愛蔵盤級 交響曲
作曲家 ウィリアム・シューマン
曲名 交響曲第10番
指揮 レナード・スラットキン
演奏 セント・ルイス交響楽団
録音 1992.11 パウエル・シンフォニー・ホール
プロデューサー Joanna Nickrenz
エンジニア William Hoekstra
評価項目 評価内容
ホールトーン
ステージレイアウト
リアリティ
クオリティ
ダイナミックス
平均点 8.2
商品番号:09026−61282−2 RCA ステレオ
解説
ステージレイアウトに魅力を感じる録音である。木管セクションがステージ中央に的確に定位し、その背後にある金管セクション、そして前方にある弦セクションが曖昧にならずに見通しよく捉えられている。各楽器をつなぐ空気感もほど良くブレンドされ、アンサンブルの呼吸が聴こえてくるようだ。
ワンポイント的な自然な音像表現ではないが、それでもマイクアレンジの技が冴える見事なオーケストライメージが描かれている。音の粒は幾分小振りではあるが、迫力の欠けることもなく、音像が遠くに感じることもない。
ホールトーンはステージ周辺の残響を巧みにブレンドした肌触りの良い雰囲気があり、人工的に加えられた過剰な演出は感じられない。
ダイナミックレンジは、オーディオ的に不満を感じることはなく、充分な広帯域を確保している。力量不足ではないが、若干低音楽器が膨らむ傾向にあり、この辺りはオーディオシステムを意識したエンジニアの表現的主張なのかもしれない。
アメリカ近代音楽の中でも庶民的で親しみのあるW.シューマンの楽曲を集めたアルバムである。交響曲第10番は世界発録音である。スマートでスピード感のあるシューマンの音楽を、シャープで無駄のないオーケストラ音像が聴き手を魅了するだろう。
愛蔵盤級