世界遺産級 管弦楽曲
作曲家 ニコライ・リムスキー=コルサコフ
曲名 スペイン奇想曲/ロシアの復活祭
指揮 アンタル・ドラティ
演奏 ロンドン交響楽団
録音 1959.6.6  Walthamstow Town Hall
プロデューサー ウィルマ・コザート Wilma Cozart
エンジニア ロバート・ファイン Robert Fine
その他 3−Track Telefunken201
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト 10
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点
商品番号:475 6194 マーキュリー SACD ステレオ
解説
ステージ上空につるされた3本のマイクが、2chステレオの枠を超えた壮大な音像空間を捉えている。目の覚めるようなオーケストラサウンドがダイナミックに展開する。
ホールトーンはそれほど多くはないが、オーケストラは豊かな響きを放射しながら鳴り渡る。ステージレイアウトは左右に目一杯広げられているが上下方向へも音像が広がっているため、中央の実存感が薄くなることもなく見通しの良いオーケストライメージにまとまっている。また、各楽器の定位も曖昧なところがなく充分なリアリティを表現している。
木管・打楽器・ハープ・ヴァイオリンのソロなど、ヴィルトゥオーゾな聴かせどころの多い色彩豊かなオーケストレーションを、余すところなく捉えた最高品質の仕上がりである。
プロデューサーのウィルマ・コザートは50年代から60年代までのマーキュリーの制作を統括していた。オーディオソースとしてアメリカでは絶大な支持を得ていたマーキュリーの、その音を作ってきたカリスマ的存在である。テレフンケンの3本のマイクでオーケストラを完璧なバランスで捉え、自然で鮮明な音像表現を描き出している。
デッカ・RCA・コロムビアと共に、50年代はまさにオーケストラ録音の黄金時代なのである。
同じ日に録音された「ロシアの復活祭」も内容は同じであり、演奏・録音ともこの曲のベスト盤として推薦できる。
世界遺産級