愛蔵盤級 交響曲
作曲家 ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン
曲名 交響曲第9番ニ短調「合唱つき」
指揮 ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ワルター・ベリー  ほか
録音 1962.11.1  イエス・キリスト教会
プロデューサー エルザ・シューラー
エンジニア ギュンター・ヘルマンス
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 6.8
商品番号:447 401-2 グラモフォン  ステレオ
解説
ダイナミックレンジの広い、迫力ある録音である。テープノイズが耳障りなのが残念だが、そうしたリスクを忘れさせるだけのリアリティが刻まれている。しかし、弱音はノイズに埋もれて明瞭度に欠け、ホールトーンが豊かな割には奥行感が出てこない。この時代の録音としてはノイズが多いのが疑問。
演奏は、凄まじい音の嵐が吹き荒れる。1楽章冒頭、霧の中で主題が聞こえてくると、切迫するかのようなクレッシェンドでフォルテを迎える。その後の展開は、まさにベートーベンの苦悩との戦いの音楽である。一瞬の隙も与えない、張り詰めた緊張感に貫かれた演奏である。カラヤンは、1楽章を戦いの音楽とすることで、喜びの4楽章へとつながる見事な音絵巻を展開していく。
この録音は、カラヤンの「第9」の数ある名演の中でもベストに挙げられるものである。何度もリマスターされて再販しているが、最近では「ガラスCD]なるものが登場し、1枚20万円という値が付いていた。20万円でCDを買うなら、同じお金を出してテープtoテープでダビングをしてもらいたいと思うが。
愛蔵盤級