではないにせよ、芯のある野太いサウンドが眼前に迫り来る勢いを持っている。 楽章ごとに極端に性格の変わるこの交響曲の特徴を、エンジニアは細心の注意を払って丁寧に捉えている。冒頭のユーホニアムのソロに始まり、繊細なバイオリンのソロ。突如出現するffのTuttiやティンパニの強打音など、支離滅裂に展開するマーラーの楽想を、懐深いアナログのダイナミックレンジにしっかりと落とし込んでいる。 このCDは、最新のリマスタリングによって、当時のエンジニアがモニタースピーカーで聴いていた音に限りなく近づいた。目の前にショルティが、そしてシカゴ交響楽団が居るのである。想像の手助けを借りなくても、この録音が「生中継」してくれる。つかの間のタイムスリップを楽しんでもらいたい。 |
|||||||||||||||||||||||||||||
世界遺産級 |