文化財級 管弦楽曲
作曲家 ニコライ・リムスキー=コルサコフ
曲名 スペイン奇想曲
指揮 レナード・バーンスタイン
演奏 ニューヨーク・フィルハーモニック
録音 1959.5.2 カーネギー・ホール
プロデューサー ジョン・マックルーア
エンジニア
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.2
商品番号:SMK 47595 ソニー(CBS) ステレオ 
解説
広々としたオーケストライメージにまず驚かされる。当時、ステレオ感を強調してステージレイアウトを左右に広げる録音が多い中、この録音は、単に左右の広がりが大きいというだけでなく、上下方向への音の放射も感じられるため、ステレオとしては十分すぎるほどの空間表現に仕上がっている。
オーケストラに対してもヴィルトゥオーゾ的に聴かせる所の多い曲であり、木管・金管・ヴァイオリンのソロなどの扱いも丁寧に捉えられ、奏者の息遣いなども生き生きと伝えている。ダイナミックレンジが広く取られている一方、音質は若干かさついた傾向にあり、録音の古さからやむを得ないが惜しまれる要素でもある。
いずれにしても、CBS(コロムビア)がこのようなサウンドを聴かせるのは珍しく、カーネギー・ホールという場所も影響したのか、結果的に時代以上の完成度を得ることとなった。
演奏も溌剌とした爽快な内容である。ロシアオーケストラのパワフルできらびやかな演奏とは趣を異にするが、それでも華やかさと推進力では決して負けてはいない。バーンスタインがロシア系の祖先を持っていることも、曲への共感につながっているのかもしれない。
文化財級