世界遺産級 交響曲
作曲家 グスタフ・マーラー
曲名 交響曲第3番ニ短調
指揮 レナード・バーンスタイン
演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
MSop.クリスタ・ルードヴィッヒ
Posthorn.フィリップ・スミス Tromb.ヨゼフ・アレッシー
録音 1987.11  エイブリー・フィッシャー・ホール
プロデューサー ハンス・ウェーバー
エンジニア カール・アウグスト・ネーグラー
その他 Live
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト 10
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 9.2
商品番号:459081−2 グラモフォン ステレオ
解説
マルチマイクでの録音であるが、音像はワンポイント的で極めて自然なオーケストライメージを表現している。このレーベルではあまり例のない、バランスの取れた音像表現である。
ステージレイアウトは左右に程よく広がり、その中に各楽器が定位良く配置され、曖昧なところは全くない。マルチ録音の最高品位の仕上がりであると評価できる。オーケストラの超人的な完成度、そして疲れを知らないハイパワーな演奏を、この録音は余すところなく見事に捉えている。
ライヴセッションのため、客席の気配を嫌ったマイクセッティングではあるが、これによるリアリティの損失はほとんど感じられない。ダイナミックレンジも過不足なく確保され、この時代の最高レベルの仕上がりである。
1楽章冒頭のホルンによる主題の提示部から、この録音の安定したステージレイアウトと芯のある音像表現を感じ取ることができる。バスドラムの地を這うような重低音の深みや、トロンボーン・ソロの実存感、3楽章に聴かれるポストホルンの天空に響く美しい調べなど、この曲の多彩で変化に富んだオーケストレーションを存分に堪能することができる。また、メゾ・ソプラノの独唱や児童合唱などの声の処理も素晴らしく、オーケストラとの距離感や音像定位も高く評価できる。
100分を越える長大な曲だが、寸分の緩みもないこの演奏と録音は、永遠に伝え残される逸品である。
世界遺産級