文化財級 交響曲
作曲家 グスタフ・マーラー
曲名 交響曲第4番ト長調
指揮 フリッツ・ライナー
演奏 シカゴ交響楽団
リーザ・デラ・カーザ
録音 1958.12.8 シカゴ・オーケストラ・ホール
プロデューサー リチャード・モア
エンジニア ルイス・レイトン
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 7.2
商品番号:JMCXR-0017 ビクター(RCA) ステレオ XRCD 
解説
ホールトーンは決して豊ではないが、各楽器がステージ上で十分に響いているため、乾いた印象はない。ステージレイアウトも明瞭で、楽器のリアリティも高い。ただ、バイオリンの音が硬くフォルテも耳障りに感じる。全体にまとまりよく捉えてはいるが、もう少し楽器間の分離をよくしてほしかった。なお、3楽章の終盤で編集部分と感じる不自然なつなぎがあったこともマイナスである。
マーラー録音のきわめて少ないライナーが、実直で硬質な演奏を聴かせてくれる。1楽章の特徴である耽美な世界観を、この演奏から聴き取ることはできないが、アンサンブルの妙技、丹精で無駄の無い表現はとても魅力的である。一方、3楽章はゆったりとした足取りで、牧歌的な伸びやかさを表現している。引き伸ばされたアゴーギクは、バーンスタインほどではないにせよ、この曲にライナーが十分に踏み込んだ表れではないだろうか。
文化財級